MRデバイスMagic Leap Oneを開発中のMagic Leapは、不定期に開催している公式生放送にてデバイスに関する情報を徐々に公開しています。日本時間2018年7月12日未明に公開された生放送では、プロセッサに関する情報と開発者向けのデモの映像が公開されました。
Magic Leapは、現実空間にバーチャルな物体などをまるで実際にあるように見ることができるMRデバイスMagic Leap Oneを開発中です。巨額の資金調達を行い注目を集めながらも、デバイスに関する情報や実機で動いている映像がほとんど公開されていません。2018年中(2018年夏とも言及あり)には、開発者向けのCreators Editionを出荷することを明らかにしています。
1時間にわたる生放送では、既存情報の話や重要な部分では具体的な情報を明かさない展開が続きましたが、プロセッサの情報と開発者向けのデモの映像が公開されました。
(生放送にはMagic Leap社の社員が次々登場…するも核心に触れる情報が明かされないまま進んでいく)
3つのプロセッサを内包するNVIDIA社のTegra X2を搭載
Magic Leap Oneは、ヘッドセットとは別に有線で接続したLightpackと呼ばれるデバイスにプロセッサやバッテリを内蔵しています。このLightpackは、ポケットに引っ掛けるなどして装着します。
LightpackにはNVIDIA社のTegra X2が搭載されます。Tegraシリーズは、NVIDIAが開発するモバイル向けの統合型チップ(SoC)です。デュアルCPUとGPUを内包し、Tegraはニンテンドースイッチにも採用されています。
CPU
・クアッドコア ARM A57
・デュアルコア NVIDIA Denver 2
GPU
NVIDIA GPU 256 CUDA Core(Pascal世代)
Magic Leap OneではシステムとアプリケーションでCPUの割り当てが行われます。独自OS「Lumin OS」は、ARM A57の2つのコアとNVIDIA Denver 2の1つのコアを使用し、残り半分(ARM A57の2つのコアとNVIDIA Denver 2の1つのコア)はアプリケーション側での使用が可能です。
アプリ作成に使用するUnityやUnreal Engine 4といったゲームエンジンではコアの利用のバランスを最適化する機能が搭載されているとのことです。
視野角やフレームレート、解像感に関する言及はありませんでした。
開発者向けデモ映像も公開
生放送ではプロセッサに関する情報の後に、開発者向けの実機デモを動かしている様子を実演ではなく動画で公開しました。現実の空間構造を認識する様子やHoloLensのように指をつまむようなジェスチャー操作、小さなゴーレムを出現させてプレイヤーに向けて岩を投げつけさせ、それを腕で払う様子が収められています。
コントローラーを使った操作に関しては今回はお披露目しないとのこと。次回の生放送の予定は未定です。
Magic Leapは今回の生放送の前にAT&T;との独占提携についても発表を行っています。