HTCは、新型PC向けVRヘッドセット「VIVE Cosmos」を対象としたソフトウェア・アップデートの配信を告知しました。今回のアップデート(ベータ版)では、主にVIVE Cosmosの低光量条件下でのトラッキングが改善されます。アップデートは、2019年10月中に配信予定です。
発売当初からの問題が解決か?
2019年10月22日現在、「VIVE Cosmos」は、低光量(とヘッドセットが認識した)環境でのトラッキングに問題を抱えています。同ヘッドセットを暗い場所で使うと「トラッキングを正確に行うには、現在の環境は暗すぎます」というエラーメッセージが表示され、VR体験に支障が出ます。
(光量が低いとVIVE Cosmosが認識した際に表示される警告)
米メディアRoad to VRの記者によれば、「センサーの許容範囲の狭さは深刻で、夜間に室内の各種照明をすべてオンにしてもトラッキングは機能しなかった」との意見もあります。HTC側もこの問題を認識しており、先日「VIVE Cosmos」のトラッキングが、より幅広い環境(暗い場所)でも機能する修整パッチをリリースしました。しかしRoad to VRは、「この更新でも、改善は十分ではなかった」と説明しています。
今回のさらなるアップデートでトラッキングの問題が改善するかどうか、慎重に見守る必要がありそうです。
コントローラーのトラッキングも改善
また、今回発表されたアップデートでは、「VIVE Cosmos」本体のトラッキングと同時に、同VRヘッドセットのハンドコントローラーのトラッキングも改善され、より幅広い環境(低光量、高光量)でのトラッキングが可能になります。また「VIVE Cosmos」本体の視野からハンドコントローラーが外れた際の予測モデルの改良され、コントローラーが範囲内に復帰した際のリカバリー速度が向上します。
このほかに、「VIVE Cosmos」本体にハンドコントローラーを近づけた際のトラッキングが改善されます。Road to VRによれば、トラッキングの際に生じる“ジッター(Jitter)”も減少するとのことです。
(参考)Road to VR
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