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ドワンゴの「VR授業プログラム」で学びは変わるのか 実際に体験してみて分かったこと

2021年4月7日、角川ドワンゴ学園 N高等学校(N高)とS高等学校(S高)が、4月からVR技術を活用したプログラム「普通科プレミアム」を開始した。受講対象の生徒数は約4,000名で、新入生の約4割が選択。現時点でVR授業は2,341本が用意され、全体の33.5%をVRで受講できるそうだ。

この授業プログラムは、自宅にいながら日々の学習をVRで受けられるというもの。受講する生徒の自宅にはFacebookのVRヘッドセット「Oculus Quest 2」が配布され、いつでも各講座にアクセスできる。

VRデバイスを活用しての高等学校教育プログラムは他に例がない。はたして、このプログラムで生徒側はどのような授業を受けられるのだろうか? 取材した綾瀬キャンパスでの体験をもとに紹介しよう。

ベクトルや細胞膜など、バーチャル化された教材で授業を体験

VR授業プログラムは、VRライブ・コミュニケーションサービス「バーチャルキャスト」と、学校専用の学習サービスを連携することで受講できる。Oculus Quest 2を装着すると、目の前に現実の学校の風景が広がる。真横や真後ろは“バーチャル教室”となっており、前面の教室や教師は現実で撮影したビデオを利用しているようだ。

まず、自分の隣に他の生徒がいることに驚く。自分と同じように動きがあり、まるで一緒に授業を受けているような印象を受けるが、実際には過去に記録された生徒の動きをアバターで再現して、あたかもリアルタイムで動いているかのように見せているのだという。

さらに注目すべきは自分の手元にある教材だろう。コントローラーで操作すると、授業に関する資料を開くことができる。例えばベクトルの授業を受けているときは、図と棒線、矢印などをバーチャル空間に出現させ、自由に配置できる。棒や矢印は長さを調節可能で、授業で教わったことをもとに、自分でグラフを組み立てられるのだ。立方体にも対応しており、平面図よりも分かりやすくなっている。

こうした教材が用意されているのは数学だけではない。生物の授業なら細胞膜の図、国語の授業なら古語辞典、世界史の授業ならヨーロッパの航海図など、各教科ごとに様々な資料が用意されている。資料集をめくりながら先生の話に耳を傾けるという、現実ではごく当たり前の授業スタイルが、バーチャル空間でも可能となっていた。

また英語の授業ではオーラルコミュニケーションの一環として、バーチャルな英語教師と対面し、英語での適切な解答を選ぶことで会話する授業もあった。英語教師はこちら側を向いて返答を促してくるので、リアルで対面しているかのような臨場感を感じられる。

他にも、日本の観光名所や西洋の美術品などの全天球写真(360度画像)もVRのまま体感できた。教科書の写真だけでは掴みにくい規模感を把握できる点でもうれしいオプションだ。

集中力とモチベーションが長続きしやすいスタイル

著者が実際に体験して気づいたのは、従来の授業以上に集中しやすいということだ。VRヘッドセットをつけているためによそ見をすることが無く、余計な情報に気が向かないようになっている。余計な雑音も入ってきにくいため、現実の授業よりも教師の声に耳を傾けやすいように感じた。

また一般の動画授業のように、受動的に見るだけではない点も大きい。実際にコントローラーを使って図を作成したり、小道具を活用したりと体感的に学べるので、集中力とモチベーションが長続きしやすい。なにより、VRであれこれ小道具を使いながら受ける授業は楽しい。手遊びしながら学べる点は、一般の講義形式の授業よりも理解が深まりやすいかもしれない。

一方、不安に感じたのは長時間での使用感だ。おおよその授業は15~20分ほどの区切りとなっていたので、そこまで負担を感じることは無かったが、連続しての使用は現実の授業以上に疲れそうだ。これは先ほど指摘した「集中できる」ことの裏返しと言える。現実の授業中であれば、ふっと気を抜けるようなタイミングがあるし、同級生と交流したりする時間もとれる。しかし情報を凝縮した授業をVRで一方的に受け続けるとなると、あまり気の休まる時間は無いかもしれない(VRに慣れていない人であれば尚更だ)。途中でヘッドセットを外して、こまめに休憩をとることを意識した方が良いだろう。

また参考資料が手元にあるとは言え、自分でメモをとりながらノートにまとめるというアクションはできないのも気になるポイントだ。この影響もあり、自分で情報を咀嚼し、考える時間は取りづらいのではないだろうか。Oculus Questとキーボードが同期し、メモ書きできる機能が備わっていれば(その上、メモを外部に出力できれば)、さらに充実した授業体験になりそうなので、今後のアップデートに期待したいところだ。

教師からの評判も上々。VRだからこそ深まる学びを提供できるか

学校スタッフの方に話を聞いたところ、プログラムを体験した教師からの評判は上々で、特にバーチャルの教材の出来栄えが良かったと話していたとのこと。一方で、同席していた教師たちの一部はOculus Quest 2の操作に戸惑ったり、長時間の使用で重さを感じていたりした姿が見られたため、事前にVR体験そのものに慣れていく時間が必要なように思えた。

現状の授業プログラムは従来の動画授業と内容が同じであり、あくまで「従来の授業をVRでも体験できる」ように調整したものとなっている。これからについて考えるのであれば「VRだからこそ学びが深まる」という授業内容を発見し、そのプログラムを工夫することが求められるだろう。

例えばVRアートやVRフィットネスは「体育」や「美術」という科目に適用しやすいだろうし、「VRChat」等で海外ユーザーと交流する場を設けるだけで、国際理解がより深まるはずだ。現状のバーチャルキャストでの講義に限らず、さまざまな学習機会がすでにVRコンテンツには備わっている。それらをうまく連携させることで充実した学びが得られるのではないだろうか。

生徒にはOculus Quest 2が届き次第、VRでの授業を体験できるようになっているとのこと。VR授業が、授業の理解度や学習意欲にどのように影響を与えるのか、今後の経過にも注目していきたい。

執筆:ゆりいか


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