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開発 2025.07.15

目が疲れないARグラス実現へ 次世代ディスプレイ小型化でスイスのCREALが資金調達

スイスのスタートアップ企業CREALは、新たに890万ドル(約13億円)の資金調達を完了しました。調達した資金は、ARグラス向けライトフィールドディスプレイモジュールの小型化と製品化に活用されます。

今回の資金調達は、ドイツの大手光学機器メーカーZEISS(ツァイス)が主導し、新規および既存の投資家に加え、UBSのプライベート投資家ネットワークも参加しました。このラウンドを含め、CREALの累計資金調達額は3,200万ドル(約47億円)を超えています。

CREALは、ARグラスへの搭載を想定したライトフィールドディスプレイ技術を開発しています。ライトフィールドディスプレイとは、表示される画像に複数の視点情報(視差)を同時に含めることで、視点を動かしても立体感のある映像を維持する仕組みです。

一般的なVR/ARデバイスは、人の眼の付近にディスプレイを配置し、左右の目に視差のある映像を映し出すことで、立体感のあるバーチャルオブジェクトを表示しています。したがって対象との距離に合わせたピント調整が難しく、2メートル程度の焦点距離を保たないと、表示のずれや歪みが生じます。この事象は「焦点競合・輻輳調節競合(Vergence Accommodation Conflict、VAC)」と呼ばれ、眼精疲労やVR酔いの原因となることから、各社が様々な工夫を試みてきました。

同社は2017年の設立以来、ARグラスに搭載可能なライトフィールドディスプレイ技術の実用化を目指し開発に注力、2023年には商用化を発表しています。

調達した資金は、ライトフィールドモジュールのさらなる研究開発に充てられます。CREALは、この技術を軽量かつファッション性のあるARグラスに統合し、まず法人向けに展開したのち、将来的には一般消費者向けへの展開も視野に入れています。すでに量産可能な技術は確立されており、小型化や性能向上も進められています。

また、CREALはZEISSと2024年からライセンス契約を結んでいます。ZEISSは1846年創業、ドイツの大手光学機器メーカーグループです。日本では、カールツァイス株式会社(Carl Zeiss Co., Ltd.)として、光学・医学用機器の輸入販売等を手掛けています。CREALの技術はZEISSの視覚ケア関連の次世代診断・治療デバイスに活用される予定です。

CREALのCEOであるトマス・スルカ氏は、「ARは次世代の主要なインターフェースとなる」と述べ、「ARグラスを一日中快適に使うためには、自然で健康的な視覚体験が不可欠だ」とコメントしています。また、「CREALはリアルな深度表現を可能にするARグラスの開発に注力しており、これが空間コンピューティングの基盤になる」と語っています。

(参考)Road to VR、CREAL

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