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Meta Quest 2021.08.08

アプデで進化するVRヘッドセット Oculus Questシリーズの機能追加をまとめてみた

Facebookの一体型VRヘッドセットOculus Quest(オキュラス クエスト)には、2019年5月のリリース以降、ソフトウェア・アップデートによって、様々な新機能が定期的に追加されてきました。この流れは、2020年10月のQuest 2登場後も継続中。120Hzモードや「Air Link」など、VR体験をより快適に、より拡張する機能の実装が続いています。

本記事では、“初代”Questが発売されてから、現在のQuest 2に至るまでに実装された機能を、改めてピックアップ。同デバイスの、これまでの歩みの振り返りを兼ねて紹介していきます。

ハンドトラッキング

2019年後半に実装。同機能を使用すると、Quest本体に付属するハンドコントローラーではなく、ユーザーの手で、ホーム画面やブラウザなどで基本的な操作が行えます。2021年8月現在、、対応するVRゲーム、アプリケーションも徐々に増加しています。

Oculus Link & Air Link

PCとQuestを接続することで、通常では遊べないPC向けのVRゲームをプレイ可能にする機能。「Oculus Link」は有線(USB)、「Air Link」はワイヤレスでPCと接続します。

Questシリーズには、本体内部にプロセッサが内蔵されていますが、性能は(ゲーミング)PCには劣ります。「Oculus Link」か「Air Link」を使用することで、「Half-Life: Alyx」や「Microsoft Flight Simulator」といった、マシンパワーを必要とするゲームを遊ぶことができます。

120Hzモード(高リフレッシュレートモード)

Quest 2はリリース以降、段階的にリフレッシュレートの上限が“拡張”され続けています。リリース当時は72Hzに制限されていましたが、その後アップデートで90Hzに。2021年8月現在はテスト機能として、最大120Hzに設定することが可能です。

リフレッシュレートは、高いほど滑らかで高品質なVR体験ができます。動きの激しいVRゲームでは、120Hzモードの効果はかなりのもの。同モードへのへの対応はアプリ側のシステムに依存しており、一部アプリは現在でも低いリフレッシュレート(72Hz、90Hz)が上限となっています。

なお初代Questは、発売以降、リフレッシュレートの上限(72Hz)は更新されていません

Oculus Move

2020年11月のv23ソフトウェア・アップデートで実装されたフィットネストラッカー。Questシリーズを使用中に燃焼したカロリーなどを、データとして表示してくれます。

新型コロナウイルスの流行以降、VRを活用したフィットネスの注目度は急上昇。フェイスブック自体も、同分野に注力する傾向を見せています。今後もアップデートで、フィットネスに関連する新機能が追加されていくかもしれません。

マウス(キーボード)のBluetooth接続

Quest 2では、ワイヤレスキーボードとマウスを、Bluetoothで接続して使用することが可能です。設定はテスト機能から行えます。

マウスとキーボードはVRゲームでは使用できませんが、ブラウザなどの操作をよりスムーズに行うことが可能。両デバイスは基本的には表示されませんが、ロジテックのK830(キーボード)だけは、VR内でのキーボード表示に対応しています。

デスク・ソファー設置

Questシリーズには、現実世界に存在するデスクとソファーの位置を入力することで、それらの家具をVR内に“設置”する機能があります。通常の場合、プレイエリアの外に出ると警告が表示されますが、ソファーに着席した場合はヘッドセット側がそれを認識。“ソファーモード”への切り替えを行うポップアップが表示されます。デスクの場合も同様に“デスクモード”への切り替えが可能です。

パススルー・バックグラウンドとショートカット

Oculus Questシリーズには、前面に搭載されたカメラを使用して、VRを使用中でも周囲の状況が確認できる“パススルー”機能が存在します。

当初は、メニューからボタンを押さないと切り替えが行えませんでしたが、アップデートで改善。現在は、ガーディアン設定に、本体側面を“ダブルタップ”することでパススルーを起動できるオプション(ダブルタップで周辺確認)が用意されています。

また、設定から“周囲確認ホーム”(目の形のアイコン)を選択することで、ホーム画面の背景をパススルー映像に設定することも可能です。

メッセンジャー

ユーザーがチャットアプリのメッセンジャーを利用している場合、Quest内でも同アプリを使用できます。アカウントは、Questのログインに使用したものが自動的に設定されます。Questには以前から、連絡用のチャットシステムが実装されていましたが、対象は“Oculus”フレンドに限定されていました。

h2>スマホ通知の表示(iOS限定)
スマートフォンの通知を、VR使用中にも確認できるシステム。端末への着信やメール受信などを見逃す心配がなくなります。2021年8月現在、iOS限定で提供されている機能ですが、フェイスブックによれば、Android対応も予定しているとのことです。

マルチアカウントとアプリシェア

2021年8月現在、QuestとQuest 2には、(ひとつのデバイスで)複数のフェイスブックアカウントを登録することが可能です。アカウント間でのアプリ共有も可能。ゲームのセーブデータやフレンドリスト、デバイス設定などは、各アカウントごとに保存されます。

ストア外プラットフォーム「App Lab」

Oculus Quest(オキュラス クエスト)向けアプリを開発するデベロッパーが、公式ストア(Oculus Store)外でアプリを配信できるシステムです。Questは当初、公式ストアでのみアプリの配信が行われていましたが、コンセプトが書かれた企画書の提出が必須など、デベロッパーに対して厳しい審査規定が敷かれていました。

「App Lab」は公式ストアほど審査が厳しくない一方、配信タイトルは、公式ストアでのプロモーションやレコメンドには掲載されません。URLの共有を行い、ユーザーを集める必要があります。

実装が予定されている新機能

Road to VRによれば「Oculus Link」と「Air Link」向けの、新たなインターフェイスの準備が進められているとのこと。現在、両機能を使用するとOculus Riftのホーム画面が表示されますが、この状態では(Quest側の)スクリーンショット機能やデバイス設定に直接アクセスできません。

また、現実を見ることができる「ビデオパススルー」モードを開発者が利用できるようになっており、この機能を使ったアプリケーションも登場するでしょう。

現時点では新インターフェイスの詳細は不透明ですが、よりスムーズな“Link使用”が可能になるデザインに改善されるものと思われます。

(参考)Road to VR

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