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テック 2018.09.20

画家の視点から「描かれなかった風景」VRで 日経新聞とカヤック

日本経済新聞社と株式会社カヤックは、作品を描く上で画家が見ていた世界をVRで再現する技術「Art Immersion Technology(AIT)」を共同開発しました。AIを使って風景を画家のタッチで再構成し、展示室全体に投影。画家の視点から「描かれなかった風景」と作品を同時に見ることで画家の思考を追体験し、作品に対する理解を深めることができます。

このAITを使った展示は、9月26日から開催される「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」にて公開されます。

没入型絵画体験「AIT」とは

AITは「日経イノベーション・ラボ」とカヤックが共同で開発しました。日経イノベーション・ラボは、ボナールが実際に暮らした家やアトリエなどを訪れ、絵が描かれた場所で撮影を実施。そしてカヤックの協力を得て、描かれなかった風景の実写映像を、ボナールのタッチで描いた絵画の映像に変換しました。

画家が感じとった風景は、作者のタッチによってキャンバスに描かれています。しかし画家が絵を描くために立っていた場所には、キャンバスのなかに描かれきれなかった風景もあったはずです。その「描かれきれなかった風景」を観賞することで、「作者の視界へと没入している状態」になること。なぜ、その風景の中から画家がその場所を切り取ったのかを体感すること。これが、AITの実現する新たな絵画展示のためのテクノロジーです。

今後AITは3Dスキャナや3Dプリンタなどを用いて、「絵画の中にあるモノ」の再現、スマートフォンとの連動などを検討しています。また絵画展示を拡張する新たな展示手法として、日本経済新聞社主催の美術展をはじめとした、様々な展示での利用を想定しています。

展覧会概要

「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」では、ピエール・ボナールの作品の中から6点の絵画を厳選。展覧会の「AIT」セクションで、絵画映像と実際の風景をプロジェクションマッピングによって360度に映し出します。
展示された風景画だけでなく、部屋全体に「作者が目にしたが、描かれなかった風景」が広がり、「作者の視界へ没入する」体験を味わうことができます。

名称

「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」

期間

2018年9月26日(水)~12月17日(月)

開館時間

10:00~18:00
毎週金・土曜日は20:00まで。ただし9月28日(金)、29日(土)は21:00まで
*入場は閉館の30分前まで。

休館日

毎週火曜日

会場

国立新美術館 企画展示室 1E
〒106-8558 東京都港区六本木 7-22-2

観覧料

1,600円(一般・当日)

ウェブサイト

http://bonnard2018.exhn.jp/ait/

(参考)株式会社日本経済新聞社プレスリリース


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