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イベント情報 2017.03.09

【体験レポ】VRで自然な文字入力 Japan VR Fest.に展示されたユニークな作品を紹介

2月25日、ベルサール秋葉原でVR作品の展示会「Japan VR Fest.(旧Ocufes)」が開催されました。VR制作者の発表の場と人脈のハブ、多くの人にVR体験をさせることなどを目的として年に数回開催されているイベントです。今回の来場者数は2,081人(主催者ツイートから)でした。

MoguraVRでは、これまでも同イベントの体験レポートを掲載してきました。

第1回 【体験レポ】VRフィットネスで楽しく運動!トランポリンやリズムゲームを紹介
第2回 【体験レポ】VRで幼女からビンタ!リアルな触覚を感じる6つの体験をJapan VR Festから紹介
第3回【体験レポ】爽快、ワイヤー高速移動で、アニメの主人公気分 などJapan VR Festの注目作品を紹介 第3回

第4回のテーマは「VRでの文字入力」です。

現在、VRを体験するには、VRヘッドマウントディスプレイを被ることが多いですが、VRヘッドマウントディスプレイの着脱を繰り返すことは面倒でもあります。片手間にSNSを見たり、メールの返事をしなければならないなど、できればVR内で生活のすべてをできるようになりたいものです。

VRで何かを「見る」だけなら、VRに大きなモニターを配置して映像鑑賞・共有ができる仮想デスクトップなどがでてきましたが、VRで「書く」場合、VRヘッドマウントディスプレイを被ったままキーボードを使うことは難しいです。

また、両手にはコントローラーを持っているため、置いて入力して、また持つという動作も億劫に感じます。そのためVRで違和感なく文字入力ができる入力方法を模索している最中です。

『コエカタマリ』


『コエカタマリ』はしゃべった言葉を立体的な文字として空中に表します。マイクに見立てたコントローラーに向かいトリガーを引いて好きにしゃべり録音。トリガーを離すと録音した言葉がコントローラーの前の空間に一行になって物質化されて現れます。

作品タイトルは「ドラえもんの秘密道具」から。原作では一語一語が口からでて浮いていくイメージですが、こちらは録音した一行分が空中に出現します。

活舌がよくなくても、長い文章をちゃんと文字化する音声認識の精度に驚きます。体験者の中には寿限無寿限無……と、おなじみの早口言葉言う人も。

現れた文字は掴み、移動させることもできます。

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実用的な面からみると、VR内でのプレゼン等に字幕がリアルタイムでつけられる、聴覚障碍者との会話に利用できる、など考えられます。

エンターテインメントとしては、プレイヤーが発した言葉をお互いに叩きあうバトルをしたり、文章を折ったりくっつけて違う文章を作ることができるのではないかと色々発展しそうで、今後が楽しみなコンテンツです。

制作:株式会社GATARI
使用デバイス:HTC Vive

『VR日本語入力』

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『VR日本語入力』はハンドコントローラ―「Oculus Touch」を使用した新しい文字入力方法です。右手首をひねる、親指のステックで文字を漢字変換するなど、両手のコントローラを使って文字を選択、変換、入力します。初めての入力方法のため練習は必要です。

タブレットやスマートフォンが出現してフリック入力がでたように、VR内での文字入力にも、既存の方法とは違うやり方がでてくるかもしれません。どういった入力方法が適しているのか、まだ未知の段階です。

制作:ゆーとVR
使用デバイス:Oculus Rift 、Touch

『書道VR』


最後に紹介する『書道VR』は文字入力の提案が目的ではなく、VR内で書道をするコンテンツです。VR内で文字を表すということでオマケとして紹介します。

Mogura VR内の開発チームMogura VR Studio第一弾の作品です。

1メートル以上の大きな筆を持ち、2畳程ある半紙に文字や絵を書きます。部屋は広い畳敷の部屋、そばにはまるで湯船のような硯などがあります。筆を大きく振ると、現実のように墨が細かい飛沫となって飛びます。

筆の入りや、抜きの感覚など、実際の筆の書く感覚に近いことが特徴です。筆を上に上げて細い字を書くこともできます。

現実では、大きな筆と半紙を用意するのも手間、家の中に書くためのスペースを作るのも大変。なにより、墨汁が部屋の中や服につくことを考えると、現実の家の中で巨大な書道をすることは困難です。

しかしVRならば汚れませんし、VRならば集中して書道を練習することも可能です。

イベントでは書いた文字を印刷して配っていたため、Japan VR Fest.主催者は名札替わりに「主催者」と書いた紙を自身に貼り付け、各展示ブースでもタイトルやブース名を書いて飾っていました。今後は、配信を目標にブラッシュアップしていきます。

制作:Mogura VR Studio
使用デバイス:HTC Vive

VRヘッドマウントディスプレイを日常的に使わないと、文字入力の必要性は実感しないかもしれませんが、今後確実に必要になり、便利な方法が必要になる分野になると考えられます。


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