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MoguraVR

突撃取材「EXOS」VRでの触れる・にぎる・つかむを再現する触覚デバイス

exiii(イクシー)株式会社は、2月28日より同社が開発した触覚ウェアラブルデバイス「EXOS Wrist DK1」「EXOS Gripper DK1」の、企業向けへの販売を開始します。

https://www.youtube.com/watch?v=bpemecLwSyM

「EXOS Wrist」は手で触っている感覚を、「EXOS Gripper」は物を指でつかむ感覚を再現するデバイスです。「EXOS Wrist」は日産自動車でのカーデザインの過程でも取り入れられていくとのことで、この度exiiiオフィスに突撃して体験させてもらいました。今回はデバイスの使い心地レポートと、開発メンバーへのインタビューをお送りします。

「EXOS Wrist」と「EXOS Gripper」

「EXOS Wrist」は、手首から手に装着し、手の触覚を再現するデバイスです。


(EXOS Wrist)

EXOS Wrist DK1 動画

手首にあるモーターで手に対して掌背屈(前後方向)と橈尺屈(左右方向)の二方向へ力の提示をすることで、VR内のオブジェクトに手全体で「触れる」感覚を再現しています。

また、手の部分のアタッチメントの交換によりViveコントローラーやOculus Touchと同時使用でき、既に制作済みのコンテンツの拡張にも対応可能です。さらにオブジェクトに触った時だけでなく、イベントをトリガーとした触覚の追加も可能なため、「銃を撃つ」「ボタンを押す」といったゲームコンテンツとの相性の良いフィードバックも提示できます。

「EXOS Gripper」は、ナックルをつけるような形で指を覆うように装着します。指の開閉方向への力を与えることで、VR内のオブジェクトを指で「掴む」感覚を再現しています。


(EXOS Gripper)


EXOS Gripper DK1 動画

五指それぞれに力を与えるのではなく、人差し指・中指をあわせて制御するような形にしており、軽量化および装着の簡易化を図っているのが特徴です。


(開発中のものですが「EXOS Gripper」を装着したところ。モーターで人差し指・中指の開閉を制御します。位置トラッキングばViveトラッカーで)

「EXOS Wrist」で感じる、バーチャルオブジェクトの存在感

と、2つのデバイスの概要を説明したところで、使い心地のレポートをしていきます。「EXOS Wrist」では、以下のようなデモが準備されていました。

・CADデータを取り込んで作られた車の中に入り、車の内装を触る
・スロープの上にあるボールを押し上げる
・Viveコントローラーを持ち、拳銃や卓球のラケットを使う

手首にViveトラッカーが付いた「EXOS Wrist」をはめ、手のひらの部分を固定し、VRヘッドセット「HTC Vive」を装着するとデモの開始です。なお、デモはゲームエンジンであるUnityによって作られています。


(四指と手首下にベルトをつけ)


(モーターの力をきちんと受けるように、ダイヤルを巻いて固定します)


(手首部分も固定。ちなみに、今回位置トラッキングはViveトラッカーで行っています)

まずは、CADデータによって作られた車の中へ。HMDを介して見る車内はそれだけでリアルな大きさが感じられますが、「EXOS Wrist」を着けた右手をハンドルのあたりに持っていくと……あ、手にハンドルがある方向とは反対方向の力を感じました。これが触っているということか!

他にも、フロントミラーや前方や横にあるパネルにも触れることができます。手にものがぶつかったという感触があると、視覚のVRだけに比べて、より自分とものとの距離感がつかみやすくなります。特に奥行き方向については、触覚によってその位置関係が強化されますね。

あえて意地悪をして、視覚的にはハンドルがあるところに無理をして手を突っ込もうとしたところ……手にあらぬ方向の力が掛かって、車の中にいるというプレゼンスが崩れてしまいました。それは、視覚と触覚で違和感を覚えたからであり、VRにおける触覚の重要性を示している証左であるとも言えるでしょう。

この「CADデータに触れる」取り組みは、実際に日産自動車でのカーデザインのプロセスでも活用されるということです。自動車のデザインを検討する上で、CADで設計したデータを実物大のクレイモデルを製作しその上でレビューを行うのですが、実物大のそれは一つ製作するだけで数千万円かかるようなものでした。VRと「EXOS Wrist」を組み合わせることで、視覚と触覚による直感的なレビューが安価で可能になり、同時にCADデータを修正することで結果が短時間で反映されるので、デザインにおけるイテレーション(設計-開発-検証-改善の反復)が容易になるとのことです。

