VRヘッドマウントディスプレイに搭載する技術として、目の動きと瞬きを認識するアイトラッキングが登場しています。日本発のスタートアップFOVEは1月に視線追跡機能搭載の「FOVE 0」を発売しました。また、視線追跡技術を持つ企業はVRヘッドセットへの組み込みを試みています。
2月末、ValveとSMIは共同でアイトラッキングシステムをOpenVRに組み込むことを発表しました。
VRの共通規格に視線追跡を
SensoMotoric Instruments(SMI)社はは視線追跡技術に取り組んでおり、現在テスト中の新型HTC Viveヘッドセットでも同社のアイトラッキング技術が組み込まれています。SMIとValveは、この視線追跡をOpenVRプラットフォームに導入する予定であることを発表しました。
OpenVRはValveが推進するVRプラットフォームで、HTC ViveやGDCで展示されたLGの新型VRHMDなどが採用しています。プラットフォームでの統一規格を実現することにより、様々なメーカーがVRデバイスを製造し、プレイヤーもデバイスごとの違いを気にすることなく同一のコンテンツを楽しめるようになります。
アイトラッキングはコントローラーの補助になるだけでなく、ハードウェアの要求スペックを軽減して視野の中心だけを高解像度で描画する“foveated rendering”(フォービエイデッドレンダリング)を実現します。
アイトラッキングには多くの可能性がある
ValveのYasser Malaika氏は、「アイトラッキングでは、開発者とユーザーの両方にとって興味深い可能性があります」と言います。
「SMIとの共同での研究開発と、視線の追跡が可能なHTC Viveに組み込んだ取り組みから、アイトラッキングを搭載したHMDがVRの体験の質向上にどう貢献するか具体的に分かりつつあります」
SMIのOEMビジネスディレクターであるChristian Villwock氏は、「過去1年間でSMIは、VRとARに資するアイトラッキング技術とその価値を生かすための使い方をリードしてきました」と付け加えています。
(参考)
VRFocus / Valve and SMI Collaborate on Incorporating Eye-Tracking Into OpenVR(英語)
http://www.vrfocus.com/2017/03/valve-and-smi-collaborate-on-incorporating-eye-tracking-into-openvr/
※Mogura VR は、VRFocusとパートナーシップを結んでいます。