Cardboardはグーグルが展開するVRヘッドセットで、正式名称はGoogle Cardboard。主にダンボール製であること、仕様書がオープンソースで開放され、誰でもCardboardを作ることができるのも大きな特徴です。
CardboardはPCがなくてもスマホさえあればVRを楽しむことができ、かわいらしい見た目とお手軽な価格で販売されていることから、誰でも簡単に楽しめるVRヘッドセットとして人気があります。グーグルは2016年1月時点ですでに500万個以上のCardboardが出荷されていると発表しています。
Cardboardの入手は自作か購入
Cardboardの入手方法は大きく分けて2つ。自作するか、購入するかです。
自作する場合は、Cardboard公式サイトから仕様書をダウンロードしてください。ダンボール、レンズ、マグネット着脱テープ、輪ゴムがあれば作ることができ、これらの材料は全て100円ショップで揃えることができます。
※レンズはミニルーペを分解したものを使うのがおススメです(100円ショップで購入できます)。
ただし、製品版のCardboardは購入するのも1,000~1,500円ほどからという安い価格なので、とても買いやすいです。アマゾンや公式ストアからCardboardを購入することができます。
Cardboardの注意点。子供には一眼モデルのハコスコがおススメ
ただし、Cardboardを購入・自作する際は二眼レンズのタイプのものしか用意されていない点に注意が必要です。医学的な見地から、13歳未満の子供には一眼レンズのタイプのVRヘッドセットが好ましいとされています。
【関連記事】なぜ13歳未満の子供は、Oculus Riftを使用してはいけないのか?医学的な見地からの警鐘
VRヘッドセットを13歳未満の子供が使う可能性もあるならば、Cardboardと同じくダンボール製の低価格でスマホを差し込むVRヘッドセットのハコスコに一眼レンズタイプがあります(二眼レンズタイプもあります。またハコスコは二眼レンズタイプの推奨年齢を7歳以上としています)。
一眼レンズと二眼レンズのVRヘッドセットの違いですが、二眼レンズタイプの方が少しですが立体感があり没入感も高いです。しかし、その分一眼レンズはVR酔いをしにくいという利点があります。
もちろん一眼レンズでも十分にVR体験をすることができます。検討する際は、大人が使うのであれば二眼レンズ、子供も使うのであれば一眼レンズと簡単に考えて大丈夫です。
また、プラスチック製のCardboardも販売されています。オープンソースということから多種多様なデザイン・種類の製品が販売されているのも魅力です。スターウォーズとコラボレーションしたCardboardも限定配布されました。
[wc_row][wc_column size=”one-half” position=”first”]
[/wc_column][wc_column size=”one-half” position=”last”]
[/wc_column][/wc_row]
[wc_row][wc_column size=”one-half” position=”first”]
[/wc_column][wc_column size=”one-half” position=”last”]
[/wc_column][/wc_row]
Cardboardが要求するスマホ、OSのバージョンと気をつけておきたい注意点
Cardboardはスマホを差し込んで(6インチサイズにも対応)VRを楽しみます。そのため、VRアプリをダウンロードする必要があります。Cardboardはグーグルが展開していることから対応するVRアプリが多いというのも魅力の1つです。
しかし、VRアプリは容量の大きいものが多いので、比較的新しいスマホやOSが必要な場合があります。例えば公式アプリの『Cardboard』はAndoroid4.1以上、iOS8.0以上のOSを要求し、iOSでは『iPhone 5』以降のバージョンをサポートしています。
各アプリによって要求するOSのバージョンは様々ですが、Andoroid4.1以上、iOS8.0以上というのがCardboardの最低限の基準になると言えます。OSのバージョンが分からなければ、Cardboardを自作・購入する前に、手持ちのスマホでアプリをダウンロードできるか試してみるのが安全です。
また、どんなスマホでも体験できるといっても注意点が2つあります。
1つ目は、VRに必要なセンサーが搭載されていないスマホもあるということ。ジャイロセンサーを使って頭の動きをトラッキングするため、VRを楽しむことができません。格安スマホにはセンサーが搭載されていない機種が多いので注意が必要です。
2つ目は、スマホには性能が色々あるということ。いわゆる最新のフラッグシップモデルと呼ばれている高性能なものの方が処理速度が早く、快適で没入感の高い体験が可能です。一昔前の低スペックなスマホで体験してみた後で、最新機種で体験すると全然違うということがありますので、ご注意ください。
初めにDLしたいおススメのVRアプリ7選
グーグルの発表によると、Google Play Storeだけで1,000以上のVRアプリが公開され、累計2,500万ダウンロード以上とされています。Cardboard対応のVRアプリは数多くありますが、初めての方でも楽しめるおススメのVRアプリを7つ紹介したいと思います。
『Google Cardboard』
