2017年2月よりサービスを開始しているソーシャルVRアプリ『VRChat』は、好きなアバターになりきってオンライン空間に参加できるアプリです。VRChatは、プレイが無料という手軽さや、人気YouTuberやTwitch配信者による知名度の高まりを受け、1月9日からわずか10日間で200万インストールを達成しています。
VR対応サービスの中でも異例の伸びを見せている本アプリにおいて、今回、ある試みがTwitterで公開されました。
VRChatに「3Dスキャンした自分」のアバターを作ったぞー!🎉
主人公感出すために能力者っぽいエフェクトも追加してサイコーじゃ😂😂😂
現実の体を捨ててリアル(?)バーチャルYouTuberとして生きていける!?
#バーチャルYouTuber #VRChat pic.twitter.com/wloei94dxL— 坪倉輝明@メディアアーティスト (@kohack_v) 2018年1月22日
投稿された動画を見てみると、『VRChat』の空間に人間の男性が出現。手には何やら剣や炎のようなエフェクトが……。
こちらの投稿を行ったのは、メディアアーティストの坪倉輝明氏(@kohack_v)。坪倉氏は、ハチ公を自由に設置できる「Myハチ公」や、VR技術を活用した展示『不可視彫像/Invisible Sculpture』など、バーチャル空間と現実空間をつなげるような作品を制作する活動を行っています。
投稿された動画の内容は、どういった技術で実現しているのか。坪倉氏に話を訊いてみました。
3Dモデルは以前この動画で作った3DモデルをVRChat用にリトポ&調整して使ってます。#VRChat Wikiを参考にさせて頂きました。
撮影協力:SUPER SCAN STUDIOhttps://t.co/2qCxbLsUdP pic.twitter.com/HnZ5Vzu5Qw— 坪倉輝明@メディアアーティスト (@kohack_v) 2018年1月22日
3Dモデルについては、東京・品川にある3Dスキャンスタジオ「SUPER SCAN STUDIO」にて自身の3Dモデルを制作。その3Dモデルに3DCG制作ツール『Blender』で全身にボーンを埋め込んでいます。
参考:
坪倉氏が3Dモデルを用いてニコニコ動画に投稿した動画「【Unity】自分を3Dスキャンして遊んでみた。」。
また、同氏は過去にVRMMORPG『ソードアート・オンライン』を題材としたプロジェクト『ソードアート・オンライン ザ・ビギニング』のVR開発者として、3Dスキャンモデルのアバター化の仕事に携わっていた経歴があります。
今回の『VRChat』での試みは、ゲーム制作エンジン「Unity」と『VRChat』向けの開発キットを利用して、自分の3Dモデルをアバター化してアカウントにアップロードしました。
坪倉氏によると、アバター化にあたって「せっかく自分をバーチャル空間に持ち込むのですから主人公補正をかけたい」ということで、右手に剣、左手に魔法の能力を追加して能力者っぽい感じに仕上げています。
また今後については、「現在はエフェクトだけなので、ちゃんと魔法打てるようにアニメーションを調整していきたい」とコメントしていました。
今回の試みのように、自分の3Dアバターを用いることで、異世界転生の主人公のような体験が可能になる未来が近いかもしれません。
同じく自分の身体を3DスキャンしたVR/AR/MR開発者の @morio36 氏とVRChat内で“オフ会”という謎の展開も
— morio (@morio36) 2018年1月23日