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活用事例 2016.12.01

【レビュー】新たなVR体験を生む可能性を秘めたバックパックPC『VR ONE』

11月24日に都内・MSIジャパンオフィスにて、背負うことでコードを気にせず遊べるバックパック型PC『VR One』のメディア向け体験会が開かれました。

『VR One』は11月25日から法人販売が開始されたVR対応PCです。(国内販売分が法人向け予約で一杯になってしまったとのことで、個人向け販売は来年1月予定)

バッテリーパックを2本取り付けた状態で3.6㎏になります。3.6kgのPCと聞くと重そうに感じますが、背中に背負うとぴったりとくっつくデザインになっているため、手で持った感覚よりずっと軽く感じます。背負った瞬間思わず「軽い」と声をあげてしまうほどの軽さです。胸とウエスト部分には背中に密着するようにベルトがついているのでジャンプしても上下にずれる感覚はなく、動きやすくできています。特に「ZERO LATENCY VR」を体験したことがある人は軽さと動きやすさとPC自体の性能の差に驚くことでしょう。

1.5時間連続使用、使用中のバッテリー交換可能

バッテリーを2本をフル充電にした状態で1.5時間連続で使用できます。(今後、別売りされるバッテリーチャージャーでは2時間で充電できる急速充電と4時間かかる通常充電が選べます。現在はPCに装着した状態でフル充電に2時間かかります。)バッテリーゲージはPC正面の光で確認できます。PCをシャットダウンすることなく、バッテリー交換することができるのでアトラクション施設では便利そうです。

バッテリーパックをはずしたところ

同機には、インテルCorei7プロセッサー、NVIDIA GeForce GTX 1070が搭載されています。

どれだけ動いてもストレスを感じずにVRに没入できる

体験会ではHTC Viveの『The Brookhaven Experiment』を体験しましたが、ゾンビ数体に囲まれていても特に他のVR対応デスクトップPCと変わることなく楽しむことができました。

どれほど動いても頭を振り回してもケーブルを踏みつけたり、ケーブルが伸びきって頭が引っ張らることもなく動けることで、ストレスを感じずコンテンツに没入できます。

またVRコンテンツをプレイしているときに気になることは熱です。30分以上駆動した後に体験しましたが、特に熱く感じることもなく、VR体験中に冷却ファンの音が邪魔に感じることもありませんでした。

PCの側面から排熱されるので背中や首が熱く感じることはありません。

モニターはついていないので、コンテンツを起動するためにはモニター、マウス、キーボード等につなげないとなりませんが、小さなタッチパネル式のモニターやタブレットを取り付けることでアトラクション施設等では管理しやすくする活用方法も考えられます。Windows 10 Proが入っているのでケーブルでつなげなくとも画面を見ることが可能になります。

コンテンツを起動するときはモニターとマウス等に接続します。

ハードディスクは入っていないので衝撃には強いとのことですが、保証内容はmsiの他製品と同じとのこと。(2016年11月時点)

体験してみた感覚として、『VR ONE』に対応したコンテンツがアトラクション施設で今後増えるだろうと感じられる出来でした。HTC Viveのコンテンツは元々歩きまわってプレイすることを想定していますが、あくまでも有線でPCから離れることができないことを想定した作りなので、歩ける範囲も狭く、ゾンビ等を撃つシューティングの場合でも、その場から動かずともゾンビがやってきてくれるようになっています。『VR One』を背負うことで動きにまったく制約がなくなることでHTC Viveの動ける限界まで動きまわれるようなコンテンツを体験したくなります。

シューティングでも隠れた敵を探しに行って撃つ、足元の障害を飛び越える、屈みこんで進む、ターンするなど、今までケーブルの処理で難しかった演出を盛り込められます。

ケーブルがまとわりつかないことで、今まで自由に動いているつもりでいても不自由であったことを認識させられます。より没入感のあるVR体験を可能にするバックパックPCは、ハイエンドのVRヘッドマウントディスプレイが遅延のない無線式になるまでは非常に有用なソリューションです。

『VR One』製品スペック

Windows 10 Pro

インテル Core i7-6820HK(2.7GHz/Turbo 3.6GHz)4C8T

NVIDIA GeForce GTX 1070(GDDR5メモリー8GB)

DDR4-2400 SO-DIMM 32GB(16GB×2)空きスロットなし

SSD 512GB(M.2 NVMe準拠PCle Gen3)

3系統のディスプレイインターフェイスを内蔵(HDMI×1/ミニディスプレイポート×1/Thunderbolt3(USB Type-C)×1)

2基のホットスワップ対応リチウムイオンバッテリー搭載(8セル91Wh×2)

HTC Vive、Oculus Rift、3Glasses等のVRシステムをサポート

409×292×54(㎜)、3.61kg(バッテリー含む)

*本製品にはXsplitgamecasterが付属しないため、動画配信機能「Broadcaster」ゲームキャプチャ機能「Gamecaster」を利用することはできません。


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