アドビはラスベガスで開催中のカンファレンス『Adobe MAX』にて、同社のクリエイティブプラットフォーム『Adobe Creative Cloud』の大規模アップデートを発表しました。
今回のアップデートによって、『Adobe Creative Cloud』で使用できる動画編集ソフト『Premiere Pro CC』に360度動画を編集できる機能が新しく登場、VRヘッドセットを装着したまま動画編集を行うこともできるようになります。
今回発表された360度動画編集機能は『CloverVR』という名称で、Adobe Premiereに統合された機能として使用することができます。
ヘッドセットを装着したまま動画編集が可能
『CloverVR』の特徴として、Oculus RiftなどのVRヘッドセットを装着したまま動画編集を行える点が挙げられます。これまで、360度映像の編集は2Dのモニターで行わなっていましたが、2D環境ではヘッドセット内に表示される立体映像を確認するために、編集中にヘッドセットを着け外しする必要がありました。
『CloverVR』ではヘッドセットを装着したまま動画編集を行うことが可能で、Adobe Premiereで使用できる各種ツールやタイムラインがVR内に表示され、コントローラーで操作することができます。
その他、空間音声やVR用エフェクトなどの機能も追加されています。
今回のアップデートに含まれる360度動画関連の新機能
イマーシブ空間内での編集
HTC Vive、またはOculus RiftのHMDを装着したまま編集が可能になります。コントローラーによる、再生やタイムラインでのスクラブ、およびキーボード編集にも対応します。
360/VR向けイマーシブオーディオ編集
360度空間音声に対応、360/VRコンテンツを編集し、YouTube、FacebookなどのVR対応プラットフォームにアンビソニックオーディオとして書き出します。
イマーシブエフェクト
360度VRビデオに対応したエフェクトが標準搭載されました。効果には、VRブラー、VRグロー、VRシャープ、また未矯正のレンズによって生成されるビデオまたはグラフィック上の色付きフリンジを生成するVR色収差などがあります。
イマーシブトランジション
360度VRビデオに対応したトランジションが標準搭載されました。アイリスワイプ、Mobiusズーム、球状ぼかし、グラデーションワイプなどがあります。洗練されたトランジションとして、ランダムブロック、薄明光線、ライトリーク、クロマリークなどがあります。
360度VRビデオのタイトルとグラフィック
グラフィック、テキスト、画像など、通常の平面素材が、360度VRビデオ内で適切に表示されるようにその書式を簡単に設定できます。
VR回転(球)
全周囲映像を視点の調整に対応しました。簡単に水平に回転させることができます。
Premiere Pro CC➖アドビ より引用
様々な新機能、アプリケーションを発表
アドビはこの他にも『Photoshop CC』、『InDesign CC』、『Illustrator CC』などの主要アプリケーションの機能アップデートを発表しています。ストック写真サービス『Adobe Stock』のサービス拡張の他、2Dと3Dの合成画像を作成する『Adobe Dimension CC』、顔認識で2Dアニメーションを自動生成する『Character Animator CC』、クラウドベースの写真サービス『Adobe Photshop Lightroom CC』などの新型アプリケーションを発表しており、これらの機能は『Adobe Creative Cloud』で使用できます。
アップデート版『Adobe Creatvie Cloud』は、登録メンバーであれば10月18日から無料でダウンロード可能です。新規に購入する場合は個人、法人、学生/教職員、教育機関向けのプランが用意されています。料金、サービス内容に関してはアドビ公式サイトから詳細を確認できます。
(参考)
Road to VR / Adobe Premiere Pro Now Includes VR Editing Interface ‘Project CloverVR’(英語)
https://www.roadtovr.com/adobe-premiere-pro-now-includes-vr-editing-interface-project-clovervr/
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