AR(Augmented Reality/拡張現実)ソフトを開発するXRAI Glassは、ARグラス向けリアルタイム音声字幕表示ソフトの一般向けプレビューを開始しました。音声をリアルタイムで字幕に変換して表示することで、耳が聞こえない人や聞こえにくい人がARメガネを通して会話できるようになります。
XRAI Glassは、消費者向けARグラス/スマートグラスを販売するNrealと戦略的パートナーシップを結び、スマートグラス「Nreal Air」向けにソフトを提供します。
リアルタイムで字幕を表示
XRAI Glassのソフトは、携帯電話に接続したARメガネNreal Airを装着して利用します。このソフトは、音声を字幕に変換し、ユーザーのARメガネの画面に表示します。これによりARメガネを装着したユーザーは、字幕によってリアルタイムで会話の音声を読めるようになります。
公式サイトの画像には、話している人が識別されている様子もみられます。近いうちに、音声から誰が話しているかを識別し、言語、声のトーン、アクセント、ピッチを翻訳する機能を搭載するとしています。さらに将来的には音声だけではなく、マルチモーダルな字幕を提供する予定です。
パブリックプレビューの試用期間は2ヶ月で、ソフトは無料で利用できます。パブリックプレビュー後の価格は、ユーザーからのフィードバックに基づいて決定するとしています。プレビューはGoogle Playのテスト機能を用いて配信される予定です。
聴覚障害のある世界中の人々の会話を豊かに
XRAI Glassは聴覚障害のある世界中の何億人もの人々の会話を豊かにすることを使命としており、対象とする市場は大きいと発表しています。
英国では、1,200万人の成人が難聴に悩まされており、2035年までに1,420万人に増加すると予測されています。また、この1年間で、スマートウェアラブルデバイスは40%増加しています。このうち、31.5%は音声に特化したウェアラブルデバイスであるヒアラブルデバイスが占めています。今後は、この大きな市場に加え、接客業、警察、教育など、他の市場への進出を目指します。
XRAI Glassは公式サイトで試用申し込みを受け付けています。
(参考)プレスリリース、XRAI Glass