まずは公式のCardboardアプリをダウンロードしてみましょう。CardboardのポータルとしてVRアプリのライブラリやセットアップをすることができます。また、4つデモが入っており(「Explorer」「Exhibit」「Urban Hike」「Kaleidoscope」)、初めてCardboardを入手した方にはまずダウンロードしてほしいアプリです。
【対応OS】
Android 4.1 以上
iOS 8.0 以降
『YouTube』
Andoroidアプリの場合は、YouTubeで公開されている360度動画をCardboardで楽しむことができます。残念ながら2016年3月13日現在、iOSアプリではCardboardでの視聴に必要な二眼モードに対応しておりません。YouTubeには「360° Video」というチャンネルが用意されているので、ここから360度動画を簡単に探すことができます。
【対応OS】
Android 端末により異なります
iOS 7.0 以降 (※2016年3月13日現在、iOSアプリでの二眼モードによる360度動画は非対応)
・Android アプリ
・iOS アプリ (※2016年3月13日現在、iOSアプリでの二眼モードによる360度動画は非対応)
『Googleストリートビュー』
360度パノラマ写真で世界中の風景や建物の中を見ることができる『Googleストリートビュー』はCardboardと最も相性の良いVRアプリの1つです。また、内臓されたカメラ機能で360度パノラマ写真を撮ることや、『Theta S』などの全天球カメラと接続して360度パノラマ写真を管理、公開することもできます。
【対応OS】
Android 端末により異なります
iOS 8.0 以降
(紹介記事)
スマホ版「Google ストリートビュー」がリニューアル。全天球写真の共有が可能になり、VRでも
『NYT VR – Virtual Reality』
アメリカの大手新聞社ニューヨーク・タイムズによるVRアプリです。360度映像による高品質なVRドキュメンタリーが用意されています。全編英語で1本ずつコンテンツをダウンロードしなければいけないのが多少のハードルですが、一見の価値はあります。
【対応OS】
Android 4.3 以上
iOS 8.0 以降
(紹介記事)
ニューヨークタイムズ、購読者にGoogle Cardboardを100万台以上送付し、VRジャーナリズムに本格参入
『VR Cruise』は日本人向けのVRコンテンツを集めたポータルVRアプリです。2016年3月○日現在、ももいろクローバーZ「桃神祭2015 VR Special Live」、「太古の時代へタイムスリップ!恐竜戯画」、「ライチ☆光クラブ 360° Promotion Movie」の3本の360 度動画があります。特にももクロの「桃神祭2015 VR Special Live」はファンの方からも好評で、スタジアムにいる何万人という観客を一望できるのは圧巻です。
【対応OS】
Android 4.1以上
iOS 8.1以降
『VR Cosmic Roller Coaster』
不気味な宇宙空間をジェットコースターで旅をするVRアプリです。現実世界ではあり得ないような体験をすることができるというVRの特性を活かした作りとなっています。
【対応OS】
Android 4.1 以上
iOS 未対応
『InMindVR』
この『InMindVR』もコースターに乗るタイプのVRアプリです。コースターに乗ってシューティングをするというゲームです。難しい操作は皆無で、目標に視線を合わせることでシューティングします。ゲーム性は単純ですが、人間の体内、脳の中に入って悪玉細胞を除去するというSFのような設定がとても面白く、没入感も高いです。元々はOculus Rift用のゲームですが、Cardboardでも十分に楽しむことができます。
【対応OS】
Android 4.1 以上
iOS 6.0 以降
Cardboardはプロモーションにも使われやすく、普及しやすいヘッドセット
また、Cardboardは企業キャンペーンなどでも活用されています。海外ではニューヨークタイムズやコカ・コーラ、日本国内ではリクルートの「SUUMO(スーモ)」がCardboardを使ったプロモーションを行っています。
コカ・コーラはペットボトルと缶を詰めるダンボール製のパッケージをCardboardに組み立てることができるという仕掛けのプロモーションを発表しました。Cardboardは雑誌の付録など容易に配布できることから、今後こうした取組みも多くなってくる可能性も十分にあります。
Oculus RiftやHTC VIVE、PlayStation VRなどのハイエンドなVRヘッドセットとCardboardを比べると、没入感などは低いというのが実情ですが、スマホさえあれば良い点、コードレスな点など非常に優れている部分もあります。何よりもCardboadは安価で手軽なことから、VR入門のヘッドセットとしてすでに普及しつつあります。
ハードであるCardboardが普及すれば、当然VRコンテンツも増えてくることが予想されます。すでにYouTubeやFacebookに大量にある360度動画はCardboardなどの手軽なVRヘッドセットで見ても、今までにない新しい視聴体験を可能にします。VRに興味がある方は(特に興味の無い方であっても!)ぜひ一度購入して損はしないヘッドセットだとおススメできます。
(関連記事)
ハコスコとは?特徴・購入方法・アプリ・対応機種まとめ
Google、「Cardboard」用アプリを遊べるHMDを見分けるための取組スタート
映画、スポーツ、アイドルも!この360°動画がスゴい。魅力的な全天周映像の世界 Part1
アニメ、ゲーム、ホラーも!この360度動画がスゴい。魅力的な全天周映像の世界 Part2