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Magic Leap 2018.08.03

MRデバイス「Magic Leap One」視野角がリークか

Magic Leapが開発中のMRデバイス「Magic Leap One」のスペックについて、新たな情報がリークされました。ある開発者が発見した情報によれば、Magic Leap Oneは水平方向に40度、垂直方向に30度という視野角を示す情報が記載されているとのこと。

謎に包まれたMRデバイスMagic Leap One

Magic Leapは、現実空間にバーチャルな物体などをまるで実際にあるように見ることができるMRデバイスMagic Leap Oneを開発中です。巨額の資金調達を行い注目を集めながらも、デバイスに関する情報や実機で動いている映像がほとんど公開されていません。
2017年末には、名前とともにデバイスの外見やコントローラーなどが発表。開発者用の「Creator’s Edition」を準備中となっています。2018年3月には開発用のツールSDKが発表になりました。

その後公式生放送などで情報を小出しにしていますが、スペック詳細については口を閉ざしたままでした。

多くのデバイスに劣る視野角

今回のリークを報じたのはメディアNext Realityです。匿名の発見者が、開発者向けウェブサイトのソースコードに、視野角を示唆する情報が埋め込まれている事に気づきました。

その情報をまとめると、Magic Leap Oneのアスペクト比は4:3、視野角は水平方向に40度、垂直方向に30度、対角方向に50度ということ。
比較のために既存のデバイスの視野角を確認すると、マイクロソフトのMRデバイスHoloLensはアスペクト比16:9、水平30度、垂直17度と推定されています。またLeap Motionが発表したARデバイスProject North Starは、水平で100度以上の視野角を実現しています。

さらにPlayStation VR(プレイステーションVR、PSVR)、Oculus RiftやHTC Vive、Oculus Goなど現行の多くのVRヘッドセットの水平視野角は100度前後となっていますが、それでも体験中に左右の黒い枠が気になることもあります。VRの没入感は高めるために、視野角150度まで改善するディスプレイを開発中のメーカーがあるほどです。
なお人間の水平視野角は両目合わせて220度程度とされています。

対象からの距離、対象のサイズ別の見え方具体例

Magic Leapは視野角(Field of View:FOV)という単語の代わりに、視錐台(Frustum)という言葉を使い、デバイスのスペックを説明しています。
ここではリークされた情報の概要を紹介します。

(以下、Magic Leapウェブサイトからリークされた情報より)
視野角という単語は2Dの世界をコンセプトとしたもので、我々のデバイスを通じて体験する3次元空間をうまく表せていません。代わりに、「Viewing Frustum(またはView Frustum、視錐台)」という言葉で、どの程度対象が見えるかを説明します。デバイスを使って見る対象は、手のひらサイズのものから90インチのTV画面、そして航空機に至るまで、幅広い大きさのものが存在します。こうした対象のサイズと対象からの距離も考慮した上で、視野の中に入るものを以下に挙げます。
(1インチ=約2.5センチ)

・対象からの距離40インチ(約1メートル)の場合:
体長29インチ、体高21インチの寝そべった飼い猫

・対象からの距離75インチ(約1.9メートル)の場合:
体長54インチ、体高41インチの立っている大型犬(ラブラドールレトリバーなど)

・対象からの距離110インチ(約2.4メートル)の場合:
90インチの大型TV画面(縦58インチ、横80インチサイズ)

・対象からの距離144インチ(約3.6メートル)の場合:
伸長フィート(約180センチ)の立っている人物3人。見える範囲は縦約195センチ、横約265センチ

数字で示すと、Magic Leap Oneの視野角は水平方向に40度、垂直方向に30度、対角方向に50度となります。

すでにこのリークを受けて、これまでのMagic Leapが公開してきたPVと比べて狭い視野角には失望の声も出始めています。公式発表、そして実際の製品を手にするまで最終判断はできませんが、Magic Leapは開発者向けキットの出荷は2018年夏と謳っています。期待と膨大な資金を集めた企業に、どのような評価が下されるのでしょうか。

(参考)Next RealityVRFocusRoad to VRUpload VR
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