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企業動向 2025.05.09

グリーのメタバース事業が過去最高の四半期売上高と営業利益を達成 REALITYの収益性改善とVTuber事務所の成長が要因

2025年5月9日、グリー株式会社は2025年6月期 第3四半期 (1~3月)の連結決算を発表しました。全体としての売上高は146億2000万円(前年同期比-15%)、営業利益は15億9000万円(同-37%)、経常利益7億3000万円(同-78%)、当期純利益-5000万円(同-102%)です。

グリーの各事業は堅調に推移し、売上高は概ね想定通り着地したとのこと。特にゲーム事業において3月にリリースされた「魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra」が好調な立ち上がりを見せており、4Qから業績貢献の見通しとのことです。なお、為替差損や関係会社株式の減損計上等により、経常利益・当期純利益は前四半期比減益となります。

REALITYの収益性が改善、VTuber事業の力強い成長で過去最高利益

メタバース事業(プラットフォーム事業・VTuber事業)においては、過去最高の四半期売上高と営業利益を達成。要因として、プラットフォーム事業(REALITY)の収益性の改善維持が進み、利益に貢献しました。また、VTuber事業の売上が力強く伸び、損益が大きく改善しました。

REALITYの利益率が過去最高に上がったことについては、決済手数料率の改善が進んだと説明。近日中に全世界2000万ダウンロードを達成する見込みで、引き続きグローバルでユーザー層の拡大を目指すと明かしました。

VTuber事業では、運営している複数のVTuber事務所がヒットコンテンツや人気の出るタレントが増えてきており、成長につながったとのこと。また、売上に占めるグッズマーチャンダイジングの比率が上がってきており、収益性が高いことから、全体の損益も改善しました。

4Qでは売上が堅調な成長となるものの、VTuber事業において複数のタレントの新規デビューに伴う費用増加などにより、増収減益になる見込みです。これは、デビュー時にキャラクターや3Dモデルの制作で一過性の費用がかさむためであると説明しました。

通期の業績見通しについて、売上高はプラットフォーム事業で一部軟調な部分があり、業績予想未達になるものの、収益性改善施策やVTuber事業の力強い成長により、営業利益は5億円の業績予想を達成し、7億円で着地する見通しになると述べました。

最後に中期目標として、プラットフォーム事業・VTuber事業ともに伸ばしていく想定となっています。VTuber事業は来年度に単月黒字化達成、再来年度から通期黒字化を見越しています。


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