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テック 2018.05.23

VR内でドローンの飛行訓練、現実側の手間いらず MITが開発

ドローンの飛行訓練を物の置かれた室内で行おうとすれば、間違いなく何かにぶつかってしまうでしょう。頻繁に家具やドローンを修理したり、交換したりする必要が出てきます。この問題を解決するため、米マサチューセッツ工科大学では、VRで作った室内空間のイメージをドローンに“見せながら”飛行訓練ができるシステムを開発しました。

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VR空間にドローンを飛ばす

このシステムは「Flight Goggles(フライト・ゴーグル)」と呼ばれています。開発者らは大学のブログの中で「実際に物があるトレーニング現場で発生する衝突事故を劇的に減らせる」としています。現実で飛行訓練用の環境づくりを行おうとするとセッティングに時間がかかりますが、VRなら簡単にテスト用の空間を作れます。

システムはモーションキャプチャーシステムや画像レンダリングプログラムを用いており、同大学のドローンテスト施設向けに開発されました。ドローンには電子基板を搭載。VR環境のデータは、フレームレート90fpsでドローンに転送されます。公開された動画では、最大秒速6.7mでドローンが飛行しているということです。

同大学のブログ記事では次のように発表されています。

「10回以上飛行テストを行った結果、ドローンは秒速約2.3mで飛行し、VR空間の窓を361回くぐることに成功しました。VRの窓にぶつかったのは3回だけです。もちろん、ドローンがぶつかったとしても現実に被害はないため、ドローンの開発にかかる時間やコストへの影響はほぼありません」

テスト空間に人も設置可能

テスト用の環境は自由に設定でき、人や車のような動く障害物も導入できます。開発者はテスト施設を2つに区切り、1つをドローンが飛行するための空間、もう1つはモーションキャプチャースーツを身につけた人が入り、そのイメージをドローンが飛行するVR空間に重ねて表示するようにしています。こうすれば人を危険にさらさずに、テスト空間へ人の姿も映すことができます。

「Flight Goggles」は、5月21日からオーストラリアのブリスベンで開催されている IEEE International Conference on Robotics and Automationで発表される予定です。

これと関連した技術では、ARデバイスを使ってバーチャルドローンを現実で操作するアプリを中国のドローンメーカーとエプソンが発表しています。

(参考)Road to VR
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