東京大学の研究グループが、超低電力の指輪型無線マウス「picoRing mouse」を開発しました。指に装着して動きを検知する小型デバイスで、VRヘッドセットを使ったバーチャル空間やARグラスの操作に利用できます。
従来の指輪型入力機器は小型電池しか搭載できず、数時間で電池切れになる問題がありました。特にBLE(Bluetooth Low Energy)通信では連続送信に限界があり、長時間利用が難しい点が課題でした。
対してpicoRing mouseは一度の充電で1か月以上駆動できます。その理由は、指輪とリストバンド間に、超低電力の無線通信方式を導入したこと。通信部分の消費電力を従来比で約2%まで削減し、BLEの制約を克服しています。磁界を利用するバックスキャタ通信の仕組みを応用し、世界で初めてµW(マイクロワット)級の無線通信を指輪型デバイスに採用しています。
従来の磁界バックスキャタと比べ、通信距離は約2倍に延び、低出力でも外部ノイズに強い安定した性能を実現しました。最大消費電力は449µWと極めて小さく、超低電力の入力デバイスが完成しています。
この指輪型マウスはARグラスとリストバンドと組み合わせて使用できます。公共交通機関や屋外でも、周囲に目立つことなく自然に仮想画面を操作できます。軽量かつ目立たないため、長時間の利用にも適しています。
グラス型デバイスの操作はまだスタンダードが確立されておらず、模索が続いています。2025年9月末に発売されたAIグラスMeta Ray-ban Displayは、グラス型デバイスとリストバンド型のコントローラーを組み合わせて使用します。
今回発表された研究成果にもあるように、より小型のリング型コントローラーも候補の1つです。
参考
https://research-er.jp/articles/view/148753
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