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Oculus Rift 2016.08.30

【CEDEC2016】Oculusが語る「手でやろうとしたことが全てできるVR」が面白くなるコツ

8月24日から3日間に渡って開催されたCEDEC2016ではVRに関するさまざまな講演が行われました。

今回は、Oculus VR日本チームの近藤 義仁氏、井口健治氏の2人が登壇し、Oculusについて、そしてハンドコントローラーOculus Touchを軸にVRにおけるハンドインタラクションについて行われた講演のレポートです。

CEDEC2016 Oculus
Oculus Japann 近藤氏(左)、井口氏(右)

講演内容はまず、近藤氏の方からOculusの近況及びOculus Touchの基礎情報の発表、そして後半に井口氏からTouchのハンドインタラクションデザインについての知見発表がありました。

Oculusの最新アップデート

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Oculus Riftは2016年3月に製品版であるCV1が出荷開始、専用のストア等も公開されコンテンツも徐々に増えています。Gear VRに関しては、月間アクティブユーザー数が100万人を超えており、今後もさらに増えるだろう、と言及されました。

また2016年10月5日から7日にかけて、アメリカのサンノゼにてOculusの3回目の開発者会議「Oculus Connect 3」も開催予定。昨年に引き続き最新の発表や知見の共有が行われます。現地で声をかけてもらえれば、できる限りのサポートをします、と近藤氏。

開発者サイト

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Oculus Rift、Gear VRの開発に関しては、http://developer.oculus.comにて、誰でもフォーラム、開発者ブログ、SDK、APIなどにアクセスすることができます。開発者サイト内の「ダッシュボード」からは、Oculusストアで頒布するコンテンツの申請が可能です。申請者は自分のコンテンツのダウンロード数などもわかるとのこと。また、最近徐々に日本語への翻訳も進みつつあります。

日本語訳された資料はこちら(http://ocul.us/jplinks)よりアクセスができます。

Oculus Touch

次に、Oculusが2016年後半にリリース予定のハンドコントローラー「Oculus Touch」の基礎知識レクチャーに移りました。

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Touchコントローラーを使えば「自分の手そのものがVR空間にあるという感覚(=ハンドプレゼンス)」を実現できる、と近藤氏。

Touchコントローラーを購入すると、Riftに付属されている外部カメラセンサ1つ付いてくるため、Rift用のカメラと合わせて合計2台でトラッキングを行う仕組みになっています。
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スピーカーのように見えるこの部分は親指置き場。

Touchの6機能

Oculus Touchの機能のポイントは6つ紹介されました。
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6自由度のポジショントラッキングが可能。
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アナログスティック搭載のため、通常のテレビゲームのコントローラーのような操作も可能。スティックは押し込むことでボタンとしても使用ができます。
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親指用にはアナログスティックを含め、両手で合計6つのボタンを搭載。
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人差し指と中指それぞれに個別のトリガが付いています。主に中指側のトリガは「握る」動作などに使用されます。
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Oculus Touchでは、プレイヤーがボタンを押したかどうかだけでなく、ボタンに触れているかどうかといった情報も取得することができます。タッチ状態の検出は人差し指のトリガ・各ボタン・アナログスティック・親指置き場に存在し、これらを用いてさまざまなジェスチャーを表現できるようになります。
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振動による触覚フィードバックなども搭載。

Touch対応コンテンツの紹介

Oculus Touchは2016年中の発売を予定しており、さまざまなコンテンツが開発されています。
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国内開発者によるコンテンツ

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国内でもTouch対応コンテンツの開発が進んでいます。本講演では例としてオーパス社の『Pro fishing challenge VR』が紹介されました。これはバス釣りとソーシャル要素を合わせたゲーム。なお、オーパスは2004年に同名の非VRタイトルをXBox向けにリリースしています。

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Touchを使ったインタラクション

ここからは井口氏より、『Toy Box』と『Bullet Train』を手掛かりにして、特にOculus Touchを用いて、手を使ったインタラクションを設計するにあたっての知見が発表されました。

(ToyBox)

 
https://www.youtube.com/watch?v=Du3YvYATeTc

(Bullet Train)

VRの中で手はどう振る舞うべきか

話はまず、「プレイヤーは、VRの中で手を直感的に使えなければいけない」という前提から始まります。これは「ゲーム世界特有のお約束を意識せず、思った通りのことを思った通りに実現できる」ということです。VR世界と現実世界は、今のところまだまだ乖離が見られるため、VR内で現実をそっくりそのまま実装しても、リアルに感じるとは限りません。

VRと現実の乖離を埋めるために、「VRの手の制約を意識しながら、システム側でプレイヤーの意図を組む必要がある」と井口氏。現実では”ありえないインプット”に対しても違和感のない”ありえるアウトプット”が返ってくる必要があるのです。
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ここからは手の振る舞いに関して

手の表示
握る・掴む・投げる
道具を使う
ユーザーインターフェースの操作

の4点が、順に解説されました。

手の表示

整合性<トラッキング

VR内に手を表示させる時、まず何より大事なのは「ハンドプレゼンス(手の実在感)を生み、維持するために、リアルの手とVR内の手が1対1にぴったり追従しなければいけない」とのこと。現実で手が1cm動いたら、VR内で表示されている手も1cm動く、という具合です。このルールが守られている限りにおいては、ユーザーはVRの手を「自分の手である」と感じられるとのだとか。

このことから、「VR内の整合性を取るよりも優先して手のトラッキングを止めない」のが重要なのだそうです。これについて井口氏は「VRでは画質を犠牲にしてでもフレームレートを維持しろ、というノウハウと似たような関係」と言います。

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手の外見

ただし注意点として、表示する手のモデルによっては自分の手だと感じられなくなる場合がある、と井口氏。「下手にリアルすぎるモデルを使うと、いわゆる”不気味の谷”現象によって、逆に自分の本物の手との差異が目立ってしまう」と言います。実際に『Toybox』や『Bullet Train』では青白いグラフィックが採用されています。

また、手の実在感を増やそうとする「手先の姿勢から計算をして腕全体の姿勢を描画する」手法に関して。手先の角度だけで腕全体は一意に特定できるとは限らないため、必ずしもお勧めはしないそうです。実在感を増そうとする実装が逆に実在感を減らすことに繋がりかねないのだとか。
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手の表示の大きさ

では個人差のある手の大きさをどのようにVRでは表示したらいいのでしょうか。小さ過ぎる手は違和感があるが、多少大きい場合は”手袋”のようも感じられるので違和感がない、と井口氏。表示される手が多少大きい場合、ユーザーは「自分の手はこの手袋の中にあるんだ」と思い込むのだそうです。このため、多少大きいくらいの表示がおすすめとのこと。

VRの手の制約

現実の手とVRの手では自由さが異なるという問題があります。例えばVR内の障害物に手がぶつかっても、現実の手はそれに遮られることはありません。このような場合、前述の通り「トラッキングが最優先」のため、VR内だけで手を物体の表面で止めてしまうより、あえて貫通させる方がむしろ良い、のだそう。VR内の手が物にぶつかってトラッキングがずれると、途端に手の実在感は失われてしまいます。

ただし、貫通した後オブジェクトの中に埋まって手が見えなくなってしまうと実在感が損なわれるので、『Bullet Train』などでは貫通後も見える半透明の手を採用しています。

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手の表示位置

トラッキングの精度が良く、手のモデルもきちんとしていたとしても、手のモデルの表示が現実の手の位置とずれていると実在感は損なわれてしまいます。トラッキングオブジェクトの原点から手のモデルの表示位置がずれることがないように注意してください、とのこと。

Surgeon Simulatorの手

貫通と干渉を違和感なく表示している工夫の例として紹介されたのが『Surgeon Simulator』の例です。VRで衝突していない時は「通常の手」、衝突している間は「通常の手」に加えて、第二の「骨の手」が出現します。手が物体にぶつかった時、「通常の手」は物体表面で静止し続ける代わりに、「骨の手」が「通常の手」から抜け出し、その後のユーザーの手の動きを表示してくれるというものです。
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制約された動きがある場合

続いてVR内の引き出し、を考えます。引き出しは引っ張れば動かすことができるけれど、引っ張ることが可能な方向は限られています。VR内で引き出しは上には引っ張れませんが、Touchを握っている現実の手にはそのような制約はありません。このように、「動けるけど動きの向きが制約されている」という状況にも注意が必要です。

先にも述べたように、とにかく「手のトラッキングは1対1で追従させ続ける」という点があります。それゆえ、取っ手を掴んでいる間だけはVR内での手は引き出し方向にしか動かない、などと設定するのはトラッキングががはずれてしまうため、オススメされません。

手っ取り早い解決法としては、そもそもこういう物体は置かないことにして、制約されない動きに置き換えてしまうという手法が挙げられます。具体的にはひもやスイッチなどを作動させることで引き出しを開けるようにする、というやり方です。

これに付け加えて井口氏は、「動かしている間、誤った手の情報を与えるくらいなら、いっそ一時的に手を消してしまい、引き出しやレバーなどの動かしている対象の方に注目させるのも一つのやり方」とも述べています。

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握る・掴む・投げる

続いて話題は、「握る・掴む・投げる」ときの注意点に移ります。

重さと皮膚感覚

VRでは重さは感じないので、あまり大きなものを動かせるように設定すると不自然に感じてしまいます。またフライパンなど、重心が手から離れたところにある物体も、違和感を感じやすいのだそう。

皮膚感覚に関しては、「物を握るとき人間は、皮膚感覚を頼りにかなり高度な処理をしている」と述べ、「現在のVR技術では、皮膚感覚レベルの繊細な感覚、圧覚はまだ際限不可能」であるため「現実よりも少ない情報で、握る・掴むなどの動作をユーザーにやらせなければならないことに留意しておくべき」と述べました。

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当たり判定

「VR内で、小さい小道具全てに至るまであたり判定が存在すると、不意に手が当たった時に動かしてしまいがち」と井口氏は指摘します。おもちゃ箱をひっくり返したようにさまざまなものが目の前に置いてある『Toy Box』では、これに対する解決方法として、小道具に対して、手を開いている間は貫通、手を握っている間だけ当たり判定をつけるという手法を取っているとのこと。

また、何か物を握っているとき、その握っているものと周囲の物体との当たり判定はどうするか、という問題にも言及されました。これに関しては「ゲームに依って最適化が異なる」とし、「握っている道具が飛んでいかないことが大事なのか、周囲の環境との相互作用を感じる方が良いのか、どの程度あたり判定を実装するのがゲームにとって最適か見極めて実装するべき」と述べています。物に当たったら、握っていた物体は衝撃で手から抜けてしまう方が良い、という場合もあるのです。

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アシストの重要性

前述の通り、現在のVR技術では、人が普段使っているような皮膚感覚レベルの情報はまだ際限ができません。それゆえ、VR内では、例えば掴めるアイテムに対しては「色を変える、音をならす、振動フィードバックを与えてやる」など、ヒントをたくさん用意する方が良いとのこと。『Bullet Train』では、拾える物体は色が変わり、特定のSE音が鳴るようになっています。

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同様に、グリップ(握り)判定は、正確すぎるとストレスになってしまうこともあります。ゲームの中で手の届く範囲がリアルすぎると、拾いたいものがなかなか拾えないなどのトラブルが生じてしまう可能性があります。『Bullet Train』ではこれを受けて、実際の手よりも握り判定が広く設定されており、多少遠くの物も掴むことが可能になっています。
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『Bullet Train』で用いられている「手の届く範囲」。手から目に見えないマジックハンドのようなものが伸びている。このマジックハンドの向きに関しては、当初手の向きを採用していたものの、利便性の追求の末、最終的には「手の向いている方向と、頭から手へ向かう方向の中間」を向くように設定されています。

また下に落ちてしまった場合。いちいち拾うのは面倒であるため、『Toy Box』では、下に物を落とすと一定時間後に元の位置に戻るように設定されており、いくら散らかしても問題がないようになっています。なお、『Bullet Train』は上で見たように長いマジックハンドが伸びているような判定領域が設定されているので、あまり屈まなくても下に落ちたものを拾うことが可能です。

投げる

次に、VR内での「投げる」です。「正確に投げることは、現実世界でも難しい。気持ち良く投げてもらうためには、さりげなくアシストする必要がある」と指摘。「投げた」という手放しタイミングの判定は、「トリガーを放し始めた瞬間を手放した瞬間だと判定した方がシャープに反応してくれる」のだそうです。投げた瞬間にユーザーが向いていた・見ていた方向に軌道を誘導すると良いとのこと。

さらに、「自分はゲームをやっているのだと意識しすぎて、あえて(ゲームのお約束的に)手を止めてボタンを放す人もいる」と井口氏。これをそのまま実現すると、加速度がなく物体は下に落ちてしまいます。この振る舞いにも対応するための手法として、手を放した瞬間までの移動平均で加速度を決定してやると良い、と井口氏は紹介しました。
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道具を使う

Oculus Touchにおける「中指トリガーで物を握る」という操作は、ほぼ唯一の「ゲーム的なお約束」だと井口氏。ただし、人差し指を使う方が動作として自然ならそれも許容する方が良い、とも付け加えます。例えば『Bullet Train』では、手りゅう弾の引き抜き動作においては人差し指でできるようになっています。このような細かい操作は、ボタンで行うより、トリガーの操作で行う方が、より自分の手でやっているという感覚が強まります。

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小道具を持っている時の手の表示

道具を持ったときの手の表示方法には、手+道具以外にも、小道具だけ(=手を非表示にしてしまう)という方法が考えられます。井口氏によれば、持っている間だけ手を消すというのは、外から第三者が見ると不自然であるものの、持っている物体のトラッキングがきちんとしていれば、プレイしている当人は案外気づかないのだそうです。

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動くパーツがある小道具

井口氏は「小道具に可動するパーツがあっていじることができたり、道具からリアクションがあったりすると、道具の存在感が増す」と言います。例えば、ライターのふたが開く、ロボットの腕や足が動く、掴むとじたばたするなど、これらは細かい配慮ながらもVRにおいては「世界の説得力に繋がる」のだとか。

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Touchで銃を撃つ

「銃は多くのゲームに登場するアイテムで、Touchのハードウェア形状も、ある程度銃を想定しているところがある」と井口氏。

注意点としては、銃のような重みのあるアイテムを持つとき、先に触れた「VRでは重みを感じない」という点が挙げられます。重いものを持っているときほど、人間の手の震えなどを正確に反映し過ぎると、重心がプルプルと震え、重そうに見えなくなってしまうのです。この問題はスムージングを重心にかけるなどの処理で回避できるとのこと。特に位置に関してはあまりかけず、角度に関して強くかけるようにすると良いとのこと。

また、「実際の銃では弾が速すぎて弾道は見えないが、リアルさを損ねてでも弾が一瞬見えた方が、プレイヤーにとっては狙いが付けやすくて良い」とも。『Bullet Train』では、弾の初速を0.1秒だけ遅くし、その後加速させて元の速度に戻すことで弾道を見せています。

また銃を発射時、コントローラーに振動を与えると同時に、手の描写を一瞬後ろにノックバックさせています(銃のリコイル再現)。これはトラッキング最優先の考えに反しますが、振動と同時に一瞬行うだけなら、トラッキングのずれも気にならないと言います。

井口氏はこうした工夫に関して、「リアルっぽくするために、リアルから遠ざかるようなことをたくさんしている」とコメントしています。

両手を使う武器

パチンコや弓など、両手を使う武器のうち、伸縮部分があるものは手の位置の自由がきく一方、ショットガンやマシンガンなどの固いものは、現実で手の位置がずれても「持っている」という判定をし、ある程度の位置の矛盾を許容する必要があります。片手で持っても成立するものは、それを許容するのも手ではないか、と述べています。
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やろうとしたことが全てできる世界を!

さまざまなインタラクションが可能となるVRでは、プレイヤーは色々なことをやりたくなります。火のついた花火は他の花火に引火するか?手があるなら往復ビンタはできるか?銃弾はつまんだら投げ返せるか?……などなど。

大事なのは、これら「やろうとしたこと」を全て「出来る!」と言い返してやれる実装をすることです。思い通りにプレイができた時、プレイヤーは嬉しくなり、他の人に「こんな風にやってみなよ」などと言いたくなるものです。「テストプレイ中にテスターがやろうとしてできなかったことはなるべく記録を取り、可能な限りできるようにすると良い」と井口氏は言います。

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ユーザーインターフェースの操作

最後に井口氏はTouchを使ったユーザーインターフェース(UI)の話をしました。

2DUI+レーザーポインタ

 
タッチから直線を伸ばしてポインティングさせる方式のUIは良く見られるそうです。既に従来型のゲームで出来上がっているUIを採用するときは、ゲームコントローラーと似たような感覚で選択ができるので馴染みやすいとのこと。ただし、実際のレーザーポインタ同様、手元の小さな動きがポイント先で大きく増幅されるため、あまりに小さいボタンは押しにくいため注意が必要とのことです。
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道具型UI

道具型UIとは、VRの中でコントローラーの形状をしたものを持ち、Touchをそれに見立てて操作するタイプのUIです。画像ではラジコンのコントローラーを再現しています。
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ダイエジェティックUI

これは、つなぐ、引っ張る、割る、かぶる、打つ、食べる、飲むなど、VRでの行為・行動や物体自体をUIとするものです。たとえば、VR世界の中でカセットをはめ込むことで何かソフトが起動する、スイッチを押すと仕掛けが発動する・・・など。
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コロプラが開発した『Dig 4 Destruction』では、アバターの頭を変えたい場合、戸棚から被り物を取り出し、それを実際に被ることで姿が変わります。このようにダイエジェティックUIとは、メニューや十字キーの操作を一切なしで操作が可能となるUIのことです。

最後に

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井口氏は、自身が担当した「Touchのインタラクション」に関して、

1.ハンドプレゼンスを常に維持すること
2.プレイヤーの意図を汲むべきだということ
3.「できることができる」世界をつくろう、というまとめをしています。

また、本講演はハンドインタラクションについてでしたが、OculusのVR酔いに関する講演としてはCEDEC 2015「すべては快適な体験のために」(CEDEC2015のページ)にて扱われているとのこと。CEDiLにて資料の配布も行われています(こちら)。

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