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医療・福祉 2018.05.07

ヘルスケアからVTuberまで Moffが提案するモーションデータ活用

ウェアラブルデバイスを使ったアプリを展開する株式会社Moffは、iOS向けモーションキャプチャーアプリ「Moffロガー」をリリースしました。このアプリでは、Moff社製ウェラブルデバイス「Moffバンド(6軸センサー)」で計測した各種モーションデータを、iTunes経由でCSV出力できます。

「Moffロガー」から出力されるセンサー

データ

Moffバンドを腕や足に巻きつけて出力されるデータは以下の通りです。

・データ取得時刻
 世界標準時
 UNIX時間
・3軸加速度(X,Y,Z)
・3軸角速度(X,Y,Z)
・クオータニオン(X.Y,Z,W)
・ユーザー加速度(X,Y,Z)
・回転行列(X.Y.Z)

※上記をタイムスタンプ付きで約20サンプル/秒の間隔でCSV記録します。

Moffバンドは同時に最大5個までデータを取得することができます。

Moff社は、もともと身体のモーションデータを取得できるMoffバンドをスマートトイとして発売。その後、IoTヘルスケア機器として提供し、リハビリアプリ「モフトレ」などを組み合わせて展開しています。モーションデータ自体を出力するMoffロガーは、社内用に開発していたものを公開することにしました。

Moffロガーはお手軽モーキャプシステムになるか

モーションデータを測る、現在主流の「光学式モーションキャプチャーシステム」は、専用のスーツを着用、身体に複数のマーカーを取り付ける必要があります。また、マーカー位置を測定するためのカメラ等の機材・設備が大掛かりになります。結果、測定場所・施設が限定されること、測定の所要時間、価格、着脱の手間、人件費などが導入のハードルとなっています。

これに対して「Moffロガー」は、既に市販されているモーションキャプチャ用のバンド「Moffバンド」を使うため、特別なスーツやマーカー、大規模な機材や設備等は不要です。Moffバンドは、巻きつけるだけの簡単なデバイスで価格も1つあたり5,616円です。手軽に使えるモーションキャプチャーアプリとして、主に「Moffバンド」の生データを解析したい研究機関や大学などでの活用が期待されています。

現時点では限定的な公開に留まっており、相談はデータ計測が多いとのこと。Moffロガーで取得されたデータをUnityなどのゲームエンジンとつなげて、モーションキャプチャをアニメーションに簡単に適用する機能も検討中です。同社によると、応用分野として現在注目を集めているVTuber(バーチャルYouTuber)での活用も模索しているとのこと。

Moffでエグゼクティブ・プロデューサーを務める園野淳一氏は、「MoffバンドやMoffロガーを使えば、既存のモーキャプシステムより手軽にVTuberができるようになるのではないか」と語っています。かつて、ドワンゴで3Dモデル・モーション投稿サービス「ニコニ立体」の立ち上げの際にマネージャーを務めていた園野氏。Moffロガーが今後どのような展開を見せるのか注目したいところです。

「Moffロガー」アプリの概要

アプリ名

Moffロガー

対応OS

iOS

対応端末

iPhoneおよびiPad

Moffバンド接続数

最大5台まで

データ出力方法

CSV(iTunes経由)

ダウンロード

App Storeより(アクティベーションコードは別途購入必要、有償)

(参考) 株式会社Moff


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