カーデザインにおけるEXOS Wrist DK1の活用動画

https://www.youtube.com/watch?v=VxN9yy2hI7Y

次はスロープの上に3つの大きなボールがおいてある空間へ。手のひらでボールを押し上げるように触ると……確かに手に重さを感じます! 手の甲で触っても、手の側面でチョップするように触れても、バーチャルオブジェクトの質量を手で体感できます。続いて指先で押し出すように触ってみると……これは実感が弱いですね。「EXOS Wrist」は手首の前後と左右の動きに対してモーターで力を与えるので、指に対しての触覚の提示には対応していないです。でも、そのことを忘れてしまうくらい、ボールを押し上げ続けてしまいました。

並んでいる3つはそれぞれ重さが異なるようで、確かに指に感じる重さは異なっていました。このように、バーチャルオブジェクトに重さの設定を与えることで、手で感じる重さを変えることができるようです。また、先の自動車のCADデータのように、ひとつひとつオブジェクトの設定をしなくてもすぐに触覚を感じさせるようにすることも可能とのことです。

続いて、他のハンドモーションコントローラーとの組み合わせを体験しました。VIVEトラッカーを外し「EXOS Wrist」のアタッチメントを交換。手を動かしやすくして、Viveコントローラーを持ちます。VRのデモ空間では、銃や卓球のラケット、鎖分銅が置いてあります。

まずは銃のデモから。銃を持ちトリガーを引くと、確かに手に銃を撃った時の反動がきました。シューティングゲームだとつい銃を乱射しがちになりますが、これは一発一発の重みを感じますね。

鎖分胴のデモでは、棒の先端に鎖と金属球がとりつけられています。棒を持って振り回すと、棒から伸びた鎖の先にある金属球を回転させることができるのですが、これもしっかりと重みを感じました。通常であればコントローラを持って腕を振り回している感覚しかありませんが「EXOS Wrist」をつけていると、金属の重い球が遠心力で引っ張られている感覚を感じることができます。

卓球のデモでは、ラケットを持つとVR内で前方からピンポン玉が飛んできます。ピンポンの球がラケットに当たると、現実で体験したときとほぼ変わらない、軽い球が硬いラケットに当たる感覚が手に残ります。

なお、Mogura VR記者の一人はVR空間で銃を手放した時、一緒にViveコントローラーも手放してしまいました。一緒にコントローラーを手放してしまうほど、物を持った時の感覚が強化されていたという事だと思います。

バーチャル空間でものを持ち続けたくなる「EXOS Gripper」

続けて手でつかむ・触る感覚が強化される「EXOS Gripper」も体験させてもらいました。HMDに映るデモ空間の中で、4cm四方くらいの、指でつまむくらいのサイズの立方体オブジェクトが見えます。これをつかむように指を動かすと……お!立方体と指がぶつかるところで指に力がかかって、物がある方向に指が動かせなくなりました。これが指の触覚というものか!


(指で物をつかむべく、手を閉じようとするところ)


(モーターの力で、これ以上閉じようとしても力がかかってしまう)

VR空間で指でつまんだものは、そのまま持ち続けることもできます。指をつまむとは反対の方向に動かす、すなわち手を開けばVR空間で掴んだものは手から離れて落ちていきます。腕を振りながら立方体オブジェクトを手放せば、VR空間でもオブジェクトを投げることができます。

隣にある別の立方体オブジェクトを指でつまんで、さらに指の力を少し入れると、視覚的に立方体が小さくなるのとあわせて、指にさらに力がかかりました。指の力を緩めると、立方体が大きくのにあわせて、指にかかる力も弱くなりました。これはグミを触るような感触。ついつい1分ほど、このオブジェクトを指でつまみ続けていました。

このデモには、指で上から押すと引っ込むボタンや、指でつまんで回すと現実と同じように回転するつまみなど、バーチャル空間におけるUIパネルのデモもありました。もちろん動かすときには指に力が加わります。

筆者が感動したのは、このUIパネルについている小さな立方体を手でつかむと、そのままUIパネルが置いてある場所を動かすことができるところです。つまり、VRデスクトップでウィンドウを動かすようなものなのですが、触覚が加わることで実在感がものすごく高まりました。UIというある種概念的なものですら、あたかもそこに存在するように感じさせる……おそるべし触覚、そして「EXOS Gripper」!

