Kudan株式会社は、ToFセンサー(※)の深度情報とカメラの画像情報を組み合わせたスマートフォン上での「RGB-D SLAMソリューション」の開発、提供を発表しました。今後、モバイルAR/VRアプリやロボティクス分野での活用が見込まれています。
(※ToF……Time of Flightの略。深度センサーの一種であり、次世代スマートフォンへ等の搭載が期待されている)
RGB-D SLAMソリューションは、Kudan、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社とそのグループ会社であるSony Depthsensing Solutions SA/NV(SDS)の3社による共同開発。ToFセンサーは、ソニーセミコンダクタソリューションズ社製のものです。
SLAM×ToFセンサー「RGB-D SLAMソリューション」
主に位置トラッキングに用いられる「SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)」は、 カメラの画像情報をもとに処理を行います。しかし、モーションステレオ法による初期化やスケールの不定性など、視覚的な特徴のみに依存することによって発生する精度の問題が課題とされています。
今回開発されたRGB-D SLAMソリューションは、SLAMとToFセンサーを組み合わせることで上記の問題を解決し、初期設定を簡単にするとともに安定した動作と高い精度を実現。これにより、今後スマートフォンへの標準搭載が期待されるToFセンサーを用いた様々なモバイルARアプリへのより幅広い活用が可能になります。
加えて、ToFセンサーが生成する密度の高い深さ情報を有効活用することで、高精度なオクルージョン効果や、高機能なARクラウド(※)の実現も可能とのことです。
(※ARクラウド……現実世界のデジタルなコピーと、それに紐づいたデータをクラウド上で保持・提供する技術。「誰かが見ている、場所・空間に紐づいたバーチャルな情報を、他の人も見れる」という状態を作るのに必要。詳細な説明はこちらの記事にて)
小型デバイスへ提供可能、AR/VRアプリで新たな体験を提供も
Kudanは「今回のToFセンサーへの対応により、スマートフォンやAGV、ドローンなど、より小型で台数の多い様々なデバイスに対して技術の一括提供が可能になる見込みです」とコメントしています。
また本ソリューションにより、モバイルでのAR/VRアプリケーションにおいて新たな体験を提供、ロボティクス分野においてナビゲーションの高精度化や自動化、ロボット相互の協調動作などのソリューションをより安価で広範に提供できるとしています。