毎週MoguLiveにて掲載しているシリーズ「この動画がすごい! 今週のおすすめVTuber動画」。2025年も数多くのVTuber・バーチャルタレントによる傑作動画・配信がアップされました。
今回はその中から特に印象的だった動画・配信を、関連動画と一緒に独断と偏見でチョイス。企画系動画・配信から2025年のVTuber界を振り返っていきます。
今までの振り返りはこちら。
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「この動画がすごい!」2021年VTuberおすすめ動画を振り返り! – MoguLive
VTuberが1年後を予想する楽しさと安心感
【#ホロライブ正解は一年後】1年後に答えが分かります!!!【ホロライブ/兎田ぺこら/不知火フレア/白銀ノエル/宝鐘マリン/尾丸ポルカ】
激動のVTuber界隈、明日何が起きるかもわからない、というのが正直なところだと思います。だからこそ「1年後もVTuberは続けているよ」と宣言してくれるのはファンの心を安堵させてくれます。兎田ぺこらが司会進行を行い、ホロライブ3期生の宝鐘マリン、白銀ノエル、不知火フレア、そして尾丸ポルカが行った「ホロライブ正解は一年後」は、1年後のことを予想する大喜利的なバラエティ企画でした。
「ホロライブの新人、次はどんな子?」「2025年で一番ドスケベな新衣装は誰?」「ホロライブがあの企業とコラボ!どこと?」などの質問に対して、様々な回答が上がりました。間もなく1年が経とうとしておりますが、果たして結果はいかに…?
月ノ美兎がアップしたのは、逆に1年前に先に質問を聞いたうえで、1年後になった今あっているか確かめるというクイズ動画でした。本間ひまわり、剣持刀也、葛葉との4人で2024年9月25日に「(年一で行われている)にじさんじの次に来るライブの名称は?」「1年後までにデビューする新人ライバーの似顔絵を描きなさい」「にじフェス2025のキャッチコピーは?」などの質問を収録し、2025年11月11日に1年を振り返る解答編をアップしています。
結果が既にわかっているからこそ、リアクション含め楽しめる内容になっています。一本の動画のために、収録してから1年温め続けていたというのもすごい話ですが、それにしても4人とも1年で卒業などしているというビジョンを全く持っていないからこそできる企画です。「来年の「クイズ!1年後」でお会いしましょう!」という発言は、頼もしさ抜群です。
【わらしべ長者対決】にじさんじ内で物を交換しまくれ!!【VS 剣持刀也】
にじさんじのような「箱」の強みを活かしたのが月ノ美兎と剣持刀也による「わらしべ長者対決」でした。わらしべからスタートして、ちょっといいものと交換をしていったら最終的にお屋敷になるという昔話をベースに、にじさんじのメンバーに対して行ったらどこまでいくのか、という検証企画。さすがに屋敷までは行きませんでしたが、最後はとんでもない結果のわらしべ長者っぷりを見せています。
これがうまくいったのは、選出されたにじさんじライバーたちがエンタメでどう面白いことができるかをみんな考えて、最高の無茶振りに対して最高の返しができているからです。ライバーたちの「面白さ」のために出し惜しみしないプロ意識が垣間見えるため、出てくる人全員をみんな好きになってしまう魅力いっぱい、幸せいっぱいな企画動画になっています。
【米農家VTuber】この一粒に、一年のすべてを込めて。【ピキハイ】
「群馬×農業×演劇」を3本柱として活動の幅を広げているVTuber夫妻のPeaky Hikers。実際に自分たちが田んぼを管理し、米を育て、稲刈りまでする動画をアップし続けてきたふたりは、収穫したお米「あさひの夢」と「コシヒカリ」を販売。一気に話題になりわずか一週間で6.3トンもの量を完売するという大快挙を成し遂げました。
お米の収益についても数字を出して赤裸々に語っています。
個人VTuberがやるには桁が大きすぎる規模のこの活動は、良い意味でふたりの最高のPRになりました。
今後は農業に長けているVTuberとしてより広い層に知られることや、農業関係者からの支持が得られることも期待したくなる活躍っぷりです。
琴笙レールシュペナーの「#特化荘の住人たち」
2025年は学術系・特化系VTuberの活躍と、横のつながりが大きく目立った年でもありました。その中で音楽学のレール先生こと琴笙レールシュペナーの「#特化荘の住人たち」シリーズは、ゲストに呼んだ特化系VTuberたちの魅力を深いところまで見せてくれるシリーズとして見応え抜群でした。
バーチャルインド人Madhav Aditya、軍艦歴史解説の歴史艦ラビィ、「NATURE」に論文が掲載されたガチの恐竜研究家古知累すすむらを「特化荘」の住人として招き、それぞれの得意分野について話を聞いています。
司会者・インタビュアーとしてのレール先生の聞き方がうまく、ゲストたちの強烈な個性と莫大な知識量をうまくピックアップしながらわかりやすくまとめているため「そんな世界があるのか!」という発見で興味をそそってくれる動画群です。
