日産自動車は、台湾・HTCのVRソリューション「HTC G REIGNS ローカル5Gネットワークおよびエッジクラウド」を導入しました。日産自動車のデザインチームは、従来の技術では困難だった大人数での同時VR協働環境を実現し、車両デザイン開発のプロセスや製品開発サイクルの効率化を加速する方針です。
今回導入された「HTC G REIGNS ローカル5GネットワークおよびエッジクラウドVRソリューション」は、HTCの開発技術を活用したネットワークソリューションです。
日産自動車では以前から、VRを活用し、3Dデジタルモデルをバーチャル環境に導入することで、車両の外観や内装デザインを複数人で同時確認していました。しかし、デザインの精度が高くなり、かつチーム規模が拡大する中で、遅延や帯域幅の制約による映像の不安定さや瞬間的な通信接断が頻発。日産は状況改善のため、HTCグループ企業「HTC G REIGNS」を通じて「HTC G REIGNS ローカル5GネットワークおよびエッジクラウドVRソリューション」を導入しました。
このVRソリューション導入後は、PCとVRデバイス、スマートフォンなどがローカル5Gネットワークを介して接続可能になり、デザインデータの漏洩リスクが低い高セキュリティのネットワーク環境が構築できたとのこと。
また、エッジコンピューティングによるリアルタイム処理により、遅延の少ない体験が可能となり、デザインチームが高精度3Dモデル設計を協働で行えるようになりました。さらに、最大10数人の同時ディスカッションが可能となり、製品開発および意思決定サイクルの短縮も報告されています。
開発元のHTCによると、本ネットワークシステムはOpen RANオープンアーキテクチャ設計に基づいており、規格適合機器であれば「仮想基地局」を構築可能です。そのため、従来の通信設備への負荷を減らし、「企業の導入コストを抑えられる」と強調しています。
(参考)プレスリリース