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業界動向 2019.12.31

【VR/AR/MR業界編】キーパーソン33名が語る、2019年と2020年

2019年ももう大晦日。そろそろ2020年がやってきます。本記事はMogura VR Newsとして2019年を締めくくる最後の企画となります。

VR/AR/MRは毎年が激動の業界です。業界で活躍するキープレイヤーは2019年をどう振り返るのか、また2020年にどのような展望を見ているのでしょうか。

また、この場を借りて、年の瀬のお忙しい中コメントをいただきました皆様に感謝の意をお伝えいたします。

目次(順不同)

・近藤GOROman義仁(株式会社エクシヴィ 代表取締役)
・藤井 直敬(株式会社ハコスコ 代表取締役)
・廣瀬 通孝(東京大学 VR教育研究センター センター長)
・稲見 昌彦(東京大学先端科学技術研究センター 教授)
・水口哲也(エンハンス / シナスタジアラボ 代表)
・国光 宏尚(株式会社gumi 代表取締役会長)
・加藤 欽一(ソフトバンク株式会社 サービス企画本部 VR事業推進課 課長)
・上月 勝博(KDDI株式会社 パーソナル事業本部 サービス本部 プロダクト開発1部 副部長)
・児島 全克(HTC NIPPON株式会社 代表取締役社長)
・西川 美優(株式会社IntoFree(イントゥーフリー)代表取締役)
・駒形 一憲(株式会社ProjectWhite(TSUKUMO)執行役員営業企画部部長)
・高橋 建滋(株式会社桜花一門 代表取締役)
・若山 泰親(Tokyo XR Startups株式会社 プロデューサー)
・吉田 修平(ソニー•インタラクティブエンタテインメント インディーズ イニシアチブ 代表)
・小山 順一朗(株式会社バンダイナムコアミューズメント プロダクトビジネスカンパニー クリエイティブフェロー)
・田宮 幸春(株式会社バンダイナムコアミューズメント プロダクトビジネスカンパニー プロデュースディビジョン プロデュース1部 プロデュース2課 マネージャー)
・新 清士(よむネコ 代表取締役)
・岸上 健人(Mydearest代表取締役)
・安藤 晃弘(株式会社ハシラス 代表取締役・一般社団法人ロケーションベースVR協会 代表理事)
・山口 征浩(Psychic VR Lab株式会社 代表取締役)
・松本勇気(合同会社DMM.com CTO)
・待場 勝利(VRプロデューサー)
・染瀬 直人(VR映像コンテンツクリエイター/VR未来塾 主宰)
・関根 健太(株式会社積木製作 セールスディビジョン シニアディレクター)
・杉本 真樹(Holoeyes COO、帝京大学冲永総合研究所特任教授)
・武樋 亘(株式会社Synamon 代表取締役)
・登嶋 健太(福祉×VR)
・沼倉 正吾(Symmetry Dimensions Inc. CEO & Founder 沼倉正吾)
・中村 薫(株式会社ホロラボ 代表取締役)
・川島 優志(Niantic Inc. アジア・パシフィック オペレーション 副社長)
・福田 浩士(株式会社meleap CEO)
・牛尾 湧(プレティア・テクノロジーズ株式会社 代表取締役)
・いっこう / ikkou(xR Tech Tokyo 主催)
・せきぐちあいみ(VRアーティスト、クリーク・アンド・リバー社 )

株式会社エクシヴィ 代表取締役
近藤“GOROman”義仁

Q1 2019年を振り返って、印象的だった出来事・トレンド・コンテンツ

一番印象に残っていることは、XR Kaigiが日本で開催されたことです。その中でも、水口哲也さん・Nianticの川島さんらと共に基調講演に登壇出来たことは大きな喜びです。また、米国SanJoseで行なわれたOculus Connect 6に参加してハンドトラッキングの最新デモを体験出来たことにより、未来のUI/UXを感じることができました。Questにおけるハンドトラッキングはまだ荒削りですが、これについては時間が解決していくでしょう。今後の空間UI(SUI)における重要なファクターになると思います。

