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医療・福祉 2017.09.11

治療後の歯の様子をARで 医療用ARアプリが開発中

AR技術はさまざまな分野において実用化の取り組みが行われており、教育やヘルスケアなどの多岐にわたる分野での活用が見込まれています。

スイスの医療系スタートアップ企業であるKapanu社は、歯科医療にAR技術を活用するソフトウェアの開発に取り組んでいます。従来の歯科治療がより効率的になります。

ARで治療後の様子を正確に再現

通常の歯科治療では、患者の口の形に沿った歯のレプリカを製作しますが、従来の治療方法では患者は実際に治療を行うまで、治療後の様子を知ることができませんでした。

しかし、Kapanu社が開発したソフトウェアでは、治療前の患者の口腔内を3Dスキャンして、そこに治療によって装着する予定の歯の3DモデルをAR表示します。これによって、患者は治療後の歯の様子をあらかじめ確認することができます。

現在、本ソフトウェアのデモ動画が公開されており、タブレットを通して患者の口の中にリアルタイムで3Dモデルの歯がAR表示される様子を確認することができます。

従来の歯科治療がより効率的に

このソフトウェアを用いることによって、患者は治療後の様子を正確に把握できるようになると共に、治療前の打ち合わせにも使用することができます。たとえば、歯のサイズやスペースなどをオプション選択できるようになり、より患者が望む形での治療結果をもたらすことが可能になります。

Kapanu社はチューリッヒ工科大学から派生したスピンオフ企業で、同社のCEOであるRoland Morzinger氏はディズニーの技術研究部門であるDisney Researchと協力して、医療での活用が可能なARエンジンの開発を行っており、そこで開発した技術は歯科治療での活用に適していたとのことです。

このシステムは今年3月にケルンで開催された、歯科業界で最大の展示会であるケルン国際デンタルショーにて展示され、多くの参加者の注目を集めたとのことです。本ソフトウェアをリリースする予定は現在のところ未定ですが、歯科治療にAR技術を用いることによって、従来よりも便利で、効率的な治療を行うことが可能になります。

(参考)
VRFocus / Augmented Reality To Improve Dentistry(英語)
https://www.vrfocus.com/2017/09/augmented-reality-to-improve-dentistry/

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