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活用事例 2020.03.12

7割以上が改善実感、ヒルトンホテルの“共感力を高めるVR”

ホテル、リゾートを経営するヒルトンは、スタッフのトレーニングにVRを導入します。現場での実務経験不足を補い、顧客の立場に寄り添う“共感力(Empathy)”を高めることが期待されています。

ヒルトンが導入するVRトレーニング「Hotel Immersion」は、約1年半の期間をかけて開発されました。教育ソリューションを手がけるSweetRush社が協力、3DCGと360度ビデオを用いて、ルームサービスやハウスキーピング、フロントデスクといった業務について学びます。

誰でもどこでも実務経験を

ヒルトンが従業員教育にVRを導入する背景には、スタッフの現場での実務経験の不足があります。何千人もの新規採用を行う一方、彼らがホテル現場での実務を積む機会は限られています。

しかしVRコンテンツの中では、ホテルのボイラー室、厨房といった様々な場所をリアルに体験可能です。オフィスであれ、世界のどこにいても問題ありません。見学だけでなく、ルームサービスのセッティング、チェックイン手続、部屋の清掃等の業務の練習もできます。

顧客への共感力を高める

このVRトレーニングのもう1つの重要な側面は、顧客(利用者)の立場に立ち、共感することです。レストランのサービスが遅い、部屋のキーが利かないなどの「顧客が不満を感じるシーン」をVRで体験。気持ちに寄り添った上で、どのような対応が必要かを学びます。

ヒルトンで教育関連のトップを務めるJennifer Rinck氏は、次のようにVRの意義を述べています。「私は20年間この仕事に携わってきました。しかし本物のゲストとのやり取りのように感じられる体験は、今回が初めてです」

VR教育の効果は、試験導入を経て具体的な数字で現れています。ヒルトンによれば、VR導入により座学教育は4時間から20分間へと削減が可能な見込。体験者の75%は問題解決力や顧客へのサービススキルが改善したと回答し、94%はチームメンバーの共感力が強められたと答えています。

(参考)Tech@facebook


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