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話題 2018.08.04

VRを5ヶ月毎日続けて視力が回復  詳しく話を聴いてみた

2018年8月3日、Twitterでとある投稿が話題となりました。それは、「VRゴーグルを毎日のようにつけていたら視力が0.3から1.0に回復した」というもの。

VRヘッドセットの視力への影響は、Oculus Riftの登場以来、注目を集めるようになりました。至近距離にあるディスプレイを見続けなければいけないことや、左右で視差のある映像を見て立体視を行うことから視力にとっての影響が懸念されることもあります。一方で、アメリカのVivid Vision社は、VRゲームを使って成人の弱視を回復する治療方法を提唱し、論文を発表して実験結果を報告しています。

Mogura VR編集部では、今回話題となった投稿を行った当事者であるTwitterユーザー・お休みさん氏に詳細を伺いました。

「VRChat」を1日5時間5ヶ月やり続けたところ裸眼の見え方に変化

お休みさん氏は、PC向けのVRヘッドセットOculus Riftを使ってソーシャルVRアプリ「VRChat」をプレイしています。「VRChat」はユーザーが制作したワールドでアバターで集まって会話などを楽しめるアプリです。

プレイ時間を尋ねたところ、「140日ほどで約700時間あったので1日あたり5時間」とのこと。毎日ということで1、2時間かと思いきやかなり多くの時間をVRChatに費やしていました。

お休みさん氏の前回の視力検査は、VRをプレイする前の2017年4月頃で左は0.3、右は0.5という結果でした。「ここふた月ほど何となく裸眼での周囲の見辛さが緩和している気はしていましたが、あまり強く意識はしていませんでした。今朝(8月3日朝)運転前に何となく眼鏡を外してみたところ遜色なくくっきりと見えていた事で、変化を改めて実感した」とのこと。見え方が明らかに違うことから視力回復を認識し、先のツイートが投稿されました。

視力の変遷やプレイスタイルなど

お休みさん氏の視力のこれまでの推移を聴いてみたところ。「視力は元々小さい頃は1.5以上あったのですが、十代半ば頃から悪化して10年以上0.3~0.5辺りををうろついていた」とのこと。しばらくは視力が悪い状態が続いていたようです。

長時間のVR体験は目を疲れやすくする可能性もありましたが、お休みさん氏は「目の疲れは殆ど感じない」とのこと。Oculus Riftは両目の距離に合わせてヘッドセットのレンズの距離を変更できるIPD(瞳孔間距離)調整機構が搭載されています。お休みさん氏は、自身に合わせて「目一杯広げて」設定、明るさを暗めに設定していたとのことでした。VRプレイ時には眼鏡は着用せず裸眼でプレイしていました。

VRヘッドセットを利用して視力を回復したという声が国内で挙がったのは、筆者が知る限り初めてです。まだ一例ということで、個人差もあることが考えられるほか、長時間のVR体験が視力回復に効果があると考えるのは早すぎる結論とも言えます。

お休みさん氏の当該ツイートはすでに7,600以上のリツイート、13,000以上のいいねとなっていますが、本人もツイートに被せる形で注釈を加えています。

お休みさん氏がVRChatを1日5時間もプレイしていたのは、決して視力回復のためではありません。「共通の楽しみやその成果を共有できる場であったり、現実では決して出会うことの無かったであろう、多様な話ができる友達がそこにいるから」とコメントしており、その結果として、もしかしたら視力回復という効果があったのかもしれないという話として語っています。

VRヘッドセットはこれまで一般的でなかった新しいウェアラブルデバイスです。身体への影響は明らかになっていない点が多くあります。かたや、網膜投影デバイスなど視力を気にすることないデバイスも登場してくることでしょう。

Mogura VRでは、VR/ARヘッドセットへの視力への影響について引き続き情報を収集していきます。「自分も視力に変化を感じた(良くなった、悪くなった)」という方の体験談もお待ちしています。


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