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AR/MR 2019.03.03

車が氷に飲み込まれる、凍った湖の危険性をVRで再現

アメリカの天気予報番組ウェザーチャンネルは、MR(複合現実)技術を活用し、没入型ストーリーテリングという新しい報道のあり方に取り組んでいます。今までにも雨や洪水被害の恐れのある「ハリケーン・フローレンス」や、一瞬にして燃え広がる山火事「トーマス」、建物や道路が凍り付くアイスストーム「ストーム・ハーパー」などで自然災害のリアルを視聴者へ届け、注意喚起を促しています。

凍った湖の危険性を再現

今回ウェザーチャンネルが新たに配信した映像は、凍った湖上での危険性を伝える内容となっています。ミネソタやミシガン、ニューヨークでは、真冬の気温はかなり低くなり、週末は人気のスポットまで車でアイスフィッシングに出かける人も少なくないとのこと。しかし、ウェザーチャンネルは、現在は温暖化によって氷が溶け、アイスフィッシングに十分でない厚さの氷も多くあることを伝えています。

ウェザーチャンネルの配信映像は、氷の下の湖を映し出すところからスタートし、車やバイクが次々と水の中へ落下する瞬間を映し出し、その後、氷上に立つリポーターMark Elliot氏が登場します。Elliot氏の説明では、アイスフィッシングをするには氷の厚さは最低でも4インチ(約10cm)必要とされています。また、スノーモービルが氷上を走ることができる氷厚は5インチ(約13cm)です。説明とともにアイスフィッシングやスノーモービルのMR映像が流れ、リポーターがまるでその場にいるかのように配信されています。

また報道では、一定以上の氷の厚さになると、凍った湖の上に駐車することも可能になるとのことで、駐車する際の注意点をMR映像とともに伝えています。氷上に乗り出してくる車がどのように湖の下に影響を与えているかを表現しており、徐々に氷が割れ、駐車した車が湖へ飲み込まれていく映像が流れます。

Elliot氏は、アイスフィッシングをする際、十分な情報を持ち合わせていない湖には、決して入らないように注意喚起をしています。また、氷の厚さは地点によって変わるため、運転手は常に注意を払う必要があることを伝えおり、不必要な氷上での運転は避けることも呼びかけています。

新たな報道手段に取り組む

ウェザーチャンネルは、今後の報道番組の新しい形を作るため、2020年初旬までに、番組内容の80%をMR技術を用いて制作することを視野に入れていることを明かしました。MRという没入型テクノロジーを用いて、今までの天気予報番組では伝えることのできなかった自然災害の危険性を表現し、視聴者が適切な行動が取れるように目で見て感じることができる映像を制作しています。

(参考)The Washington Post


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