Home » 10大テーマで振り返る「2019年のにじさんじ」まとめ


にじさんじ 2019.12.28

10大テーマで振り返る「2019年のにじさんじ」まとめ

2018年の「にじさんじ」ライバーデビューから2年が経とうとしている。今年もライバーの増加や大型イベントや外部コラボ企画など、実に大きな動きが見られた。この記事では「にじさんじ」の2019年を10のテーマに分け、それぞれのトピックを振り返ってみよう。

テーマ1:企画配信

にじさんじを最も「にじさんじらしく」していたのは、ライバーそれぞれががタレント性を発揮する企画配信だろう。

中でも話題となったのは、某地上波番組のにじさんじバージョンとなる「格付けチェック」配信である。この企画では、先輩相手でもツッコミの手を緩めない夢追翔の司会ぶりが印象的だった。待機部屋では、映画談話で盛り上がるでびでび・でびると月ノ美兎といった珍しい組合せも見られ、大きな盛り上がりを見せた。

また夢追翔&緑仙らが中心となった企画「みどりさんといっしょ」では、第1回から「パチスロに行くニュイ・ソシエール」「大阪府・ひぐちかえでちゃん(17)」などインパクトの強いキャラクターが続々と登場。第3回では鈴鹿詩子お姉さんを招き入れるなど、過激な番組構成を見せており、今後の展開が気になるところである。

にじさんじの可愛らしい(?)マスコッツたちが集合する「にじさんじマスコッツ」も話題となった。ジョニー(夢追翔)、うさちゃん先生(郡道美玲)、ゴンザレス(町田ちま)、セバスピヨ(リゼ・ヘルエスタ)らが、マスコッツとして過激な発言を連発。苦労人のジョニーとテンションがあがりがちなうさちゃん先生たちの掛け合いが人気となった。派生企画として、ホロライブマスコッツとの対決オーディション企画なども開催され、次回が期待される企画である。

そのほか、1期生・2期生デビュー直後に開催されて好評を博した静凛主催の「声劇」や、ベストパートナー決定戦鷹宮リオンの特技が明らかになったにじさんじ料理対決なども思い出深い。ライバーたちのバトル展開を勝手に妄想して語り合う「妄想トーナメント戦」のように、ライバーたちの二次創作を大量に生産させた企画も多く見られた。

テーマ2:ライバーとの出会いと別れ

https://www.youtube.com/watch?v=u7L-grhaV5I

2019年始めからは、2~3人を1組として新ライバーがデビューする流れとなった。さらに、1期生・2期生・ゲーマーズ・SEEDsといった枠組みが撤廃され、「にじさんじ」として統合。2019年12月末現在でライバー数は95人となった。

統合後にデビューしたライバーは「さんばか」「SMC組」といったユニットを作り、先輩・後輩問わず精力的にコラボを行っている。

一方で、にじさんじを卒業するライバーも見られた。基本的に、卒業ライバーのチャンネル動画は本人の意向により削除されるため、コラボ動画などのみでしか姿を見られない。ここで引退したライバーたちを箇条書きで紹介しよう。

・鳴門こがね:2018年12月31日卒業。劇配信など、独特な世界観を持つ動画を投稿していた。

・海夜叉神:豪快な笑い声と軽快なゲームプレイ、ピアノ・ヴァイオリン演奏など多芸なライバー。企画「ジンジャの神様」を主催した。

・八朔ゆず:仮面ライダーとスプラッター好きの中学生。先の読めない雑談と、天真爛漫な笑い声が人気だった。

・名伽尾アズマ:24歳の活発女子。ライバーへのむちゃぶりが多くあったが、社築・花畑チャイカとのOTNコラボではストッパー役に。花畑チャイカやジョー・力一の「銘柄は?(メビウス!)」は彼女のためのかけ声である。

・闇夜乃モルル:ゆるふわボイスの癒やし系悪魔。レトロゲーを得意とした。社築との「矩形波倶楽部」や出雲霞との「いずもるる」などに出演していた。

・久遠千歳:不老不死の少女。テンションの乱高下が話題だった。強い感情を乗せた歌声はVシンガー・花譜から「Vtuberで一番好きな声」と絶賛された。卒業時には雨森小夜と「ホワイトリリー」を投稿。歌動画のみ、チャンネルに残されている。

