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ARクラウドのBlue VisionをカーシェアのLyftが買収

米国でカーシャアリングの配車サービスを手がけるLyftが、ARクラウド技術を開発するBlue Vision Labs社を買収しました。レベル5(車が全ての操作を行う完全自動化)の自動運転に向けて、Blue Visionの3Dマップや、AR空間共有の技術を活用していく方針です。
 

ARクラウド技術のスタートアップ

Blue Vision Labsは、2016年に設立されたARクラウド技術の開発を行うロンドンのスタートアップ企業です。ARクラウドは、ARアプリでの体験や、設置したオブジェクトをその場所に保存し、時間やデバイスを超えて共有し、マルチユーザーでの体験を可能にする技術です。スマートフォンを使うモバイルARの普及に向けて、最も重要な技術と考えられています。Blue Vision Labsは、シティスケールのARクラウド技術を開発しており、街の点群データを収集してARクラウドを使えるようにする技術を。ロンドンなど世界3都市で利用可能なSDKを公開していました。

メディアTech Crunchが関係者筋の話として伝えるところによると、買収金額は7,200万ドル(約80億円)。但しLyft自身は評価額についてコメントしていません。Blue Visionは今年3月、グーグル・ベンチャーズらから1,450万ドル(約16億円)の資金調達を行ったことでも注目を集めました。

Blue Visionが発表した開発者向けのARクラウドツールAR Cloud SDKでは、ARアプリ開発者は複数ユーザがAR体験を共有できるアプリを開発可能です。同社はロンドン・サンフランシスコ・ニューヨークの3都市で精密な3Dマップを作成しており、その3Dマップ上に3DCGのグラフィックを設置し、保存することが可能になります。

プラットフォームに不可欠なデータ蓄積

今回の買収の狙いも、この3Dマップにあると見られます。Lyftのエンジニアリング部門ヴァイスプレジデント Luc Vincent氏は次のように話しています。「我々はBlue Visionの技術を、大規模かつ最良の地図構築に活用できることを楽しみにしています」「当社は優れた地図が必要で、乗客と車がどこにいるかを把握していなければなりません。サービスをより効率的にし不満点を取り除くために、Blue Visionの技術が不可欠です」

Lyftの事業拡大にとってBlue Visionの精密なマッピング技術が重要な一方、配車サービスの車は地図情報を集める”カメラ”となり得ます。ダッシュボードに置かれたスマートフォンで走行する道の情報を集め、乗客のデータも蓄積が可能です。これらの情報は、自動運転向けプラットフォームの学習に活用することができます。

Blue VisionのCEO Peter Ondruska氏は、この学習システム用データ獲得競争について次のように考えています。すなわち、広範囲なカメラのネットワークを持ち、データを素早く抽出できることが「ゲームチェンジング」である、ということです。

Ondruska氏はインタビューの中で、「どれだけのデータを持っているかということが、どれだけそのシステムが信頼できるか、ということに繋がります」と話しています。そして、「我々の技術を使えば、Lyftは車をトレーニングすることができます。これはまさにゲームチェンジングなことです」と説明します。

AR体験「共有」も鍵

またBlue Visionの技術でもう1つ注目すべき点は、AR体験を「共有」できることです。例えばLyftのドライバーと、車を探す乗客とのコミュニケーションを円滑にしたり、乗客が車を見つけやすくしたりする、といった活用方法が考えられます。すでにBlue VisionのPVには探しているタクシーの上にアイコンが表示される様子が表示されていました。

https://www.youtube.com/watch?v=tXwVg2S9wuY

3Dマッピングについては、Blue Visionの他にも6d.ai、Sturfee、「ポケモンGO」で知られるナイアンティックといった様々なスタートアップが取り組んでいます。そして、これらに投資する大手企業も数多く存在します。

3D地図情報を活用した新たなプラットフォーム開発が進めば、ユーザーにとってより便利なアプリケーションが増えていくことも期待されます。

AR技術についてOndruska氏は2018年前半「ARがまだ本当の意味でマスマーケットに届いていない理由は、市場に存在する技術が要因です」と語っています。同氏は「1人のユーザーの体験では限界があります。我々はその次のステップに進み、たとえば人々が同じ空間を見られるようにします。AR以前には不可能だったことです。これを実現することで新たなARのユースケースを作り、人々が毎日使えるようなものにします」と同社の方針を述べていました。

(参考)Tech Crunch

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