フェイスブックが2019年9月に発表した、AR対応の新型デバイス「Portal TV」に注目が集まっています。
「Portal TV」は、同社が2018年に発表したスマートディスプレイ「Portal」に連なるデバイスです。新型「Portal」やフォトフレーム型の「Portal Mini」といった製品と共に、2019年9月にお披露目されました。
「Portal TV」は、テレビの上部や周辺に設置して使用します。同デバイスには、1,250万画素のスマートカメラ(視野角120度)とマイクが搭載されており、ビデオ通話などが行えます.。アマゾンの音声AIアシスタント「Alexa」も搭載されており、アマゾンプライムビデオなどにも対応しています。
「Portal TV」の大きな特長が、フェイスブックのARエフェクトツール「Spark AR」に対応している点です。「Spark AR」は、フェイスブックが開発を進めているARツール。カメラアプリ「Snapchat」のLens Studioのように、ARエフェクトを作成できます。
Portal TVとAR
「Portal TV」では、ARを4つの形式で楽しめます。第1の形式は、フェイスブックの「Facebook Messenger」と同様のシステムで、映像にARエフェクトをリアルタイムで設定できるというもの。この形式は「Portal」関連デバイス同士での通話のほか、「Facebook Messenger」ユーザーとのビデオ通話でも使用できます。
第2の形式は「Portal」シリーズに実装されている「Storytime」機能を使用します。「Storytime」では、子供向けの物語(童話)風の内容になっており、リモコンで“ページ”を読み進める形で体験します。物語が進むとARエフェクトが追加され、体験中のユーザーが作中により没入できるようになっています。
米メディアNext Realityによれば、「Storytime」はリリース時にはバリエーションが6種類のみでしたが、20種類に拡張されるとのこと。同機能は、「Portal」シリーズ同士での通話のほか、「Facebook Messenger」のユーザー(スマートフォンとPC両方)との通話でも使用可能です。
3つ目の形式は、「Shared Effects」と呼ばれる機能。この機能は4種類(絵文字ゲームなど)のARゲームを選んで楽しめるもので、「Portal」関連デバイス同士の通話でのみ使用可能です。Next Realityは同機能を“ポータルゲーム(Portal Games”)と呼ぶべき機能、と評しています。
第4の形式が「Mic Drop」と命名された、新AR体験機能です。同機能は、体験者がARフィルターを活用した“衣装”を身に着け、流れる楽曲に口パクを合わせながらパフォーマンスを行うというもの。さながらARカラオケです。「Mic Drop」は「Spark AR」を使って制作されており、今後、一般のクリエイターがパフォーマンス用プログラムを制作することも期待されます。
(参考)Next Reality