・雪汝:シモネタ大好きな雪女。ゲーマーズ学力テストでは最下位に輝くなど学力は弱かったが、自身のLive2Dをアップデートしたり、Vtuberテトラ現よみのLive2Dを監修したりと、技術力の高いライバーだった。

ちなみに、笹木咲は2018年10月に1度卒業したが、2019年1月に復帰。投稿された笹木は嫌われているは300万再生を超える人気を誇っている。

テーマ3:流行したゲーム

「PUBG」や「マリオメーカー」など、ライバーたちは日々さまざまなゲーム実況を配信している。今年はどういったゲーがにじさんじ内で流行したのか、そのうちのいくつかを挙げてみよう。

にじさんじで流行したもののひとつが「麻雀」だ。しかし、麻雀が”できる”ライバーの配信ではなく、麻雀が”できない”ライバーによるコラボが人気を博したのである。上記リンクの企画では、樋口楓は練習配信で豪運を見せた

また大規模コラボの可能な「Project Winter」(通称:雪山人狼)も流行したゲームのひとつだ。叶、葛葉、リゼ・ヘルエスタらのコラボに始まり、外部VTuberとのコラボでも積極的に採用された。その内容については、こちらの記事にまとめられている。

「体を動かす」をコンセプトとしたニンテンドーswitch専用ゲーム「リングフィットアドベンチャー」も積極的にプレイするライバーが多く登場した。体力が続かず悲鳴を上げる者や長時間配信する猛者など、それぞれのリアクションの差を見比べてみると、より楽しめるはずだ。

ゲーム実況ではおなじみの「Minecraft」では、ドーラ管理の「にじさんじサーバー」上で繰り広げられる様々なドラマが話題となった。特にエクス・アルビオとアルス・アルマルの師弟やりとりやにじさんじランド建設などは多くの視聴者を夢中にさせたことは疑いない。ライバーごとの建設センスもみどころである。

さらに、にじさんじ全体を巻き込んだゲーム大会も多く開催された。最も人気が高かったのは「ポケットモンスター剣盾 にじさんじ杯」である。天開司主催がこの企画では、ライバー34名が集合し、「ポケットモンスター剣盾」のトーナメントマッチを実施した。どのバトルも見応えのある試合展開となった。大会までの経緯についてはこちらの記事に詳しい。また「第2回マリオカート にじさんじ杯」も総勢63名が参加する大規模大会となった。

他にも、ニンテンドーswitch《1, 2, スイッチ》アプリ《空気よみ。》steam《プラグ・アンド・プレイ》など、さまざまなゲームが配信された。ライバーたちが今後どんなゲームで、奇跡的なドラマを生み出すのか、見逃せない。

テーマ4:ライバーたちの余暇

配信活動をメインにしているライバーたちにもオフは必要。それぞれ羽を伸ばすため、さまざまな観光スポットで余暇を満喫していたようだ。

でびでび・でびると鷹宮リオンの2名は春頃にパリへと海外旅行に出かけ、その模様をTwitterでも楽しげに語っていた。また12月にも緑仙を交えて、3人でヨーロッパ旅行に出かけており、プライベートでの仲の良さがうかがえる。

月ノ美兎、樋口楓、静凛の3人「JK組」も12月に、かつて配信で叶えたい夢のひとつとして語っていたハワイ旅行へと出かけた。樋口楓と月ノ美兎は体験型観光や買い物に夢中になり、楽しかった思い出を喜々として語っていた。静凛はそんな2人を見守りつつも、ホテルでゲーム実況を配信するという、いつもと変わらぬマイペースな姿勢を見せていた。

また相羽ういはのイギリス旅行や、勇気ちひろ、える、樋口楓、モイラによる東京ディズニーランド遊覧など、観光を存分に堪能していた様子がうかがえる。今度は世界のどこへと旅立ってくれるのだろうか?

