「NeosVR」開発チーム手掛ける新ソーシャルVR「Resonite」発表

9月23日、ソーシャルVRプラットフォーム「Resonite」が発表されました。10月にリリースを予定しており、先駆けて公式サイト、公式Discordサーバー、そしてSteamページが公開されています。

独自プログラミング言語も！？ 極めて多機能なソーシャルVR

「Resonite」は、バーチャル空間上で人々とコミュニケーションし、アバターやワールド、アート作品やゲーム、ガジェットなど、様々なものを制作できる、ソーシャルVRプラットフォームです。PC単体での動作と、VRモードでの動作に両対応しています。

最たる特徴は、極めて多機能な点です。Steamページにて取り上げられている「Resonite」の特色には、以下のようなものが挙げられています。

• 低遅延音声
• アバターのインポートとカスタマイズ
• フルボディトラッキング（全身の動きの追跡）、アイトラッキング（視線追跡）、フェイシャルトラッキング（顔面の動きの追跡）対応
• ハプティクス（振動）サポート
• カスタマイズ可能なUI
• 複数の仮想世界上に同時存在、任意切り替え
• 簡単に様々なメディアデータの共有が可能
• インベントリシステム。様々なアイテムやガジェットなどを、ユーザーごとに保持・取り出しができる。
• アバターのスケーリングや、自由な移動方法の存在
• 仮想世界などのあらゆるものを編集できる
• シンプルなブラシツールやプロシージャルメッシュなど、ゲーム開発にも使えるような開発ツールの存在
• 様々な形式の3Dモデルのインポート機能
• 制作コンテンツの外部エクスポート

さらには、「ProtoFlux」というビジュアルプログラミング言語もあり、ワールド、アイテム、アバターなどへスクリプトとして組み込むことができます。さらに、WebSocket（双方向通信規格）にまで対応しており、「Resonite」の外部ともやりとりができる機能を開発することすらできる、とのことです。

手掛けるのは「NeosVR」の開発チーム 経営陣との対立を経て始動

ソーシャルVRとしては異様なほどの多機能ぶりを誇る「Resonite」ですが、これには大きな理由があります。「Resonite」の開発を手掛けるのは、ソーシャルVR「NeosVR」の開発チームであるためです。

「NeosVR」は、チェコのSolirax社が開発したソーシャルVRプラットフォームです。2018年5月4日にSteamにてβ版がリリースされ、桁外れの自由度の高さから、日本国内にも熱狂的なコミュニティが存在し、2023年7月開催の「バーチャルマーケット2023リアルinアキバ」でも、アトラクションのひとつを実現するために活躍しました。

ソーシャルVR「NeosVR」ってどんなところ？ 基本情報やできることを紹介

ソーシャルVRサービスはいくつか存在しますが、その中でも「NeosVR」は「なんでもできる」という自由度の高いソーシャルVRとして知られています。SNSでは「NeosVRでは、こんなことができますよ」と、ユニークな内...

メタバース 2022.02.17

秋葉原が”バーチャルの入口”になった日。「バーチャルマーケット2023リアルinアキバ」レポート

7月末の土日。秋葉原の街の一角に、”バーチャル”が姿をあらわしました。イベントの名前は「バーチャルマーケット2023リアルinアキバ」（以下、「VketReal」）。「バーチャルマーケット2023 Summer」と連動開 [&he...

イベント情報 2023.08.03

Well….. NEOS is dead. Devs leaving… big announcement tomorrow about the successor.
byu/No_Unused_Names_Left inNeosVR

しかし、「NeosVR」では長らく、経営陣と開発陣との間で対立が続いていました。「NeosVR」の開発は凍結され、双方の間で交渉が続いていましたが、「Neos Foundation」という取り組みをめぐって交渉は決裂。主要な開発チームメンバーが「NeosVR」から離れたことが、日本時間9月22日に「NeosVR」公式Discordにて報告されていました。

Introducing Resonite! We’re excited to tell you more about our brand new project tomorrow! pic.twitter.com/8PqzozKQDU

— Resonite (@ResoniteApp) September 22, 2023

そして同日に「Resonite」が発表。翌日にその概要が明かされ、関連WebページやDiscordサーバーが公開された、という流れをたどっています。

主要機能に共通点が多いことから、「Resonite」は「NeosVR」開発チームによる、凍結していた「NeosVR」のリブートのようにも捉えられます。フタを開けてみるまで、その実態がどのようなものになるかは判断できませんが、筆者の観測範囲では既存の「NeosVR」ユーザーの多くは、「Resonite」の誕生を好意的に受け止める傾向が見られます。

なお、「NeosVR」については、今回の一件を受けてサービスが終了するというような発表はされていません。開発・運営は継続される可能性がありますが、今後の発表などを待ちたいところです。

「Resonite」のSteamページの末尾には「We are a team of passionate developers, who are developing more than just a piece of software, but something that we call a second home. （私たちは情熱的な開発者のチームで、単なるソフトウェアではなく、第二の我が家と呼べるようなものを開発しています。）」と、開発チームの意気込みが記されています。「NeosVR」から離れた開発者たちが、どのような「第二の我が家」を作り出してくれるか、今後の動向に要注目です。

「Resonite」関連リンク

「Resonite」要求スペック

※Steamページより引用