Q2 2020年はどうなりそうか、展望や自身の抱負、Mogura VR読者へのメッセージ

VRはOculus Questのようなスタンドアロンデバイスがより普及する1年になると思います。家電量販店などで買える日が早くきて欲しいです。

ARは、大手各メーカーがARグラス型デバイスを発表するAR戦国時代になると予想しています。特に期待しているものは、facebookとAppleが開発しているARデバイスです。ARKit3などに触れてみると、これがビデオパススルー型のグラスデバイスに搭載された未来を想像して一人勝手にワクワクしています。

弊社エクシヴィとしても、2020年は勝負の年と考えています。
現在開発しているプロダクト、AniCast Makerのリリースに向けて頑張っていきます。

リアルより、XRがより「便利」になっていく年になるでしょう。

株式会社ハコスコ 代表取締役
藤井 直敬

Q1 2019年を振り返って、印象的だった出来事・トレンド・コンテンツ

東京クロノスのように商業レベルで成功とよんで良いVRコンテンツが出てきたこと。Questのハンドトラッキングに可能性を感じた。

Q2 2020年はどうなりそうか、展望や自身の抱負、読者へのメッセージ

XRマーケットはスクラップ&ビルドを繰り返して少しずつ大きくなっていくだろう。あるデバイスが出たとたん一瞬で世界が変わる可能性はあるが、iPhoneですら数年かかったことを考えると、スピードはゆっくりだろう。しかし間違いなく右肩上がりではあるはず。

東京大学 VR教育研究センター センター長
廣瀬通孝

Q1、Q2合同回答

 HMDの進化が著しい1年だったと思う。「進化」とは、本来のディスプレイ機能が進化するという量的進化のみならず、アイトラッキングやリップリーディングなどのセンシング技術の組み込みをはじめとする、周辺機能の進化という意味を含む。別の言い方をすれば、HMDの再定義が始まった、HMDの進化の新しい道が見え始めたということだろうか。

 このことは、HMDの本質であるインタラクション技術の進化とも関連する。「目は口ほどに物を言う」ではないが、今後、サッケードやブリンキングによる映像制御など、これまでとは比較にならないほど精緻なインタラクション技術が登場して来るのではないかと期待が膨らむところである。

 東大まわりの話題を付け加えれば、「サービスVR」分野の確立に向けて、アカデミアも動き出した。エンタメ以外のVRの応用分野として期待されているのが教育訓練のアプリケーションである。VR教育研究センターに設置されたサービスVR寄付研究部門では、対人スキルのVRトレーナーなど、サービス業ならではの新しいVR技術の開発が始まった。今後、VR技術を支える産業構造も変化していくことだろう。

東京大学 東京大学先端科学技術研究センター 教授
バーチャルリアリティ教育研究センター 応用展開部門長
稲見昌彦

Q1 2019年を振り返って、印象的だった出来事・トレンド・コンテンツ

バーチャル学会という学生主体の取り組みにアカデミアの未来を感じました

Q2 2020年はどうなりそうか、展望や自身の抱負、読者へのメッセージ

マテリアライゼーション(情報物質化技術)に改めて着目したいと思います

エンハンス / シナスタジアラボ 代表
水口哲也

Q1 2019年を振り返って、印象的だった出来事・トレンド・コンテンツ

VRコンソーシアムが、設立5年でXRコンソーシアムに変わり、XR Kaigiが行われたこと。AR系開発者のコミュニティARISEが立ち上がったこと。VRから始まったXRの流れが、いよいよ新たな展開に向かおうとしているのが象徴的な1年でした。

Q2 2020年はどうなりそうか、展望や自身の抱負、読者へのメッセージ

エンハンスからは2020年、中村勇吾さん率いる tha が手がける新作「HUMANITY」(VR対応)をリリース予定です。他にも新たなXRプロジェクトが進行中です。いろいろ試したいことが山積みですが、一つ一つ丁寧にがんばっていこうと思います。


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