Home » LG、XRの製品化を断念か 研究開発は継続


企業動向 2025.03.27

LG、XRの製品化を断念か 研究開発は継続

LGは2023年末に設立した製品化を目指すXR開発室を廃止し、XR研究開発のみを継続する模様です。韓国メディアThe Bellが報じました。LGは取材に対し「開発組織は消えたが、研究開発はCTO部門内で進行している。事業化計画を遅らせ、R&Dに集中することにした」と明らかにし、今後は冷暖房空調やロボティクス分野に注力する方針です。


LGのXR市場への関心は2023年3月から顕著になり、Metaのマーク・ザッカーバーグ氏が韓国を訪問した際、LGエレクトロニクスのチョ・ジュワン/William Cho氏らと会談。両社は「XR新事業パートナーシップ強化」のための戦略的議論を進め、デバイスやプラットフォーム、コンテンツ全般での協力を予定していました。

その後、2024年2月には両社の戦略的提携が正式に発表され、「次世代XRデバイス開発」についての協力が明らかにされました。しかし、発表からわずか数ヶ月後には、LG側が「ペースを調整中」と発表。複数の報道では、共同開発予定だった高級ヘッドセットが2027年に延期、あるいは完全にキャンセルされたとの情報も出ていました。

LGはVR市場参入の歴史は浅く、2016年にはスマートフォン接続型の小型ヘッドセットを発売しましたが、評価は低調でした。2017年にはPC接続型のSteamVRヘッドセットのプロトタイプを展示しましたが、製品化には至りませんでした。

複数のメディアは、LGのXR開発中止の背景について「XR市場を支えるソフトウェアやコンテンツがまだ十分に整っていないという市場認識があるのでは」との分析を示しています。また、LGとMetaが協業過程で方向性などについて意見の相違があったという情報も報じられています。

LGは今後、AI家電やHVAC、ロボティクスなどの分野に注力する方針です。特にベアロボティクスの買収を今年上半期に完了させ、ロボット事業に力を入れることを計画しています。

LGがXR製品開発への取り組みを縮小する一方で、同じく韓国企業サムスンは対象的な戦略を取っています。同社はAndroid XR対応のMRヘッドセット「Project Moohan(コードネーム)」の実機を2025年1月に公開。Googleが発表したXRデバイス向け新OS「Android XR」を搭載する初の製品として2025年内の発売が予定されています。

(参考)the bellUploadVR

Mogura VRはUploadVRのパートナーメディアです。


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード