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ゲーム・アプリ 2017.08.01

憧れのヒーローになれる?マーベルのVRゲーム体験レビュー


Oculus社は『VR Sports Challenge』や『Ripcoil』といったVRゲームを開発したSanzaru Games社と共にMARVELコミックスを題材としたVRゲーム『Marvel Powers United VR』を開発しています。本ソフトでは、4人の協力プレイでさまざまなキャラクターを選び、各キャラクター特有の武器を使うことができます。今回、ハンズオンの様子が米メディアRoad To VRに公開されたので紹介します。

マーベルのキャラクターが勢ぞろいする『Marvel Powers United』のデモ版を体験

『Marvel Powers United』はマーベルの世界観を完全に再現しようとしているVRゲームです。原作と同じ声優や、キャラクターモデルも公式から認められたモデルを使うなどファンのために忠実な表現を目指しています。

先週、サンフランシスコで行われたOculus社のイベントで、デモを体験しました。デモは最初にハルクやキャプテン・マーベル、ロケット・ラクーン、デッドプールの中から1人を選んでゲームを始めます。正式版では12のキャラクターが登場する予定ですが、ほかのキャラクターについては未発表です。各キャラクターは各々特有の能力を持っていて、選んだキャラクターとチームの組み合わせにより、さまざまなスタイルでゲームを進めることができます。

記者はキャプテン・マーベルを体験。コントローラーを動かすとレーザーポインターのようなカーソルで狙いをつけて、トリガーを引くと自分の手からエネルギー弾を撃つことができます。トリガーを引き続けるとより強力なエネルギー弾が打てます。コントローラーのグリップボタンを押し続けると、チャージしていることを表すゲージが現れ、両手にエナジーシールドが現れます。ゲージが満タンになると、シールドから勢いよくエネルギービームを発射できるようになります。他にも、超人的な力のおかげで、周囲のアイテムを掴んで敵に投げつけることができます。コントローラーのAボタンを押すと、地面から約6mへ飛ぶことができ、そのまま動き回ることもできます。これにより敵よりも高い位置に行け、高い場所にも簡単に移動できます。

キャプテン・マーベルは遠距離からの攻撃を得意とするキャラクターです。ハルクやデッドプールは近接攻撃が得意なキャラですので、キャラごとに得意とするレンジが大きく異なります。

今回体験したデモはまだ没入感を得られず自分がスーパーヒーローには感じられない

2018年発売という日程ということもあり、デモの内容自体は単純な廊下を走っていき、敵が出てきて自分の能力を使って戦うという簡単なデモでした。10分間のデモの終わりに、ボスであるロナンと遭遇し、ボスの体力ゲージが0になるまで戦って終わりました。


今回体験した攻撃方法は3種類のパワーの異なる遠距離ショットで、敵へ狙いを付けて打つだけでした。従って、単純にトリガをー引くだけで敵の弱点を狙ったり、敵からの火やその他の武器で攻撃されることもなく、自分がスーパーヒーローのように振る舞っていると感じるにはまだまだの出来栄えでした。また、武器をエナジーガンに交換できた、とのこと。体験した記者としては、基本的な攻撃方法よりも、木箱などを掴んで相手に狙いを付けて投げる攻撃の方が楽しく感じたということです。

製品版ではよりヒーローらしさを出せるか?没入感を増すような仕掛けが必要


デモの際に、開発スタジオのスタッフと話したところ、『Marvel Powers United』では、プレイヤーが「自分はスーパーヒーローだ」と感じられることを重要視していました。しかし、キャラクターへ特別な思い入れがない人にとってはゲームのプレイ内容が重要になります。

今回のゲームでは、自分がヒーローだと感じられるように、世界観に没入できることが売りとなるはずです。プレイヤーは、スーパーヒーローがいる世界を感じ、その世界で単純なシューティングや格闘ゲームとは異なるもっと凄い方法で自分の力を使ってみたいと思うでしょう。自分が放ったエネルギービームがドアを溶かしたり、壁を吹き飛ばして新しい道を作る、拳で壁を壊し中身の鉄骨を武器として使う、車のドアを引き裂いて盾として使ったりしてみたいです。また、それらをフリスビーのように投げてケーブルを切って敵に落としたりもしたいと思うものです。

