国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学と豊田合成株式会社は、前腕部疾患に特化した遠隔触診システムのプロトタイプを開発しました。開発チームは今後、シンガポール国立大学病院と名古屋大学医学部附属病院を中継した実証試験を実施予定です。
本遠隔触診システムの開発は、NEDOが進める「人工知能活用による革新的リモート技術開発プロジェクト」の一環として実施されています。このプロジェクトは2021年度から2024年度までの期間で行われており、名古屋大学と豊田合成が委託先となっています。
今回、名古屋大学と豊田合成からなる開発チームは、脳神経科学に基づく触診の位置づけや患者への影響を理論的に検証するフェーズを経て、医師が的確に遠隔触診できるシステムを構築しました。
2024年11月からは、名古屋大学大学院医学系研究科の生命倫理審査委員会の承認を得た上で名古屋大学医学部附属病院の医師による実証試験を開始。「実証試験により、テニス肘などの前腕および手関節の疼痛や関節疾患が十分に診断可能であることが実証された」とのこと。
今後、名古屋大学と大学間学術交流協定を結ぶシンガポール国立大学の協力を得て、名古屋大学医学部附属病院とシンガポール国立大学病院(NUH)を結ぶ、国境を越えた遠隔触診の実証試験が行われる予定です。
(参考)プレスリリース