テーマ5:ライバー同士の家族のような絆

今年もにじさんじでは、ライバー同士がさまざまなかたちで絆を見せる機会が多かった。中でも「ド葛本社」は、それぞれが疑似家族的なユニットとして活躍し、高い人気を集めている。今年で結成1年を迎え、京都でのリアルイベントを機に全員が3Dデビュー。オリジナルソングも発表し、大きく躍進した。

また、夢追翔のように唐突に”パパ”と呼ばれ、勝手にライバーたちが娘を演じ始めるという流れも見られた。今後、ライバーたちがどのような関係性をファンに見せてくるのかにも注目である。

テーマ6:他企業所属VTuberとの強いつながり

にじさんじ所属ライバーは、他企業所属のVtuberとの関わりを持つことも少なくない。雑談コラボから大型イベントまで、さまざまなかたちでお互いのチャンネルを盛り上げていた。

注目は、あにまーれ所属・因幡はねる主催「第3回 VakaTuberは誰だ」。樋口楓が参加し、センスのある回答で因幡はねるを困惑させた姿は忘れられない。第4回には御伽原江良、椎名唯華、鷹宮リオンが参加。今後はどんなライバーが登場するのか楽しみなところである。

また、剣持刀也自身のラジオに以前から外部のVTuberをゲストとして招待していたが、おめがシスターズが招待された際は驚きとともに迎えられた。三枝明那伏見ガクは、男性VTuberユニットのひま食堂とのコラボに登場し、季節の料理や唐揚げを味わいながら、トークを楽しむ姿が見られた。

そしてコラボ配信の多いは、今年もブイアパ住人・杏戸ゆげ、VGaming所属・幼龍埜ゆい白雪レイド、Lupinus Virtual Games所属・一ノ瀬うるはなど、外部のゲーマーVtuberとコラボ。ゲームをきっかけに、実に多くのVTuberとの繋がりを構築していた。

意外な組み合わせとしては、島村シャルロットの雑談にドーラが招待されるといった企画もあり、次はどういったコラボが生まれるのかもチェックしたいところだ。

テーマ6:公式番組への出演

ライバーたちはYouTuber以外でも大活躍。特に強いインパクトを残したのはAbemaTVで配信されていた「にじさんじのくじじゅうじ」だろう。月ノ美兎、樋口楓、静凛、物述有栖、える、剣持刀也、家長むぎ、そしてMCにお笑いコンビタイムマシーン3号を迎え、野外ロケや芸能人とのトークなど、挑戦的な企画に取り組んでいた。残念ながらチャンネル廃止とともに終了してしまったが、番組AD/通称「虚無おじ」は未だにファンに愛されている。

また電脳少女シロ&.LIVE所属アイドル部がメインゲストの深夜番組超人女子戦士ガリベンガーⅤには、月ノ美兎と本間ひまわりが登場。小峠英二教官のツッコミを受けたほか、ガリベンガーVのリアルイベント「電脳少女シロ生誕祭」にも登壇した。

テレビアニメバーチャルさんはみているには月ノ美兎がレギュラーとして出演。ゲストとして樋口楓、剣持刀也、える、物述有栖、家長むぎ、次回予告に竜胆尊赤羽葉子が登場した。番組前後放送では月ノ美兎が電脳少女シロに詰められる一幕もあり、演者同士での掛け合いが魅力的だった。

さらにイベント「ニコニコ超会議 バーチャルさんがいっぱい」では月ノ美兎、静凛、樋口楓、剣持刀也が登壇。華やかなステージで、ニコニコ動画おなじみの名曲などを披露していた。12月31日にも、TOKYO MXで地上波TV冠番組「年またぎにじさんじ!~ゆくV!くるV!島﨑信長も来ちゃったよSP!~」の放送が決まっており、今後もお茶の間でライバーたちの活躍を見られるかもしれない。

テーマ7:心に残る歌の数々

にじさんじライバーの中でも歌を得意とするライバーは少なくない。緑仙は100曲近くのカバーを投稿しており、戌亥とこのRE: I AMはその歌唱レベルの高さが話題となった。アニメ「ダンベル何キロ持てる?」のOP曲「おねがいマッスル」のコラボなども数多く投稿されている。

爆発的な人気となった曲のひとつは「ヤンキーボーイ・ヤンキーガール(原曲:トーマ)」だ。この大型コラボカバーはツイッターでトレンド入りを果たすほか、ヤンキー組の二次創作が生まれるきっかけとなった。

