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ゲーム・アプリ 2018.11.29

国宝級名画に命を吹き込む VIVE Artsの「清明上河図VR」

(※本記事はHTC社公式ブログに2018年10月16日に掲載された、VIVEチームの記事を翻訳したものです)

台湾で人類の歴史遺産の保存に取り組む名高い博物館、国立故宮博物院は、HTC VIVEとのパートナーシップの新たな成果として、世界的名画がバーチャルリアリティの中で生き生きと動きだす「清明上河図VR」を発表します。10月15日から開始されている「再現傳奇 – VR藝術展 (A Journey Inside Paintings and Calligraphy – VR Art)」で展示され、革新的性能を持つVIVE Proヘッドセットにより、名画をまったく新しい形で鑑賞しインタラクティブに楽しむ、これまでにない体験を提供します。

HTC VIVEは以前からVIVE Artsプログラムを通じて新しい芸術体験の創出に取り組んできました。今回の「清明上河図VR」は、その取り組みをまた一歩大きく前進させるものとなります。VIVE Artsタイトルは現在、イギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アートテート・モダン、フランスの国立自然史博物館、アメリカのニュージアム、ロシアのエルミタージュ美術館、そして台湾の国立故宮博物院と、世界各地の権威ある美術館や博物館に展開しています。その系譜に連なる「清明上河図VR」もまた、豊かな歴史遺産と最先端の没入型インタラクションを融合させたコンテンツとなっています。

国立故宮博物院とHTC VIVEは2015年にパートナーシップを締結し、唐時代の書家、懐素の作品「自叙帖」の草書をテーマにした「自敘心境(The Spirit of Autobiography)」や、元時代の画家、趙孟頫の絵画 「鵲華秋色」に基づく「神遊幻境(Roaming through Fantasy Land)」などのVRアート作品を共同開発してきました。最新のVRテクノロジーで展覧会に新境地を切り拓き、地方や遠隔地でも芸術鑑賞を楽しみやすくすることが狙いです。

「再現傳奇 – VR藝術展」は2018年10月15日から12月15日まで、現在開催中の「国宝を再び─書画の精華 特別展」と共に、北部院区 第一展覧エリア210で展示されます。

HTC VIVEのAVPで清明上河図VRプロジェクトのプロデューサーを務めたLillian Leeは「『清明上河図』と題された作品はいくつかありますが、今回ベースにしたのは清朝の宮廷画家が描いた、とりわけ精緻で美しいバージョンです」とコメント。「VR化にあたっては、教育とエンターテイメント、両方の面を備えたコンテンツを目指しました。VIVEを通じて、人々が楽しみながらこの絵の歴史についても学べるようにできています。今後はロケーションビジネスとの協働をさらに進め、世界中の美術館や画廊や展覧会でこういった体験ができるようにしていきたいと思います

複数の体験をもとに、名画を活き活きと

「清明上河図VR」は8K解像度での作品鑑賞とインタラクティブセッションを組み合わせた体験内容になっています。

VRで名画を隅々まで鑑賞

清明上河図を高解像度で表示し、自分のペースでスクロールしながらじっくり鑑賞できます。ズームアウトして各場面全体を見渡し、ズームインして至近距離から細部を観察するのも思いのまま。作品のあちこちにある「絶景ポイント」では、清の皇帝、乾隆帝が自らその場所やそこにまつわる逸話を聞かせてくれます。

絵画が命を得て動きだす

VR内では絵の中に描かれていた人々が動きだし、古代王朝の世界で人捜しをしたり、ミニゲームで遊んだりして楽しめます。

虹橋のにぎわいを体験

有名な「虹橋」の場面では、混み合う市場や行き交う荷船の喧噪までも再現されます。人々と戯れたり買い物をしたり、立ち往生した舟を助けたりしながら、当時の河川交通について知識を深められます。  

野外劇場: 鳳儀亭

『三国志演義』に題材をとった伝統的な中国歌劇は、市場でも人気の娯楽。舞台がよく見える場所を取ろうと大勢の人がひしめき合っています。ここでは、舞台に上がる俳優たちの着替えを手伝うことができます。

金蘭居

都の門前の一等地にある食堂「金蘭居」から見る川の眺望は格別です。ここでは店の手伝いをしながら、代表的な中国料理の起源を知ることができます。

この特別展は以下の展示で構成されています。

  1. 清明上河図VR: 虹橋
  2. 清明上河図VR: 野外劇場 (鳳儀亭)
  3. 清明上河図VR: 金蘭居
  4. 「自敘心境」および「神遊幻境」

国立故宮博物院について

国立故宮博物院コレクションは驚くべき歴史的遺物の宝庫です。中国文明の貴重な史料であり、人類全体の歴史からみてもかけがえのない価値を持つものです。国立故宮博物院は伝統文化を保存し、次の世代に伝え、未来の礎とするという大きな使命を担っています。


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