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VTuber 2022.06.25

海外Vtuber約1,600名が回答した大規模アンケートの結果が公開 年齢層や活動出費が明らかに

海外の個人勢VTuberグループ「VTuber Network(VTNet)」が、約1,600人のVTuberを対象にして行った“国勢調査”を発表しました。デビュー時期や年齢、機材に使用した金額など、様々な情報が確認できる結果となっています。

2021年に企画スタート

“VTuber”調査は、「VTNet」の創設者であるVTuber、Yam Koumoriさんが2021年から行っている企画。当初は、2020年のコロナウイルスの流行下でVTuber活動を始めた人のデータを得ることが目的だったそうです。

データの分析は Koumoriさんと、チーム(VTuberのLasso CatsidyさんとSkylar Tsukinomaさん)が行ったとのこと。

以下では、そのデータの一部から興味深い点をいくつか紹介します。

海外ブームはいつから?

調査データの開示は、VTuberとしてデビューした時期(のアンケート)からスタート。公開されたグラフからは、2019年までは活動を開始した人が非常に少ない一方で、2020年から爆発的に人数が増加していることが確認できます。

Koumoriさんたちは、(日本以外での)VTuberシーンが実質的には2020年に誕生したと評しています。それまでにも同様の活動を行っていた人はいたものの、当時の人たちは「アバターストリーマー」などと名乗っていたとのこと。

22歳から30歳が多数を占める


(22歳から30歳までの“人口”が突出していることが確認できます。)

調査では、VTuberとして活動する面々の“実年齢”に関するアンケートも実施されました。収集されたデータからは、22歳から30歳という年齢層が過半数以上(約58.4%)を占めていることが判明。それ以外の年齢層は、比較的少数にとどまっています。40歳以上のVTuberは0.1%でした。

フルタイムVTuberは10%未満

「VTuberとして収入を得ているか」という質問については、56%が「趣味として活動している」と回答。34.1%は、“パートタイム”活動を行っており、ある程度の収入を活動から得ていると答えています。

9.8%は、フルタイムのVTuberとして活動していると説明。活動自身が主要な収入源になっていると回答しました。Yam Koumoriさんたちは「趣味」の人たちの多くも、可能なら収入を得ることを求めていると論じています。

「VTuberとしての」性別

VTuberとしての性別は、約半数が女性として活動していると答えました。男性は約30%でノンバイナリーは21.6%となっています。Koumoriさんによれば、2021年10月の調査では、設問を「性別」としていたものの今回「VTuberとしての」という文言を付け加えたとのこと。

実際の性別と異なるジェンダーで活動しているVTuberも少なくないことから、このような設問に変更したとKoumoriさんは説明しています。

4.4%は30万円以上を出費

VTuber活動に必要なモデルの準備やトラッキング機器の用意などに使用した予算に関する質問も行われました。最も多かったのは100ドルから500ドルで、その次は0ドル(お金は使用していない)。2,500ドル(約34万円)以上と答えたのは4.4%でした。

予算を使用していない人が多いという結果は、回答者のVTuberとしてのキャリアが短めだったことが影響している可能性があるとのこと。自分の活動期間がどれほどになるか分からない状態で、高額の投資を躊躇した人が多い可能性もあるそうです。

ゲーム配信メインが圧倒的多数

主な配信コンテンツの種類(複数選択可能)は、ゲームと答えた人が99.7%に達しました。その次に多かったのが雑談/コメンタリーで、約50%がアートと回答しています。

音楽関連とレビューについては、結果がほぼ拮抗しました。Koumoriさんは音楽関連のコンテンツを扱うVTuberの方が多くなると予想していたそうで、この結果は予想外と説明しています。

Twitchに「軸」を置くVTuberが圧倒的

主な活動プラットフォームについては「Twitch」が圧倒的多数(約80%)。大きく離れてYouTubeとTwitterが続く形となりました。VTuberの多くがYouTubeで活動している日本とは異なった“人口分布”が存在している模様です。

一方「利用しているすべてのプラットフォーム」という設問では、「Twitch」とTwitterがほぼ同率となり、約70%がYouTubeを使用しているというデータが出ています。YouTubeについては、多くの人が“サブチャンネル”として、クリップ動画などの公開に使用していると思われるとのこと。


(2つの調査で、YouTubeやTwitterの割合が大きく異なっているのが確認できます)

今回の調査では、このほかにも配信の長さや1週間のうちに公開する動画の平均本数、ライブ配信の視聴者数などの調査結果が公表されました。調査結果はYouTubeのほか、PDFファイル形式でも公開されています。

「VTNet」の調査の全文はこちら(PDF)
https://www.canva.com/design/DAE9am3aIE0/diQaP3hJC2W_bknlz98L3A/view?utm_content=DAE9am3aIE0&utm_campaign=designshare&utm_medium=link&utm_source=publishsharelink#8

(参考)YouTube


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