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AR/MR 2018.07.20

もしも今ここで水害が起きたら? ARで浸水被害を疑似体験

2018年6月下旬から7月にかけて発生した、平成30年7月豪雨は、記録的な豪雨により甚大な被害を残しています。このような豪雨で引き起こされる「浸水被害」を、目の前で体験できるARアプリの動画がTwitterで話題となっています。

この動画はAR災害疑似体験アプリ「Disaster Scope2」を使用している映像です。「Disaster Scope2」は自分がいる場所の水位変化をリアルタイムで確認できる、浸水疑似体験アプリです。開発者はVRとARの防災教育への応用を行っている板宮朋基(@t_itamiya)氏。板宮氏は昨年デモ動画を公開しており、Mogura VRからもインタビューを行いました

「Disaster Scope2」は、“自分が今いる場所が浸水したらどうなるか”を疑似体験できます。スマートフォンのカメラの映像に水面や流れてくるがれきを重ねて表示します。

アプリは水位設定、1時間後や3時間後といった時間指定の選択、雨量の表現も可能です。自宅や出先といった場所を問わず、「もしも今いる場所で水害に出くわしてしまったら……」という状況を疑似体験できます。

今回公開された動画は、「平成30年7月豪雨」の土砂災害による洪水の映像を参考に、水の色が茶色にされています(昨年のデモ動画では津波をイメージした濃紺を採用)。

さらに、デモ動画から「水とがれきの流れの表現」を改良。実空間の物体の形状を認識し、CGのがれきと実空間の物体との接触判定が実現されています。これにより、目の前にいる人や物体にがれきが接触して流れる方向が変わるなど、よりリアルな災害を体験できるようになっているとのことです。

火災(煙)疑似体験も可能

「Disaster Scope2」は、火災発生によって煙が室内に充満する様子を疑似体験することもできます。煙は天井から充満する性質を持つため、吸い込まないためには姿勢を低くして避難する必要があります。3Dセンサーを装備したスマートフォンでは、デバイスの高さや位置情報を精密に取得が可能です。

こちらはグーグルのARプラットフォーム「ARCore」に対応しており、「Tango」と比べると対応デバイスの種類が増えて汎用性が向上しているとのことです。

なお、愛知工科大学と株式会社ドコモCS東海は、「Disaster Scope」アプリの普及活動、アプリの機能拡充を図る目的で協業を2018年1月に発表しています。紹介記事はこちらからご覧いただけます。


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