インスタグラムやフェイスブックの「フィルター」機能は、自撮りをカッコよく仕上げたり、あるいはデザートの写真を彩ったりする上で役に立ちます。しかし、そのフィルターが「顔の周りをブンブンと飛び回る蚊」だったらどうでしょうか。
元プロサッカー選手のデビッド・ベッカム氏がスポークスマンを務める、感染症マラリアの撲滅キャンペーン「Malaria Must Die So Millions Can Live」は、フェイスブックとインスタグラムで、蚊の群れをイメージしたARフィルターをリリースしました。
運動の理念を反映
「Malaria Must Die So Millions Can Live」は、2019年初頭から始まった運動です。今回のARフィルターのリリースは、第74回国際連合総会の開催と同時にリリースされました。ARフィルターは、クリエイティブスタジオPowsterが、プロボノ(無償)で制作しました。制作には、フェイスブックのARエフェクトツール「Spark AR」が使用されています。
ARフィルターを起動すると、利用者の顔周辺に蚊の群れが表示されます。端末の画面に向かって“声を上げる”とフィルターが音声を認識し、群れの量が一時的に減ります。喋ることをストップする(音を止める)と、群れが再び利用者の顔面に集中します。
声を上げると蚊が減るというARフィルターの仕様は「Malaria Must Die So Millions Can Live」の理念を反映しています。同キャンペーンは、マラリアの脅威を世界的に減らすべく、声を上げることを呼びかけています。
広告キャンペーンも実施中
「Malaria Must Die So Millions Can Live」は、ARフィルターのリリースと同時に、国際連合総会が開催されているニューヨークで、街頭ビルボードを活用した広告プロモーションを行っています。街頭広告の制作には「Quividi」が使用されています。の米メディアNext Realityによれば、街中の2,000以上のビルボードに、蚊の群れに包まれたベッカム氏の広告が表示されているとのこと。
今回のARエフェクトのリリースについて、 PowsterのクリエィティブディレクターAbi Smith氏は以下のようにコメントしています。
我々は、このような重要なキャンペーンを手助けできたことを、非常に誇らしく思っています。「Spark AR」や「Quividi」は、我々に“声を上げる(Speak Up)”というメッセージを刷新し、面白く、意義のある形でオンライン、オフラインを問わず、皆様に届けるための素晴らしいプラットフォームを我々に提供してくれました。
(参考)Next Reality