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Oculus Rift 2015.06.04

Oculus Riftを装着しながら運転し「バーチャルドリフト」に挑戦。その裏側にあった困難

エンジンオイルの製造会社「Castrol」の広告で、プロのドリフトリーグ「FormulaD」のレーサーがOculusRiftを装着した状態でVR内の大波や崖をドリフトをしながらよけるという、「バーチャルドリフト」に挑戦しました。

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FormuraDのレーサーMatt Powers氏は、OculusRiftの取り付けられたとてつもなく重いヘルメットを装着しました。また、車にも大量のセンサーが搭載されています。既存の位置センサーでは車の速度にトラッキングが追い付かないため、車が得たすべての情報から現在位置をサーバーにて予測するために絶えず交信しました。このサーバーは本来レースゲーム用に開発されていますが、今回のために高度な物理学を駆使したものに調整されています。これにより、車はマウスやキーボードの代わりとなる巨大なコントローラーの役目を果たす事となりました。

このプロジェクトは多くの困難を乗り越えて実現しました。
VRの中で車の運転をするためのセンサーは、ステアリング、スロットルからブレーキまで、全ての情報がマッピングされるようにしてあります。しかし、大量のセンサーを搭載する事によりシステムが混同し、VRと現実のコースが一致しないという状態に陥りました。また、Oculusの位置をほんの2、3インチ動かしただけで内部のセンサーと外部の追跡用カメラとのズレが生じ、エラーが起こるという事すらあります。この挑戦には多くの困難がありましたが、2か月の間レーサーと技術者がやりとりを重ね、再調整を何度も繰り返す事により、車の位置を正確に予測できるようになったとのこと。

今やVRを使ったテーマパーク構想である「VOID」の話なども出てきており、現実とVRの融合の例がこれからも増えていくと考えられます。

(参考)
Watch a pro racer do real-world drifting wearing an Oculus Rift – THE-VERGE (英語)
http://www.theverge.com/2015/5/26/8645899/castrol-virtual-drift-oculus-gear-vr-racing


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