現在発売されているソフトで近いものはOculus Rift向けの『Robo Recall』の主人公です。敵を掴んで手足をもぎ取ってから、手足をバットのように使って攻撃したり、敵の弾丸を掴み、投げ返して敵を倒すことができます。敵を空中に投げて爆発させることができます。さまざまな敵のユニークな武器を自分の物として再利用することもできます。

スーパーヒーローとして私は何ができるのでしょうか、ヒーローでなかったら何ができないのでしょうか。その答えは『Marvel Powers United』が提供するべき体験になるはずです。

快適性を保ちつつ新たな移動方法の提案


このレポートを読んでいる方の中には、まだゲーム中でプレイヤーが動き回っていないことに気づく人もいるかと思います。『Marvel Powers United』はOculusが注目しているコントローラースティックベースの移動方法を採用した初めてのソフトになります。この移動方法は開発元のSanzaru Gamesも以前検討していましたが、快適性が損なわれるとして採用していませんでした。開発者の話によるとOculusはSanzaruに対して、VR内での快適性と歩行移動を両立するような手法について特に気にしており質問していたとのことです。他の多くのタイトルで見られるテレポーテーション方式は快適に移動できますが、没入感は減ってしまいます。両社はこの移動方法とは異なるより没入感を得られる移動方法を採用しようと努力しています。

実際、デモの際はTouchコントローラーの親指のジョイスティックを使って移動しました。これは、昔からある一人称視点のシューティングゲームと非常によく似ています。移動するときの動きは比較的遅く、ゲーム中では快適に動くことができました(体験した記者は酔いやすいタイプでしたが、今回は問題なく動けたとのこと。)

Oculusタイトル初:一人称視点で自分の身体全身が描かれる

Marvel Powers Unitedはまた、一人称の視点で腕や足といった全身が見られる最初のOculusタイトルとなります。現在のVRゲームの大部分は快適性の問題から、手のみが浮いて表示されて胴体や他のからの部分は表示していません。今回全身が見られるのはもちろん、プレイヤーに自分が本当のスーパーヒーローであることを感じさせるためです。

キャプテンマーベルの場合、手に着けている赤い手袋、青い服で覆われた腕、胸や腰回り、足を見ることができました。下を見下ろして移動すると、現実ではその場にいるのに、VRで動いているため、実際の足の動きと合っていないのが簡単に解りますが、全身がモデル化されたボディはそこまで煩わしく感じませんでした。

ゲームはまた、キャラクターのスケールを活かしてプレイできます。あなたがハルクなら、あなたは巨大だと感じ、ロケット・ラクーンの場合はあなたは小さく感じるでしょう。他のプレイヤーがあなたと話すためには、あなたを見るために見下ろす必要があります。

まだ公開されていないキャラクターも多く今後の続報に注目

マーベルのスーパーヒーローはたくさんいて、本作でも12人?のキャラクターが登場予定です。残りのキャスト特有の能力によってどのようなゲーム体験を提供できるか、そして各プレイヤーのスケール感やユニークな移動の方法をいかに活用できるかに今後注目です。

Road to VRの記者のレポートは、期待作なだけにかなり辛口のプレイレポートとなりました。マーベルのスーパーヒーローといえば、アイアンマンやスパイダーマン、キャプテン・アメリカなど様々な人気キャラクターがいます。記者もレポートの最後に、「スパイダーマンとか、、、来るよね?」とコメントを残しているように、非常に高い期待が集まっています。今後の製品化と残りの8名のヒーローの発表が楽しみな一作です。

(参考)
First Look: ‘MARVEL Powers United VR’ Gameplay & Hands-on – (英語)
https://www.roadtovr.com/first-look-marvel-powers-united-vr-gameplay-hands/

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