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Magic Leap 2016.06.20

現実に様々なものを投影するMRデバイス「Magic Leap」とは

未だデバイスの公式発表がないにもかかわらず、Googleなど世界の名だたる企業から推定14億ドル以上もの巨額の資金調達を行っている謎の企業、MagicLeap社。現実に様々なものを投影するMRデバイスを開発しているとされていますが、詳細は謎に包まれています。

今回では現在のところまで判明している情報をまとめてみました。

マジックリープ

Magic Leapの技術とは?

MagicLeapはAR/MRデバイスの開発をしているとされ、CGと現実世界の物体に焦点を行ったり来たりさせることができるなど、より自然な視覚技術を研究しているようです。

2016年2月に同社はその技術を「MRライトフィールド(Mixed Reality lightfield)」と呼称しています。

以下はその技術を使っているところを撮影したと思われる動画です。
この動画には特撮や合成がないというキャプションが入っています。

マジックリープ現実の女性とCGの地球で焦点が行ったり来たりしている様子がうかがえます。

ショッピングしている映像も。(投資を受けているアリババを意識しているのかもしれません)

マジックリープ

同じAR/MRデバイスHoloLensとの違いは?

では最近話題のAR/MRデバイス、マイクロソフトのHoloLensと比較をしてみます。HoloLensに関しては既に開発者版が販売されており、非常に僅少ではありますが体験する機会も増えています。一方でMagic Leapは中核となる技術もまだ不明、体験することもできないといった状況です。

主に視覚的な認識、操作性について見ていきます。

視覚的な認識について『MagicLeap』は、「MRライトフィールド」で実際に物体を見た時のピントを再現するディスプレイ技術を使用していると思われるため、特定の像を注視した際にフォーカスがかかります。投影技術には網膜照射を採用しているという噂もありますが、詳細は不明です。
また、HoloLensでは視野角が左右40度となっており、狭くなっていますが、Magic Leapの視野角は不明です。

では操作性はどうなのでしょうか。
HoloLensでは音声、ジェスチャー、Bluetoothで接続されたマウスとキーボードでの操作が対応となっています。MagicLeapでは公式発表はありません。

また、Magic Leapが2015年にTEDに出演をキャンセルした際に公開された映像では

Gmailを見たり、
マジックリープ

ゲームを起動して
マジックリープ

光線銃を買って…
マジックリープ

いきなり天井を突き破って現れたロボットに
マジックリープ

命中!
マジックリープ

光線銃で襲い来るロボットと戦う様子が見えますが、
This is a game we’re playing around the office right now「これは今私たちのオフィス中で遊ばれているゲームです」とコメントされているものの、現時点では実際にどのように動作するものなのかは明確に発表されていません。

他にもMagic Leapは定期的に状況をアピールする動画を公開しています。

(2016年4月に公開)A New Morning

(2015年10月に公開)Magic Leap Demo

これまでに行われた資金調達と集う圧倒的スター人材

2014年 2月、シリーズAラウンド5000万ドルの出資を集め、世界で最も自然で人にやさしいウェアラブルコンピューターインターフェースの開発と商品化をミッションに始動しました。

役員のリチャード・テイラー氏はWETA共同創業者で、『ロード・オブ・ザ・リング』、『マッドマックス:怒りのデスロード』、『第9地区』などを手掛けたプロVFX集団・WETAワークショップのクリエイティブ・ディレクターです。

翌年の2015年12月、シリーズBラウンドでGoogle Incより5億4200万ドルを調達し、取締役会にGoogleのCEOスンダー・ピチャイ氏も参画をします。

2016年2月、シリーズCラウンドでアリババグループより7億9350万ドルと、最大級の投資を受け、さらにワーナー・ブラザース、Fidelity Management and Research Company、JPモルガン・インベストメント・マネジメント、モルガン・スタンレー・インベスト・マネジメントなどの企業も投資に名を連ねています。

主導となったアリババグループ(時価総額約202億ドル)時価総額はコカ・コーラと同じくらいで、世界最大の小売企業・流通企業です。また、金融顧問としてフロリダの老舗の投資(信託)会社のAllen & Company LLCが担当しています。

商業用プロダクトが公開されていないにもかかわらず、これだけ人も資金も集めていることに期待が高まります。昨年度は50~200人程度の規模でしたが、今年に入って500~1000人規模へと急速に拡大しています。

所在地も、フロリダ州、テキサス州、カリフォルニア州、イスラエル、ニュージーランド、様々な場所を選べるようになっており、ソフトウェアのエンジニアから、製造ラインやオペレーションの担当募集など様々な職種を募っているようです。

また、映画「スター・ウォーズ」シリーズの製作を手掛けるルーカス・フィルムの下にある新技術研究チームILMxLabとの戦略的な提携も発表されました。

マジックリープ

ますます加速していくであろうMagicLeap社、果たしてどのようなデバイスが私たちの目の前に現れるのか、情報公開が待たれます。

Magic Leap公式サイト(英語)
https://www.magicleap.com/#/home

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(参考記事)The Untold Story of Magic Leap, the World’s Most Secretive Startup(英語)
http://www.wired.com/?p=1999666
(WIREDより)
動画はこちら(英語)
(WIREDより)


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