米国のVR企業Rendeverが、米国立衛生研究所(NIH)から約450万ドルの助成金を獲得しました。同社は高齢者の社会的孤立を軽減し、心の健康を支援するVR体験の提供に取り組んでいます。今回の助成金は、高齢者向けのVR体験を促進し、在宅介護分野への技術展開を目指すものです。
Rendeverは、マルチプレイ対応のVRペイントアプリ「MultiBrush」の開発元としても知られています。「MultiBrush」の他にもVR空間での旅行体験や、家族と再会する体験といったサービスを展開。同社のプラットフォームは高齢者施設や病院で導入されており、うつ病や孤独感の軽減に一定の成果を上げています。過去には「Inc. 5000」に4回選出され、「TIME Best Invention」を2度受賞しています。
今回の助成金のうち、約380万ドルは「Thrive At Home Program」に充てられます。これは在宅介護環境での社会的交流を支援する取り組みです。さらに、介護者同士がVRでつながるネットワーク構築にも資金が投入され、高齢者と介護者双方の支援体制が強化されます。
Rendeverは、カリフォルニア大学サンタバーバラ校、RAND、在宅介護サービス企業Right at Homeと提携して、高齢者の精神的健康や全体的な幸福感の向上を目指した研究しています。今後、これらの機関と共同で、VRが人間関係の構築や社会的孤立の軽減にどの程度効果を発揮するかを検証するとのことです。
これまでの研究では、VRを活用することで遠隔地の家族関係を保ち、強化できることが示されています。4週間の社会的介入の結果、家族のストレスや抑うつ症状が軽減した事例も報告されています。また、認知症やアルツハイマー病を持つ家族に対しても、ソーシャルVRによる交流が前向きな影響を与える可能性が確認されています。
RendeverのCEOであるカイル・ランド氏は「VRが距離を超えて、国境を越えても家族関係を効果的に構築し、強化する力を持つことが示されました。高齢化の未来は、年齢を重ねるにつれて人間体験の核となるこれらの部分を効果的に再構築するテクノロジーにかかっています」と述べています。
同社は今後、米国の一部地域で在宅向けVRのベータ提供を開始する予定です。さらに、高齢者向け市場の専門家サラ・トーマス氏を役員に迎え、高齢者向けの事業展開を強化します。
参考
Rendever
Road to VR
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