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活用事例 2020.01.07

インフルエンザワクチン、接種率向上にはVRが有効? 米大学グループ

冬本番、インフルエンザが流行する季節。感染の拡大を防ぐにはワクチンが有効ですが、その接種率は芳しくないというデータもあります。この問題に対し、米国のオークリッジ大学連合(ORAU)の科学者らが対策を検討。方法のひとつとして、ワクチンの接種率向上にVRコンテンツが有効であると発表しました。

接種率は目標7割も……実際は3割以下

アメリカ疾病管理予防センターによれば、18歳から49歳の年代において、目標とするワクチンの接種率は70%です。しかし実際の接種率は大幅に下回る30%以下。2017~2018年のインフルエンザシーズンも、同年代のワクチン接種率は26.9%にとどまりました。

ワクチンを打たず街へ出ると……

ワクチン接種率の向上という課題解決のために、ORAUのチームはVRに目をつけました。彼らはワクチンの接種を促す内容のVRプログラムを作成したのです。コンテンツの体験者は、ワクチンを接種せずレストランに入店、その場で咳をします。すると居合わせた二人の人物が感染、病院行きとなってしまいます。

作成に携わったORAUのDeborah McFalls氏は、「こうしてまず、接種しないとどういう結果になるか、見ることができました。その後、同じシーンをやり直します。2番目のシナリオでは、体験者はワクチンを接種済みです。同じレストランに入店、同じ人たちと一緒です。体験者はここでも咳をしますが、誰も感染しません」と説明しました。

他のツールと比較し、最も有効

このコンテンツの有効性検証のために、チームは175名のワクチン未接種の人々を対象に実験を行いました。1つ目のグループには電子パンフレットを、2つ目のグループには動画視聴を、そして最後のグループにはVR体験を通じて、シナリオを視聴させたのです。

McFalls氏は、3つのツールのうち、VRが最も“ワクチンを接種しよう”と思わせることに成功したと話しました。ただし実証性の検証には、被験者数を増やしての再実験や、実際にワクチンを接種したかの追跡調査が必要だということです。

(参考)WBIR.com


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