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ゲーム・アプリ 2022.02.01

「Vカツ」終了後はどこに引っ越すべき? おすすめアバター作成ツールをピックアップ

アバター制作ツール「Vカツ」がサービス終了を発表し、2022年6月30日以降は「Vカツ」で作成したアバターが利用不可となります。アバターを使用した画像や動画コンテンツも新規投稿ができなくなるため、「Vカツ」アバターの利用者は、2022年6月30日までに別のアバターへ移行する必要があります。

しかしアバターを作成できるツールは多くあり、どれがよいのかわからない人も少なくないはず。本記事ではアバター制作ツールのうち、「Vカツ」を利用していた方でもスムーズに移行できそうなものをピックアップ。アバターの出力可否や連携先、権利はどうなるか、さらに作業フローやおおよその作業時間はどのようなものかなども、まとめて紹介します。

目次

1.制作するアバターのテーマ
2.カスタムキャスト
3.MakeAvatar
4.セシル変身アプリ
5.VRoid Studio
6.他おすすめサービス&選択肢

制作するアバターのテーマ

今回は移行を前提とした利用が想定されるため、アバターの「お題」を設定した上で、制作の一例をご紹介します。

今回は、2018年に株式会社エビリーが発表したVTuberに関する調査分析の中で紹介された「キャラ特徴1位を集めたVTuberデザイン」をもとにお題に設定します。デザインも比較的シンプルで、制作過程が複雑になりにくいアバターとなるはずです。

・女性・高校生ぐらい
・銀髪(気持ち暖色寄り)・ショート
・赤目
・制服

カスタムキャスト

Vカツユーザーが比較的移行しやすいツールが「カスタムキャスト」でしょう。動作環境はスマホのみですが、素体をベースに、様々なパーツを組み合わせ、パラメーターを調整するという操作感は、「Vカツ」と共通しています。

パーツの多さは随一で、女性アバターに加え男性アバターも作成可能です。パラメーター数も調整幅も多く、パーツの組み合わせも相まって、作成できる容姿のバリエーションは広めです。その上で操作もシンプルなため、直感的に制作が可能です。

細かなところではアクセサリーの位置調整や、髪の長さの微調整も効きます。ただし、衣装やアクセサリーの色はあらかじめ用意されたもののみで「Vカツ」のようにカラーピッカーで自由に決めることはできません。

サクッとアバターができました。所要時間は8分程度。今回はデザインがシンプルかつ、素体の頭身などを大きく変えないという方針だったため、デザインや凝り方次第では1.5〜2倍の時間が見込まれます。なお基本利用は無料ですが、有料パーツが数多くあり、作りたいアバター次第では別個課金が必要になるかもしれません。

なお、「カスタムキャスト」で制作したアバターは「Vカツ」と同様に、外部出力はできず、現時点では「THE SEED ONLINE」のみ連携可能となっています。

このため直接連携できる配信プラットフォームは「バーチャルキャスト」と「ニコニコ生放送」の2つです(バーチャルキャストからニコニコ生放送、SHOWROOM、YouTube等への連携は可能)。また外部出力ができないため、「VRChat」などへ持ち込むことはできません。使用範囲はやや狭いため、その点には留意が必要です。

対応

iOS、Android

価格

基本無料(有料パーツあり)

アバター出力

不可

アバター連携

THE SEED ONLINE(要「カスタムキャスト」ニコニコチャンネル有料会員)

公式サイト

https://customcast.jp/

MakeAvatar

スマートフォンだけでアバター制作できる「MakeAvatar」も選択肢のひとつです。

バーチャルプラットフォームとの連携先の多さでは「MakeAvatar」の右に出るものはありません。VRoid Hub」と「THE SEED ONLINE」の双方に対応しているほか、「VRChat」にスマホアプリから直接アバターをアップロード可能です(※課金必要)。

操作はとても簡単です。パーツを選択し、顔面や体型にパラメーター調整をかけます。編集箇所は少なめです。今回はデフォルトパーツの範囲で制作したところ、なんと2分以内で作成が完了しました。

また「ちび化体」や「Mochipoly」といった独特なデフォルメアバターも作れるのも特徴のひとつです。「Vカツ」からの移行とは若干本筋が逸れるものの、少しアバターの趣向を変えたい場合にタッチしてみるとよいでしょう。

手軽さが特長ですが、デフォルトのパーツ数は少なめです。衣装などの追加データが欲しい場合は、ECサイト「XMarket」にて購入が可能です。既存IPとのコラボ商品も多いため、気になる人はチェックしてみましょう。

対応

iOS、Android

価格

基本無料(有料パーツあり)

アバター出力

不可

アバター連携

VRChat(要課金)、VRoid Hub、THE SEED ONLINE

公式サイト

https://makeavatar.jp/

セシル変身アプリ

「セシル変身アプリ」の特徴は、出力したVRMの著作権が出力した人に帰属する点です。商用利用も含め、出力したモデルを自由に利用できるのはメリットです。

操作画面は全体的に情報量が多めですが、編集したい箇所が書かれたボタンを押せば、対応箇所の編集メニューが表示されるようになっています。

髪型の編集はかなり細かめにできます。が、ボーン単位での調整となるとそこそこ骨が折れるため、基本はプリセットパーツで構成し、細かなニュアンスを微調整する使い方がベターかもしれません。