編集のテンポがよく、話されている話題も豊富。初心者の知的好奇心をくすぐる構成の番組になっており、ディープな世界に足を踏み入れるときのワクワクにあふれたシリーズになっています。
【ドッキリ】他人の3Dモデル依頼されてないのに作ってみた【町川びば】
VTuber活動者の夢のひとつ「3D化」を、依頼されていないのに作ってプレゼントしてしまう、というドッキリが最古之マヌルによって実施されました。3Dモデリングにたけている最古之マヌルは、ビジュアルの好み&適度な距離感の人、ということで町川びばを選びました。
当然ながらこれは3D制作技術に自信がないとできない企画です。完成した町川びばモデルは非常にキュートで、もとの2Dモデルと比較しても違和感なしのハイクオリティ。あくまでも3Dファンアートとして渡したもので、使っても使わなくてもいい、とプレゼントするあたりのモラルの高さも見ていて清々しいです。
手がかかりすぎている内容ですが、作りたい側の供給とVTuberの需要がマッチしたことでうまれた、幸福感いっぱいの企画として是非見ていただきたい一本です。
MAS-RAO オーディション
にじさんじの人気ユニット「ROF-MAO」に対して、ネタ半分で出たグループ「MAS-RAO」。2021年の「V呑み」で出た話題で作られたインディーズユニットとしてジョー・力一、舞元啓介、レオス・ヴィンセント、オリバー・エバンスの4人はその後「MAS-RAO(仮)」を結成しましたが、今年は本気です。「(仮)」のつかない「MAS-RAO」を結成すべく本格的なオーディションが開催されました。
ネタ混じりだった企画に対して本気で挑み、本物の作品にしていく、というのがジョー・力一をはじめとした今回の面々のかっこいいところ。面接、トーク、ぱんぞう屋(ジョー・力一がしばしば配信でプレイしている運絡みの多いゲーム)でのオーディションに挑む面々。自らはVTuberとしてのプライドをかけて、全力勝負をしています。特にトーク番組はトーク力の競い合い、彼らの本領です。とっておきのエピソードトークをここで一発出してくれたライバーもいました。
この動画自体がドキュメンタリー番組として高いクオリティの編集がなされているのが特徴。テレビ番組さながらの構成と、裏話などの収録までしているこだわりによって、一本のエンターテイメント作品として見ごたえのあるものになっています。
オーディション後に「MAS-RAO(麗)」と「MAS-RAO(剛)」が誕生し、これまたハイクオリティなオリジナルMVもそれぞれ公開されました。成人男性たちが集まって、音楽面でもエンタメ面でも才能が発揮できることを証明して見せてくれた、今後の活動に期待をしたくなる企画でした。
VRCで行われた「ぺこマリ体操」が見せた可能性
夏休みの間、早朝に兎田ぺこらと宝鐘マリンの「ぺこマリ体操」が実施されました。再生リストはこちら。
ものすごく忙しいふたりが毎朝起きて欠かさず体操をしている、というだけで拍手ものなのですが、それを3Dモデルの姿で、VRChatを使って行っているというのは見逃せない点。これによって3Dの姿を何らか持っていれば、他のホロライブメンバーも、国内外問わず自由に参加できる、というバーチャルならではの強みが活かされました。
当時まだ自身の3DモデルがなかったFLOW GLOWの面々も、ちびキャラ3Dで参加。特に綺々羅々ヴィヴィは皆勤賞で参加し、配信を毎日盛り上げるのに一役買いました。
毎日それぞれ趣向を凝らしてネタを盛り込んでいた兎田ぺこらと宝鐘マリン。誰が来てもOKな凸待ち的側面もあり、15日間どの体操を見ても楽しめるシリーズになっています。
今年は公式のホロナツクイーン決定戦や、雪花ラミィによるVRC配信部屋公開、ふぶみこめっとさんによるぽこピーランド訪問、holoAdventのクリスマスコラボなど、ホロライブの面々がVRChatをうまく活用して新しい見せ方をする試みが多数見られました。配信表現の幅を広げる手法として、これからの活用にも期待が寄せられます。
【オリジナル楽曲】ひっひっふー / しぐれうい【じん】
イラストレーターでありVTuber、かつ音楽方面でも大躍進中のしぐれうい。どんどんレベルアップしていく歌唱能力の高さと、こだわりにこだわった動きまくる映像で驚かせてくれたのが「ひっひっふー」のMVです。
凄まじく動くのでスケールが大きく見えるのですが、実はひとつの部屋の中、椅子の上、というのが「クリエイター」のエネルギーのうまい表現になっています。クリエイティブな活動は机の上から無限のパワーを生み出します。それがしぐれういの高速ボーカルで見事に再現され、彼女の手から数多くのものが産出されているのを体感できる一作になっています。
音楽面のみならず、3D映像面でも、フォント表現でも、クリエイターたちが腕によりをかけてつくったこの作品は、「ビデオサロン 2025年10月号「特集 映像文字デザインの極意」」でも特集をされていました。
ピーナッツくん – Stop Motion feat. 魔界ノりりむ (Official Music Video)
