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業界動向 2022.05.18

マイクロソフトとフォルクスワーゲン、MRヘッドセットを運転中でも使えるナビシステム開発

マイクロソフトはフォルクスワーゲンと提携し、同社のMRデバイス「HoloLens 2」を搭載したAR GPSナビゲーションシステムを開発しました。この「移動プラットフォーム機能」と呼ばれるマイクロソフトの技術は、車を運転するユーザーにリアルタイムナビゲーションと安全情報を提供するように設計されています。

この機能は三次元の位置特定システムでヘッドセットと車の位置を追跡し、実世界の環境上に3Dの情報を固定することが可能。例えば、ダッシュボード上に3Dライブマップを投影し、ユーザーは道路からあまり目を離すことなく現在地を確認できます。この新しい技術の活用法として、困難な道路状況に対応するためのドライバーのトレーニングや、車外の名所情報の3D要素を配置するといった、自律走行車での新しいユーザー体験の創出なども期待されます。

一度プロジェクト頓挫も、その後技術改良を経て再び提携

フォルクスワーゲンは、以前からARナビゲーションの実験をしています。2015年に行われた研究プロジェクト「Race Trainer」では、当時のトラッキングシステムに問題があり、車両が動き出すとHoloLens 2が映し出す映像も動いてしまいます。したがって現実にMRオブジェクトを固定できず、残念ながらプロジェクトは頓挫していました。その後2018年より、マイクロソフトとフォルクスワーゲンは再び提携。車両の動きを考慮したHoloLens 2用のアルゴリズムを開発し、トラッキングを失わない快適なARナビゲーションを実現しました。

フォルクスワーゲン・グループ・イノベーションのデータサイエンスチーム長であるアンドロ・クライン博士は「MRの情報こそ、お客様のユーザー体験を高めるために提供できる最も直感的な情報だと考えています」とコメントしています。

マイクロソフトによると、この移動プラットフォームシステムは、すでに様々な海事団体から興味を持たれているようです。現在は大型船舶等、ゆっくりと移動するものでのみサポートされていますが、将来的には飛行機や列車、エレベーターなど、他の移動環境への対応を拡大する予定です。

(参考)マイクロソフトVRScout
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