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業界動向 2025.06.12

AIグラスを開発する主要企業の動向まとめ──Meta、Google、XREALなどの最新プロジェクトをチェック【2025年6月】

音声アシスタントや視覚認識などのAI機能を備えた「AIグラス」が、XRやウェアラブル市場の新たな潮流として注目されています。大手企業から新興企業まで、AIを軸に次世代のスマートグラス開発に取り組んでいます。

各社の取り組みはそれぞれ異なり、本記事ではMeta、Google、LookTech、Even Realities、XREAL、Vuzix、クアルコムの7社によるプロジェクトや提携、開発の動向を紹介します。

【Meta】Ray-Ban Metaで進める日常向けAIグラスの進化

Metaはアイウェア大手EssilorLuxotticaと共同で「Ray-Ban Meta」シリーズを展開しています。この製品ではカメラ、スピーカー、マイクを内蔵し、撮影や通話、音楽再生が可能です。Metaが開発したAIアシスタント「Meta AI」にも対応しており、音声での操作ができます。視覚情報を活用するマルチモーダル機能も搭載されており、観光地で見ている対象に関する説明を受けられるほか、旅行提案やレシピ検索、動画検索などにも対応しています。

Meta AIの提供地域はアメリカ、カナダ、オーストラリア、欧州の複数国です。リアルタイム翻訳機能も加わり、「Hey Meta, start live translation.」と話しかけることで、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語間の即時翻訳が可能。翻訳結果は音声とテキストの両方で確認できます。今後はInstagramでの配信やDM機能にも対応予定です。

Ray-Ban Metaは、2024年第4四半期には累計200万台を超える販売実績を記録しました。2026年には新モデルの発売が予定されており、「Aperol」や「Bellini」のコードネームで開発中と報じられています。スーパーセンシング機能(※AIを数時間にわたって継続的に稼働させる機能)の搭載が検討されており、生活支援機能の強化が想定されています。さらに、2025年後半には「Hypernova」と呼ばれるOakleyブランドのモデルも登場すると報じられています。

【Google】「Android XR」プラットフォームを軸にAIグラス展開を準備中


(Google I/Oにて公表された、Android XRが対応するデバイス群)

GoogleはXR向けOS「Android XR」の開発を進めており、これを搭載したグラス型デバイスも手がけています。Android XRは複合現実(MR)や拡張現実(AR)デバイスに対応し、空間コンピューティング体験を可能にするOSです。Google I/OではAI「Gemini」に対応した眼鏡型デバイスについても言及され、ユーザーのそばで支援する新しいアシスタント像の実現を目指しています。


(Google I/Oでのデモ風景より)

Googleは、韓国のメガネブランド「ジェントル・モンスター」や、アメリカの「ワービーパーカー」と提携し、スタイリッシュなデザインの製品開発を実施。Android XR搭載グラスはカメラ、マイク、スピーカーを内蔵し、ディスプレイの有無はモデルによって異なると発表しています。

Google I/Oで公開された試作機は、1日中装着しても違和感が少ない60g未満の軽量デザインで、右目側にディスプレイが搭載されていました。Geminiによるマルチモーダル体験やGoogleマップのナビ機能も利用可能。目の前の絵について質問したり、ナビゲーション表示を視線に応じて切り替えたりといった操作ができます。今後の製品バリエーションについても検討されていますが、初期段階では限定的と予想されています。

【LookTech】AIでハンズフリー操作を実現したスマートグラス「AI Glasses」

中国企業のLookTech社は「AI Glasses」というスマートグラスを展開しています。「GPT-4.1」を搭載しており、音声アシスタントによる日常支援が可能です。スケジュール管理、情報検索、リマインダー設定などに対応しています。クラウドファンディングサイトKickstarterを通じて資金調達を実施し、多機能で日常生活に活用できるデバイスとして開発が進められています。現在、先行予約を受付中(価格は240ドル)。日本での発売は準備中となっています(日本サイトはこちら)。

【Even Realities】日常使いを志向するスマートグラス「Even G1」

ドイツ企業「Even Realities」は、日常使用を想定したスマートグラス「Even G1」を開発しています。軽量で自然なデザインを重視し、従来の眼鏡にAI機能を融合させた製品です。ナビゲートや音声メモ、リアルタイム翻訳などの機能を備えており、ユーザーに必要な情報が文字情報としてレンズ上に表示される仕組みです(日本発売情報は現状なし)。

【XREAL】Android XR対応のAIグラス「Project Aura」

XREALは、Googleの「Android XR」に対応するARグラス「Project Aura」を発表しました。2026年に一般発売が予定されており、6DoFによる空間認識を含むAR機能を搭載します。Geminiとの連携により、AI活用も可能です。視野角は70度以上で、従来モデルから大きく拡大され、Metaが開発しているARグラス「Orion」と同水準のスペックとされています。

Project Auraには、XREALの新型チップ「X1S」が搭載され、処理能力が25%向上。マルチタスクへの最適化も進められており、接続先のコンピューティングユニットについては専用機かスマートフォンかは明かされていません。

【Vuzix Corporation】Wyr.aiとの提携でXR×AI開発を推進

VuzixはAI企業Wyr.aiと連携し、産業向けにAI対応スマートグラスを活用した検査ツールを開発しています。音声や視線操作が可能な「M400」モデルを使用し、手を使わずに作業が行える点が特徴。自動カウントや欠陥検出、バーコード読み取り、OCRなどに対応し、作業の効率化が期待されています。結果をライブ配信する機能もあり、現場の透明性向上にもつながるとされています。

【クアルコム】AIグラス向けチップセット「Snapdragon AR1+ Gen 1」

2025年6月の「AWE USA 2025」にて、クアルコムがAIグラスやXRデバイス向けの新型チップ「Snapdragon AR1+ Gen 1」を発表しました。このチップは「Ray-Ban Meta」にも搭載されており、前モデルより26%の小型化と7%の省電力化が図られています。暗所での画像処理にも対応し、オンデバイスで言語モデルを処理できるNPUを内蔵しています。


AR1+ Gen 1は、最大10億パラメータの言語モデルに対応し、13トークン/秒の処理速度を持ちます。クアルコムはこれまでもXR向けに「XR2」シリーズや「AR2」シリーズを展開していますが、今回のAR1+ Gen 1が今後どのデバイスに搭載されるかは、現在未定です。

AIグラスの進化はXR市場の発展と深く関わっています。開発段階の製品も多い中、GoogleはOS基盤の整備、Metaは製品展開、Vuzixは産業分野での活用に注力しており、それぞれ異なる方向性が見られます。今後、これらの製品がどのような体験を提供していくのか、引き続き動向を注視する必要があります。

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