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AR/MR 2018.08.30

映画制作現場がARで変わる タブレット1つで動きや照明を確認

ドイツの映画学校が、ARを使った映画制作ツールの開発を進めています。「Virtual Production Editing Tools(VPET)」と名付けられたこのツールは、タブレット等のモバイル機器だけで利用が可能。映画制作の現場を変えようとしています。

トレーニング不要で手軽に使えるツール

VPETはタブレットでの使用をベースとしたアプリです。アップルのARプラットフォーム、ARKitを用いて開発されています。

このアプリを使うと、ユーザーは特別なトレーニングなく、モバイル機器やヘッドマウントディスプレイを使って簡単に利用することが出来ます。バーチャル空間のアセットを編集したり、映像の動きと同期させたり、といったことが可能です。

またネットワークのインターフェースも備えているため、他のアプリにアクセスしたりユーザー同士でコミュニケーションを取ることも可能。リアルタイムでオブジェクトや照明効果、アニメーションなどの編集を行えます。

セットの全体像を確認可能

VPETではただ3Dモデルだけの編集を行うのではなく、現実のスタジオにあるセットと組み合わせられるのが特徴です。VPETで実際のセットとデジタル映像をすり合わせ、完成後の様子を確認。これにより、クリエイターはまずセットの全体像をよく理解することが出来ます。その後、このバーチャルシーンの中でカメラワークや編集について計画を立てられるため、効率も上がるというわけです。

また制作スタッフは、タブレット等をかざすだけでバーチャルなセットの中を好きなように歩くこともできます。AR技術のおかげで、通常のカメラでは捉えられなかったアングルからでもセットを確認可能です。

モバイル機器1つで実現するこの身軽なソリューションは、映画産業に新しい選択肢を提示することになりそうです。

VPETは現在GitHubにてオープンソースで公開され、開発が続けられています。

様々なARの活用事例については、こちらの記事で紹介しています。

(参考)VRFocus
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