360度カメラメーカーのInsta360が、中国のハイテク企業向け株式市場「STAR Market」に上場しました。上場により約19.38億元(約390億円)を調達する見込みで、これはSTAR Marketで過去17ヶ月間における最大規模の資金調達となります。調達資金は、次世代のスマートキャプチャー技術やAIアルゴリズム、産業別に特化した撮影ソリューションの研究開発に活用される予定。グローバル展開と製品の進化をさらに加速する方針です。
Insta360は2015年に、劉靖康氏(リウ・ジンカン/JK Liu)によって設立されました。幼少期からテクノロジーに関心を持ち、映像体験の進化を通じて創造活動を支援することを目的に起業したとされています。
同社は社内での技術開発に注力しており、従業員の半数以上が研究開発職に従事しています。保有する特許は世界で900件以上にのぼり、AIによる手ブレ補正や360度映像の合成処理など独自技術を通じて他社と差別化を図っています。
製品は360度カメラやアクションカメラ、AIウェブカメラ、業務用VR撮影機器など多岐にわたり、世界200以上の国や地域で利用されています。AppleやBest Buyといった販売パートナーを通じたグローバル展開も進めています。
個人向け製品としては、2025年4月に「Insta360 X5」を発売。本機は1/1.28インチの大型センサーと3基のAIチップを搭載し、8Kの360度映像撮影に対応しています。暗所での撮影性能も高く、交換式レンズやIP68相当の防水仕様により、耐久性やメンテナンス性も強化されています。販売価格は税込84,800円です。
プロフェッショナル向けには「Insta360 Titan」が用意されています。11K解像度での撮影が可能で、マイクロフォーサーズセンサーや8基の魚眼レンズ、10bitカラー対応により、より自然な360度映像を実現します。価格は税込188万円で、業務用途に特化しています。
同社は今後、AIを活用した自動スティッチング技術の研究開発に注力するとのこと。被写体の輪郭を自動で認識・処理し、映像合成時の手動修正を不要にすることで、制作時間とコストの削減を目指します。
共同創業者でグローバルマーケティング責任者のマックス・リヒター氏は、今回の上場によってより多くのツールやパートナーシップへの投資が可能になると述べています。創業者の劉靖康氏は、「ユーザーがツールの存在を意識せずに創造に集中できる環境の提供を目指す」とコメントしています。Insta360は今後もクリエイターやパートナー企業との連携を深め、グローバルでの存在感をさらに高めていく方針です。