にじさんじ1周年記念ソングとしてkz氏による楽曲”Virtual to Live”が披露された。歌詞に秘められた思いのほか、ろくんし氏によるMVにも様々な意味が秘められている。アンジュ・カトリーナ、リゼ・ヘルエスタ、戌亥とこによるカバーやゲーマーズ出身によるカバーも披露された。間違いなく、にじさんじを代表する曲といえるだろう。

テーマ8:3Dデビューを飾ったライバーたち

2018年4月の月ノ美兎の3Dデビューから、にじさんじ(ひいては、2D型Vtuberの多く)では3D化すること自体が、ライバーたちのひとつの目標となっている。2019年始まって以来多くのライバーが10万登録者数を突破し、3D化が達成された。

新ライバーたちの3D化に伴って、月ノ美兎を始め、前年から3D化されていたライバーたちのボディもブラッシュアップされ、より洗練された3Dを手に入れている。

さらに、にじさんじスタジオにモーションキャプチャ機材・VICONが設置され、より精度の高いフルトラッキング配信が可能となった。今後は手に入れた3Dボディでどのような配信を見せてくれるのかが重要となってくるだろう。

テーマ9:にじさんじ主催ライブの大成功

今年のにじさんじのニュースの中で最も大きいのは何かと尋ねられたら迷わずに「ライブだ」と答えるだろう。2018年には月ノ美兎トークライブやよみうりランドでのにじさんじイベントが開催されたが、今年はそれを上回るボリュームのライブが次々と実施された。

まずは2019年1月12日、樋口楓がZeppOsakaBaysideでの樋口楓1stライブ「KANA-DERO」で、リアルバンド×Vtuberというライブが大成功をおさめた。ファンメイドのイメージソングで約3000人のオーディエンスをわき上がらせた彼女の堂々としたパフォーマンスに、感情を動かされたライバーも多かったようだ。

その後、樋口楓VRライブ「ReStartLine」(鈴鹿詩子と共演)、cluster「Vアニ」、VARK「Vサマ」、そして幕張メッセで開催された「FAVRIC」に出演。歌系Vtuberとして鉄板の存在となった。また、鈴鹿詩子MarprilやMonsterZ MATE・コーサカ、東雲めぐと「TUBEOUT! SESSIONS」に参加した。(記事

こうした「にじさんじの音楽イベントを」という機運の元に開催されたのがにじさんじMusic Festival 〜Powered by DMM music〜」だ。幕張メッセという大舞台に加えて、全員3Dという特大のパフォーマンスにリスナーは大いに盛り上がった。

そして、その熱気で満ちあふれた会場で発表されたのが”にじさんじ冬の陣 2019~2020”と銘打たれたプロジェクト、Virtual to LIVE in 両国国技館 2019。新ライバーの3Dを含め、よりパワーアップしたライバーたちのパフォーマンスにライバー自身も、オーディエンスもテンションは最高潮に達した。

2020年には全国のZeppツアーライブShout in the Rainbowの開催も決定。月ノ美兎・樋口楓・petit flour(森中花咲×御伽原江良)のメジャーレーベルデビュー、アルバム発売なども発表され、まだまだにじさんじのライブ活動はとどまることを知らない。

テーマ10:来年の活躍の予感

ほかにも来年の活動へと繋がるような企画が多く見られた。文化放送超A&G+「だいたいにじさんじのらじお」を始めとしたライバーのラジオ進出はそのひとつと言えるだろう。また、「ネット流行語100」第1位の受賞や月ノ美兎のキズナアイ冠番組「のとく番」での最優秀Good Contents賞の受賞など、にじさんじ全体の知名度も大きく拡大していることがうかがえる。

また、大好評公式企画であった「にじさんじのみっくすあっぷ」がseason2として復活。ニコニコチャンネルでは「にじさんじのハッピーアワー」が配信されるようになった。こうした動きも今後はますます活発となっていくだろう。

以上、2019年のにじさんじについて振り返ってみた。1年の間に書ききれないほどのイベントが起こったが、もちろん個人配信でも充実した内容が数多く見られた。2020年のにじさんじの活躍にも期待していきたい。

執筆:Aikawa Hasma (Twitter:@arg_Aikawa_)


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード