4月18日(月)NFTメタバース「The Sandbox」と「FlickPlay」が提携を発表したと、米メディアのロイターが報じています。提携は、両プラットフォーム間で、共通のブロックチェーンアセットを相互利用可能にすることを目的としています。
今回の提携に伴い、「FlickPlay」で展開されるNFT「Flicky」の一部が、「The Sandbox」でアバターとして利用可能になります。まず「The Sandbox」版の「Flicky」が同NFTのオーナーに付与され、その後、両メタバースで利用できるバージョンが登場するとのこと。
「The Sandbox」は、ブロックチェーン技術が活用されたゲームプラットフォーム。プレイヤーは「LAND」と呼ばれるバーチャルな土地に、アイテム、キャラクター、ゲームやサービスなどを作成・公開し、それらをNFTとして売買できる点が特徴です。ゲーム内通貨は仮想通貨で取引可能です(※現状、日本円での直接的な金銭取引は不可)。
「FlickPlay」は、インタラクティブ・マップか、実際の周囲の風景から、アイテムを収集できるシステムが特徴。スマートフォンのカメラを使って、アイテムを現実世界と重ね、オブジェクトにインタラクトすると、ビデオやその他のコンテンツを作成することが可能です。
【ニュースの背景説明】
今回の「The Sandbox」と「FlickPlay」の提携で注目すべき点は、両プラットフォーム間でブロックチェーンアセットを相互運用できる点です。現状、多くのメタバースは(ブロックチェーンを機能として組み込んでいたものであっても)お互いのオブジェクトをやりとりするといった機能を有していませんでした。
しかし、Meta社のマーク・ザッカーバーグ氏などを含めて、プラットフォーム間での「相互運用性」に関心を寄せる企業や関係者は少なくありません。
日本の場合、(NFTやブロックチェーンの技術導入の文脈とは異なるかたちで)VRM形式のアバターをさまざまなプラットフォームで広く活用できるように普及しており「相互運用性」の実現例のひとつと言えます。
さらに「相互運用性」を実現するための技術としてブロックチェーンやNFTを活用しようと試みる動きもはじまっており、今回のニュースはそのような事象の一端と言えます。今後、各企業の展開するメタバースが「相互運用性」を獲得する方向へと向かうことになるのか、注視したいところです。
(参考)Reuters