先日バーチャルライブ「PQ」で多くの人を圧倒したピーナッツくん。今年も音楽面、映像面、エンタメ面で八面六臂の大活躍をして見せてくれました。
その話題になった作品のひとつが、feat.魔界ノりりむの楽曲「Stop Motion」。5歳児であるピーナッツくんが憧れのプロムに、13歳の魔界ノりりむを誘うというシチュエーションの、物語性のある作品です。
淡く幼くちょっぴり甘酸っぱく、ほろ苦い。ラッパーとしてのピーナッツくんが作り出した、エモーショナルが詰まった作品としてファンの心を強く掴みました。なおライブ「PQ」では魔界ノりりむ本人は登場しないままこの楽曲が披露されたことで、逆にいい具合に苦みと胸キュン度がアップしたのも印象的でした。
ピーナッツくんはリアルイベントでのラップバトルにも、はじめて今年挑戦しています。対するはピラフ星人。ピーナッツくんの大ファンを公言しており、2026年に武道館公演も控えている人物です。
「Stop Motion」の甘くキュートなエモも、ラップバトルでの魂からの叫びも、どちらもピーナッツくん。アーティストとして彼はどんどん扉を開き続け、ファンを興奮させた1年でした。
歩み続ける名取さなの物語と音楽
音楽でのリアルセカンドライブ「独ゼン者」を大成功させていた名取さなは、オリジナル楽曲のMVを多数公開していました。
名取さなが自身を表現するオリジナル楽曲の中には、「ナース名取さなは、患者名取さなの憧れていた姿である」というバックボーンを持った作品がいくつかあります。
「きらめく絆創膏」はそのふたりの名取さなのあり方の集大成的な作品です。患者名取さなからはナース名取さなはどう見えているのか、配信で見ているナース名取さなはどんな存在なのかがこの一本の中に凝縮されて詰まっています。
この流れを踏まえたうえで、さらにナース名取さなが「自由」に羽ばたいていく様子を描いたのが「明証」という作品でした。ハッピーあふれる歌声で生き生きと「この空は自由だ 私は私だ」「ひたむくのは 生きていくのは やっぱり美しいや」と、ナース名取さなの歩みを力強く歌う本作は、ぜひ「きらめく絆創膏」や「モンダイナイトリッパー」などの過去作品を見たうえで、聞いていただきたい作品になっています。ボーカリスト名取さなの歌声の持つ、ポジティブなエネルギーをぜひ味わって下さい。
加えてMV「オヒトリサマ」は、名取さなのファン側に送るちょっと変わったエール的な作品として公開されています。チャンネルの運営方針として視聴者同士の馴れ合い禁止を打ち出している名取さな。孤独だからこそ楽しめるものがある、お一人様を誇れ、という考え方をMVで打ち出すことで、視聴者側が主人公になっている思想性強めの、頼もしいロックナンバーです。
普段の明るく楽しい配信にあわせて、これらのMVを一度見ておくと、彼女のVTuberとしての世界観と、その根底にある思想が見えて、多角的に彼女のトークが楽しめるはずです。
HIMEHINA『V』MV #ヴィー
今年はLIVE 2025『LIFETIME is BUBBLIN』を開催し、今後全国とアジアを回るツアーも計画しているHIMEHINA。
バーチャルに対しての意識を持った作品を度々出している彼女たち。「V」はそのなかでもかなり直球でVTuberという存在に切り込んだ作品でした。「バーチャルだヒューマンだ四の五の言うが 存在はOne&Oneだ 吠えても惚れても死の後はバラバラな」などの特徴的な歌詞や「Iは引き割かれVとなった Vは持て囃され怪物となった」という意味深な概要欄は、現在のVTuberのあり方に深くメスを入れるような鋭さがあります。
ふたりの完璧に揃った芯のある歌声で表現されたダンサブルなMVは見どころ満載。中でも数多くのVTuberがそれぞれ個性のあるダンスを見せる大人数ダンスのシーンは話題になり、「踊ってみた」動画も多数アップされました。
綺麗事 / 星街すいせい(official)
個人VTuberとしてデビューしたときに発表した「武道館公演」の夢を叶えた、多くのVTuberの希望の星、星街すいせい。そんな彼女自身が作詞作曲したのがこの「綺麗事」という楽曲です。自分を星に例えた「Stellar Stellar」など、己を表現した作品を数多く出している星街すいせいですが、今回の「綺麗事」は特に、今までとこれからの自身の姿を盛り込んだ、大きく羽ばたき続けている彼女を生々しく振り返る作品になっています。
ボブカットの学生の星街すいせい、絶望して苦しむ星街すいせい、明るく決意し歩む星街すいせい、ステージで高らかに歌う星街すいせい。この4人の星街すいせいが入り組んだアニメーションは、彼女の今までの歩みの中で生まれてきた心情を表現しているのでしょうか。
「綺麗事を吐くその口が嫌いだから歌を歌うんだ」という決意のような歌詞と映像が重なることで、前進し続けてきた星街すいせいの今が見えてくる作品です。今までのライブでは重要なパートで歌われる一曲として、情感たっぷりに歌われてきました。おそらくこれからも、彼女の道標のひとつとして、大切に歌われ続けていくことでしょう。













