VTuber事務所「ホロライブプロダクション」を運営するカバー株式会社は、2025年3月期の第2四半期決算を発表しました。マーチャンダイジングおよびライセンス/タイアップ分野の業績好調により、売上高、営業利益、純利益全てが大幅に増加しました。
今回発表されたのは、2024年7月1日から9月30日の業績をまとめた2025年3月期の第2四半期決算です。決算資料によると、売上高は前年同期比49.8%増の106億8,800万円、営業利益は同80.2%増の25億3,700万円、純利益は同44.9%増の15億円となりました。
第2四半期の業績は、主力事業の成長に加え、「hololive OFFICIAL CARD GAME」などの新規施策が想定を超える販売を記録。また、年初からの営業組織の刷新効果により、海外案件の獲得など取引パイプラインが順調に拡大しています。これらを背景に、同社は10月29日に上半期の業績予想を上方修正しています。
事業部門別では、マーチャンダイジング分野の売上高が58億7,900万円(前年同期比+79.8%)と大きく伸長。配信・コンテンツ分野は21億8,400万円(同+21.4%)となり、昨年デビューの新規タレントの収益貢献などにより順調に進捗しました。なおライセンス/タイアップ分野は14億8,000万円(同+90.1%)です。
一方、ライブ・イベント分野は11億4,400万円(同-11.0%)と減少したものの、「第3四半期に中・大型のライブを予定しており、通年計画は順調に進んでいる」と今後の穴埋め施策を強調しました。
注目すべき点として、在籍VTuberあたりの四半期収益は7,200万円(前年同期比+41.2%)まで上昇。同社は、トレーディングカードゲームなどのIPの多面展開が奏功したためと分析しています。また、第2四半期において、国内外の新規タレントの3D配信を実施し、ReGLOSSの3D配信ライブでは最大同時接続数20万を記録するなど好評を博しました。さらに、Unreal Engineを利用した新しい3Dプロジェクトも開始し、技術力を活かした配信コンテンツを継続的に開発しています。
海外展開については、2024年7月よりCOVER USAの営業を開始。ロサンゼルス・ドジャースとのコラボレーションやニューヨークでのライブ開催、ワールドツアーの実施等の施策とともに、新規タレントデビューによって、海外のモメンタムが飛躍的に向上していると明らかにしました。多数の海外イベント出展の予定も公開されました。
2025年3月期の第1四半期決算の発表時の「複数の言語地域の大型コンベンション参加、海外ライブコンサートの拡充などの海外への事業展開計画」実施を着々と推進している模様です。