「EXOS」の進化の過程

2つのデバイスの体験にあたり、exiiiの山浦博志さんと金子大和さんに開発の過程についてお話を伺いました。


(左から、exiiiの山浦博志CEOと金子大和COO)

もともと、exiiiは義手を開発する会社として設立されました。


(exiiiで開発したた義手)

その技術を活かして新しいものに取り組んでいこうという中で、山浦さんが興味を持ったのがVRでした。人間と機械を協調させる中に、VRを組み合わせたら面白いものができるのではないかというところで、人間の手の動きを記録してほかの人の手を同じように動かしたりするデバイスや、ロボット用のマニュピレーターを開発に取り組みました。

マニュピレーターは操縦者の手を動きをロボット側に伝えるだけでなく、ロボット側の手の触覚も操縦者にも伝わるようになっており、ロボット側も操縦者のハンドデバイス側も入出力機構を持ったものになっています。オブジェクトに触れた時の触覚を現実の操縦者にも伝わる、操縦者用ハンドデバイスが「EXOS Gripper」です。

当初は親指は2自由度、その他4指は1自由度でそれぞれモーターで動かすものを作成。しかしモーターが多いという事は重く大きなものになり、手で感じる反力が弱く体験として面白いものではなかったそうです。そこで、ものをつかむ時には薬指や小指は重視されていないため省略するなど、人差し指と中指をあわせて1自由度であってもしっかり反力を感じられるものにしたものが、今回発売される「EXOS Gripper DK1」となりました。


(開発過程における「EXOS」)

そしてCADデータを取り込み視覚情報を再現するという産業用VRに、触覚の提供を行うのは市場として有望ではないか、ということで、バーチャルオブジェクトを触るというプロジェクトを進めていくことになります。

さらに、実際の産業の現場における活用の過程で、EXOSシリースは新たなる展開を迎えることになります。日産自動車とのカーデザインのプロセスでのVRを用いる取り組みにおいて気づいたのは、「きちんと存在や広さ感を感じようとしたときに、指だけでは不十分」(山浦さん)ということ。そこで試しに手首を制御するデバイスを開発したところ、指とは全く体感が異なる体験ができたそうです。それを踏まえ、手首だけを動かして手の触覚を再現するデバイスを単独で作ったほうがよいのではないかという事になりました。これが、「EXOS Wrist」です。

「EXOS Wrist」は指だけの触覚ではなく、「手のひら全体で触る事で壁の存在など空間を把握するのに理にかなってる」と金子さんは言います。あわせて手首に装着するデバイスなので、ViveコントローラーやOculus Touchなど他のハンドモーションコントローラーと併用することも可能です。「EXOS Wrist」を既存コンテンツに組み合わせれば、VR空間でものを触った時にすり抜けない、触ったところに存在感がある体験が作り出せます。

自動車関係や不動産関係など空間を把握したいときには「EXOS Wrist」の方が向いているなど、うまくデバイスを使い分けてほしいとのことでした。

今回リリースする「EXOS Gripper DK1」「EXOS Wrist DK1」は法人向けで、Unity向けのSDKもついています。その先には一般向けDev Kitを出していくことも予定しているそうです。

「EXOS Wrist DK1」または「EXOS Gripper DK1」の購入は以下から受け付けています。製造業だけでなく、エンターテインメント用途も含めて、触覚を活用したxRに興味のある方はこちらのページから詳細を確認してみて下さい。
http://exiii.jp/

またexiiiではEXOSの開発をさらに加速するため人材の採用を進めているそうです。こちらも興味のある方は以下のページをどうぞ。
http://exiii.jp/recruit/


(右から、EXOS Gripperを着ける山浦博志さんと、EXOS Wristを着ける金子大和さん)


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この記事を書いた人

tabata hideki
「ゲームと社会をごちゃまぜにして楽しんじゃえ」がモットーの、フリーのコンテンツ開発者。節電ゲーム「#denkimeter」の開発担当だったり、最近はVRコンテンツも作ってます。 本業は、アイマスP(アイドルマスターのファン)を。

Twitter:@hitabataba

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