それ以外の箇所もパラメーター調整をかけていきます。よりこだわりたい人はテクスチャ読み込みを行ったり、シェーダーレベルから調整をかけることも可能です。

今回はデザインがシンプルということもあり、14分程度で作成できました。なお、「セシル変身アプリ」単独だとパーツ数はやや少なめ。「ドレスメーカー」や「アイテムショップ」があればカスタマイズの幅が広がるため、こだわりたい方は併用をオススメします。

対応

Windows

価格

無料。有料サポート版もあり。

アバター出力

VRM

アバター連携

機能なし

公式サイト

https://fantia.jp/posts/164261

VRoid Studio

アバター制作ツールの筆頭として挙げられるものといえば「VRoid Studio」です。「セシル変身アプリ」と同様に、本ツールで作成したアバターも著作権は制作者に帰属するようになっています(第三者が作成したデータなどを用いた場合はその規約に準じます)。その上でVRM出力、「VRoid Hub」連携に対応しており、アバターの利用先は多岐に渡ります。

なによりカスタマイズの幅が魅力的です。もともと自由に髪型やテクスチャまで自由に編集できる点が魅力でしたが、2021年10月発表された正式版では、「Vカツ」のようにパラメーター調整できる項目が飛躍的に増加し、パラメーターをいじるだけでもかなりオリジナリティのあるアバターを作成できるようになりました。アバターのベースデザインも一新され、自分の思い描く顔を作成しやすくなっています。

髪型編集とテクスチャ編集は使用せず、パラメーター調整だけで制作してみます。顔、身体、髪型、そして服装を、メニューから選択しつつ微調整をかけていきます。

VRM規格のアバターにあらかじめ設定されている表情セットも「VRoid Studio」上で自由に編集できます。作成するキャラクターのイメージにあった喜怒哀楽や、「あいうえお」の口の形を設定していきましょう。

服装もデフォルトでも多くの種類が用意されており、さらにメガネやケモミミも装着できます。ただし「衣服の色変更はテクスチャを編集する必要がある」「ケモミミはあれどしっぽはない」といった細かな点は留意が必要です。

完成です。作業時間はおよそ18分。今回は、特に髪型がショートだったため時間を要さなかったものの、もう少し凝った髪型にする場合は髪型編集が必要となるため、作業時間はさらに増加する可能性があります。

さらに、テクスチャを自分好みに編集したり、BOOTHなどで購入した衣服のデータなどを取り込んだり……と、こだわろうと思えばいくらでもできるため、「どこまでこだわるか」を意識した上で作業に取り組むとベターです。慣れないうちは、まずはパラメーター調整のみで作り、段階的に髪型編集などに挑む、というのもアリでしょう。

また、VRoidにはスマートフォンアプリの「VRoidモバイル」もあります。こちらはテクスチャ編集などはできず、調整箇所もやや少なめですが、全体的な操作感は「VRoid Studio」とおおむね同じです。作成したアバターは「VRoid Hub」へアップロードできるほか、アバターを用いたAR撮影が可能という特徴もありますので、気になる人はこちらもチェックしてみてください。

対応

Windows、Mac、Steam

価格

無料

アバター出力

VRM

アバター連携

VRoid Hub

公式サイト

https://vroid.com/studio

他おすすめサービス&選択肢

もし、活動の軸足をスマートフォンのアプリへ移すなら「REALITY」でアバターを作成するのもアリでしょう。作成は直感的で簡単、その上で調整幅も比較的担保しているため、手早く自分好みのアバターが作れるようになっています。今回のお題では5分程度で作成できました。衣装なども有料で別途入手が可能です。

アバターの利用先は基本的に「REALITY」となりますが「cluster」へ直接連携が可能です。「REALITY」で配信を行いつつ、「cluster」でも活動を行うようなスタイルが可能なので、今後の活動方針次第では検討してみるのもよいでしょう。

また「販売アバターを利用する」という選択肢もあります。とりわけVRChat向けアバターは種類も豊富でクオリティも高く、色や衣装や髪型などを改変することでオリジナリティを出すことも可能で、この方法を用いて活動しているVTuberも少なくありません。

ただし、アバターや各アイテムごとに、「商用利用/法人利用は可能か」「改変は許可されるか」といった規約が定められていることが多いため、よく熟読した上で利用するかを判断するようにしてください。

「Vカツ」の一件は、今後ほかのアバター制作サービスにも起こりうることではあります。不意のタイミングで肉体を失って戸惑うことのないよう、普段利用しているアバターの権利状況を意識しておくとよいでしょう。「Vカツ」サービス終了までおよそ5ヶ月ほど。この記事が次のアバターへの糸口となる一助となれば幸いです。

他のアバター作成ツールについてはこちら。

執筆:浅田カズラ


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